どーも♡o(^-^)oいちよーでっす。
長きに渡り続いております蓮キョ愛シリーズ。
現在連載しているのは全6シリーズ。(いや、どれも時間よ止まれ状態ですけれども!)
うち4シリーズは一葉が完結させる予定でおりますが、セーちゃんが完結させる予定だった空模様シリーズのバトンが道端に落ちている事に気が付いたリーちゃん。
……拾っちゃいました(笑)
このシリーズはコメントリクエストを頂いて続いていたものですが、ふたを開ければ4話完結なのに10ヶ月も引っ張っちゃって。
いやー、のん気だよねーヾ(@^▽^@)ゝごめんしてね? ←それだけか!
本日、堂々の完結です。念のため申し上げますと、奏江ちゃんsideなのです。そしていつもの事ですが長めです。
どうぞよろしくお付き合い下さいませ。(。-人-。)
念の為、前話はこちらです↓
雨が降ったら (リ作)
雨が降ってくれたから~プロローグ~ (ユ作)
雨が降ってくれたから (ユ作)
~蓮キョ愛捧げあい「空模様シリーズ」最終話~
■ 雨が降ったあとだから ■
晴れたら外で昼食を…とあの子と約束をした日。
何が嬉しいのかその場で華麗なステップを踏むほど浮かれ切ったキョーコが、モー子さんの分も作って来るからね、とそれは見事な笑顔を振りまいて踊り出した。
やだもう!!アンタここ、道端よ!外よ!
本気で他人顔をしたいわ、人前だっていうのに!!
でも…
ま、いっか。喜んでいるし…
本当のことを言えば、私だってそれなりに楽しみにしていた。
人生初の親友と、その親友が私の為に作ってくれたお弁当を外で食べる…なんてもちろんやったことがないんだから。
だけど、その日はあいにくの雨予報。
前日、顔を合わせた時に、お互い運が無かったのよ…とあの子にも自分にもそう言い聞かせた。
そして、日を改めて…と約束をした日は文句なしの晴れ予報だったから、今度は大丈夫だと思っていたのに。
いざ今日という日がやってきたら、何の因果かやっぱり雨。
「 これは…するなって事だと思うわ 」
残念だけど、キョーコが来たらやっぱり日を改めようって言おうと思った。
言っておくけど、私だって楽しみにしていたのよ?
だから、雨だから屋内で…なんて妥協は嫌だと思った。
この理由をあの子に言うつもりはないけれど、約束の時間より少し早めにラブミー部に足を運んだ。
扉を開けた瞬間に人の気配を感じ取って、あらもう来てたの?って言おうとした私の視界に入ったのは予想外の人影。
――――― ねえ?なぜこの部屋にこの人がいるの?
LMEが誇るトップ俳優、敦賀蓮。
類稀なルックス
目を見張るほどの長身
鍛え上げられた肉体は、異性だけじゃなく同性の視線すら惹きつける
優雅でノーブルな男と謳われているだけじゃなくて
モデルとしては一流
そして演技力は誰もが認める実力を兼ね備えた超一流の実力派俳優で、もちろん私の目から見ても充分かっこいい人なのだけど…。
だけど、それだけなのよね。
なぜか私の中ではそれ以上の感想は出てこない。
「 あれ?モー子さん、もう来てたの? 」
ソファでうたた寝をしている敦賀さんから視線を外し、直立不動の姿勢のまま、私はキョーコの方へ振り向いた。
「 さっき着いたところよ。ところでアンタ、この人と約束でもしてたんじゃないの? 」
「 え?この人…って? 」
「 だから、この人よ 」
一歩横に移動してキョーコの視界を拡げてあげると、敦賀さんを見止めたキョーコは驚いて目を見開いた。
あら。どうやら違ったみたいね。
「 敦賀さんっ!?え?今日、来る日でしたっけ? 」
そのセリフで今度は私が驚く。
―――――― は??来る日…って何なの?
アンタたち、そんな約束をする仲な訳?
「 …ん?あ、最上さん?あれ?俺、少しウトウトしていたみたいだ。ごめんね?勝手にお邪魔して 」
「 それは、構いませんけど…。あの…どうして? 」
先輩俳優のそばに寄って、床に膝を落としたキョーコは
両手をソファの縁に乗せるとそっと顔を仰いだ。
その距離感。誰が見ても一目で判る。
この二人、親密度がぐんと増している。一体、どういうこと?
「 今日、また雨になっちゃっただろう?せっかく琴南さんと約束をしたのに、また君が断られたら可哀想だな…って思って。時間もあったし気になって来てみたんだ 」
「 え?たったそれだけの事で? 」
「 ん?それだけって…。もちろんそれだけじゃないよ。もし琴南さんがまた次の機会にしましょうって君を置いて行ったら、あわよくばまた俺が君と一緒にお昼をしようかなって思ってね… 」
え?
確か敦賀さんって、いまドラマの撮影が大詰めで大変な時期じゃないの?そんな余裕ぶっこいている場合?
それに……ちょっと、待って。なにその言い方。
もしかして、この間の雨で私と一緒のランチが出来なかったあの日、キョーコは敦賀さんとランチしたってこと?
