前回までのあらすじ:
藤堂物産で働く本田承太郎は
この会社で10年働くサラリーマン。
今日は定期的に行われている、
特別講義を受けていました。
第63話:部下に信頼される為の技術
本田承太郎の会社の人事部長
「倉持」による講義が続いていました。
倉持は、
雇った人材を辞めさせない為の
環境を作らなければならないと
説明していました。
そして、その為に
学んでおくスキルとして
部下を信頼させる力を
技術として身につける事が出来る
と言います。
人の上に立つ上司という存在は
どうしても「見られる」
存在になります。
上司は部下に見られているのです。
入社した社員が上司を知るのに3日で
理解しますが
上司は沢山いる部下たちを
全員把握するのに相当な時間と
コミュニケーションを
重ねなければなりません。
だからよく言われるのが
「上司が部下を知るのに3年かかり、
部下は3日で上司を知る」
などと言われるんですね。
人の性格はなかなか
変えられませんので
まずは「理想の上司像」を
自分で想像して演じることから始めます。
ポイントとしては
好印象を持たれる事を意識します。
これはいやらしい意味ではなく、
営業等で先方のお客さんに
好かれる事を目指す行動と
同じ意味で捉えます。
お客さんは親切に説明してくれたり
アドバイスしてもらえる人を
信頼していきます。
次に発言方法。
上司像で必要なのは
「声の大きさ・アクション・話し方」
と言う様なわかり易い
コミュニケーションを取ることです。
人の上に立つ人間は嫌でも
声を大きくはっきりと出さなければ
相手に伝わらないばかりか信用も
失っていきます。
こちらの表で解るように
人の第一印象で受けるイメージは
このような割合になります。
これは一般的に
「メラビアンの法則」と言われ
いかにアクションによって
伝わり方が違うかを表しています。
つまり、
良い話をする努力をするよりも
話し方やアクションを改善する方が
遥かに効果が高いという事なんです。
だからこそ部下と接するときに
こういった点に注意してしっかりと
見られている事を忘れないで下さい。
コミュニケーションの注意点は
1声の大きさは少し大きい。
2明るい声や口調で話す。
3相手の目を見て話す。
4背筋を伸ばし、身だしなみに気をつける。
このような点が大事です。
話の内容はその都度で良いのですが
「曖昧な」表現は避けてください。
たとえ結論がどちらでもいい場合でも、
「どっちでもいい」と言うのではなく
自分が判断して決定する姿勢が必要です。
冗談でウケるとしても
非人道的な事やセクハラ・パワハラまがいの
発言は言ってはなりません。
その場は良いとしても問題が起きた時に
「あの時は~」と言う様な
話に挙がってしまうのです。
このように社内で同僚や部下に対しても
役職者は仕事中人格者で無ければいけません。
そして、このような姿勢を貫く事で
基本的な信頼は得られますので
プラス自分自身の個性で
好かれる上司へなれるように
努力していくのです。
倉持は、
部下の行動を修正する時に
管理職の真価が問われると言います。
うまく誘導できる人や人間性で
部下が動いてくれる場合など
それぞれの上司に合ったスタイルで
人を動かせることが良い上司の条件だそうです。
フィードバックしたり
話し合ったりして言うことを聞かせたり
普段からの威厳で動かすのも自由ですが
部下が納得して動く事が重要です。
もし、納得していない場面が続けば
モチベーションは下がってしまいます。
以上のような部分を
細かく注意することで意図的に
信頼を低下させないような水準が保たれると
倉持部長は説明したのでした。
次に、
信頼される力の効果を上げる
「執着心」について倉持は話を始めていきます。
つづく