えっと?それはどういう流れで?
先輩後輩として?
いえ、でもいま私の目から見てもこの二人の雰囲気は何だか…。
「 琴南さん…? 」
「 は、はい? 」
「 どうする?今日、雨だけど… 」
……言いたかないけど、なぜキョーコではなくアナタがそれを私に訊くのよ?
本当は、今日は止めようって言うつもりでいたけど
聞かなきゃいけない事が山ほどありそうな予感がする。
「 そうですね。でも今日は約束を敢行します。ま、雨なので予定通り屋外で…っていうのは遠慮したいですけどね 」
「 え?本当に?モー子さん、いいの? 」
「 良いも何も、アンタお弁当を作ってきているでしょ?その荷物… 」
「 あ…うん… 」
それに、いま私の目の前で繰り広げられているこの光景の答えが欲しいわ。はっきりとした答えがね。
考えられることは一つしかないけど。
答えは一つしか見えないけど。
ねえ、キョーコ。冗談じゃないわよ?
私はアンタの親友よね?
なのに何も聞いていないって、ねえ、どういうこと?
私が密かに眉をひそめると、敦賀さんが口を開いた。
「 …良かったね。最上さん 」
「 はい 」
敦賀さんの大きな手が、キョーコの後頭部を守るように優しく包んだ。
ごく自然にこの子の顔を自分へと引き寄せ、二人はコツン…と額を重ねる。
そして、私の反応を確認するように、彼の瞳が私を見据えたその時…
「 ……あ…!? 」
忙しい合間を縫って、わざわざここに足を運んだ敦賀さんの本当の目的が、私にもはっきりと見えた。
―――――― 違う…
この人、キョーコと一緒にお昼を食べようって、そう思ってここに来たんじゃないわ。
私にイエスと言わせるためよ。
自分がここに来ることで
キョーコと言葉を交わすことで
それを私に見せることで、さり気なく私に知らせたかったんだわ。
二人の関係に、変化が生じたんだって事を…。
「 モー子さん、ありがと。実は、報告したいことがあってね… 」
ほら、やっぱり。
「 ……そうね。どうやらたくさん話すことがありそうだから、長い時間が必要ね。もちろん、デザートまで揃っているんでしょうね?その荷物 」
「 へ?ああ、うん!!もちろんよ!モー子さん仕様でちゃんとカロリーも抑えてあるわよ 」
「 そう?ならいいわね。外はムリだけど、持ち込みOKのカラオケ店にでも行く? 」
「 うん!!行くっ!! 」
…思えば、内緒話を打ち明けるとき、アンタとはいつもカラオケ店よね。
うっすらと頬をピンク色に染めて、立ち上がったキョーコが敦賀さんに視線を移す。
はたから見ても判るアイコンタクト。
それ。ごく自然にその空気を私に見せてくれるのは、私がアンタの親友だから、よね?
「 じゃあ、行きましょ。失礼します、敦賀さん 」
「 行ってきますね、敦賀さん 」
「 うん。行っておいで 」
聞かなくても…
もう、何も聞かなくても、何を言われるのかは判っているけど
だけど
私に報告をしたいって
そういう意味で約束をしたのよね?
少なくとも、今日は…。
キョーコが作ってきた色とりどりのお弁当をつつきながら
ときどき口から砂糖を吐いてしまいそうになって、それでも最後まで話を聞いた。
女二人で3時間。
それが充分な時間だったとは言わないけれど
それでも、キョーコは私にきちんと報告をしてくれた。
「 良かった。私、モー子さんに、一番に報告をしたかったの 」
「 そう。目的が果たせて良かったわね 」
「 うん!!本当に、時間を作ってくれてありがとう! 」
ねえ、お礼を言うのは何かおかしいんじゃないの?
私はアンタの話なら聞くわよ、もちろん。だって、親友だもの。
心の中でそう呟いて、カラオケ店を後にした。
外はすっかり雨があがっていて
太陽の光が雨雫をキラキラと輝かせている。
「 わー晴れてるー 」
「 本当ね 」
雨が降ったあとだから
きっと私の知らない間に、足元の大地はしっかりと固まっていくのでしょうね。
この子とあの人の気持ちが、私の知らないところで重なり合ったみたいに。
「 じゃあ…行くわね、キョーコ。ご馳走さま 」
「 あ、うん!またね 」
晴れやかに澄み渡った空のような笑顔のあの子に片手を振って、頬を緩めて踵を返した。
世界を煌めかせている空を仰いで、そう言えば…とふと思い出す。
やだ、私ったら。
あの子の話を聞くだけ聞いて、肝心な事を言うのを忘れていたわ。
世界の眩しさに目を細め、クスリ…と小さく微笑んだ。
ごめんね。今度、伝えるわ。
良かったわね。
おめでとう、キョーコ。
E N D
親友♡いますよ私にも。ちょうどキョーコちゃんが奏江と出逢った時と同じ頃からの付き合いです。
本当に長く付き合える友人っていうのは、どれほどのタイムラグがあっても気軽に話せます。
キョーコちゃんと奏江も、長く長く付き合う二人であって欲しいです。
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