SS 雨が降ったら | 有限実践組-skipbeat-

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こちらは蓮キョ中心、スキビの二次創作ブログです。


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 8月最終日★おはようございます!!о(ж>▽<)y ☆

 気まぐれにマスター様の所をこっそりと渡り歩き、時々呟いては足跡を残しております一葉です(笑)


 長いお話だと忘れちゃうので(←…)SS拝読で失礼させていただいておりますが、呟かない時でも「いいね!」ポチをしておりますので、本当はコッソリとは言わないかも( ´艸`)


  さて、今日は読切SS。キョーコちゃん視点。相変わらずの両片想い♡


 本当に多いよね。有限実践組はSSが…。

 しつこいのは判ってるぅぅぅ!でも一葉は、片恋の切なさを甘酸っぱく煮詰めて、美味しく召し上がっていただける二次作家を目指しているのぉ!

 きっと辿り着かないけどね…にゃふ( ̄▽+ ̄*)…いいの。それも一興だから♡


蓮キョ愛捧げあい「空模様シリーズ」

■ 雨が降ったら ■





 明日はあいにくの雨予報。

 晴れたら外でお弁当を食べようねって、やっとモー子さんと約束できたのに…。


 人生で初めてできた親友の彼女と

 ようやく取り付けた初めての行事…


 どうやら叶えられそうもない事が判って、私は大きく溜息を吐き出した。



 今日だったら

 いまだったら

 晴れているのに…。


 ラブミー部の部室の中で、憎々しく空を睨んで窓ガラスにすり寄った。



『 今日は仕事があるから無理よ! 』


 さっきまでここにいた親友の声が蘇って、今度は視界を閉ざしてからもう一度溜息を吐き出す。


『 でもモー子さぁん…明日は雨予報なのよ~!今日にしようよー!!』


『 今日はこれから仕事なの!…あんた、私に演技させない気? 』


『 じゃあ、明後日は~? 』


『 明後日も仕事!!明日しかなかったのよ!運が悪かったと思って諦めなさい! 』



 楽しみにしていたのは自分だけなのかも知れない。


 そう思ったら、何だか悲しい気持ちが込み上げた。そのとき…


 クス…


「 !!!! 」


 驚いて振り向いたドアの近くで、握った右手を口元に寄せた敦賀さんが色鮮やかに視界に飛び込んだ。


「 つ…るが、さん… 」


「 何か、悩み事?これでも2回声を掛けたんだよ?君が2回溜息を吐く間に…ね? 」


 その言葉に、血の気がザッと引いて。

 失礼な態度を取っていた事を大急ぎで謝罪した。


「 ご…!!ごめんなさい!!考え事をしていたんです!すみませんでした! 」


「 うん。だからね?…何を考えていたの? 」


「 え…あの… 」



 本当に、自分はダメな女だとこんな時、実感してしまう。


 自分に甘くて

 とってもズルくて

 物凄く卑怯…


 優しい言葉が降ってくるのは自分が特別だからじゃないのに


 それでも敦賀さんから問われたら

 私は何でも話したくなる…



「 ――――― そうなんだ。明日、晴れたら琴南さんと… 」


「 はい。楽しみにしていたんですけど、雨…確実みたいで… 」


 しゅんと項垂れて椅子に座ると、敦賀さんはもう一度小さく笑った。


「 じゃあ、さ、最上さん? 」


「 はい? 」


「 雨が降ったら、俺と一緒に昼食ってどう? 」


 言われた言葉に思考が止まって、焦りながらも言葉を絞った。


「 え?ど…どうって…言われても… 」


 頬が紅潮していくのが判った。

 変わらず送られてくるまっすぐな視線。


 柔らかく微笑む敦賀さんの眼差しは、いつでもどんな時でも私の鼓動をかき乱す。


 言われた言葉を反芻して

 まるでその台詞に従うように、脳裏で展開されたのは幸せなシーン…。


 敦賀さんと…?一緒にお昼って…?


 私…?私が…?

 現場を共にしている訳でもないのに

 それは、あまりにも贅沢すぎる約束なのでは??


「 ええ…?でもでも…それは… 」


「 俺とはダメ?約束できない? 」


「 いえっ!!そんなこと!…で、でも…お忙しいんじゃ…? 」


「 昼食取る時間ぐらいあるよ。じゃあ、約束だよ? 」


 優しく流れる視線の向こうで、神々しく揺らめく笑顔が眩しくて。

 嬉しさを隠すために口元を引き締めながらも、私はゆっくりと視線を落とした。


 だめ…頬が、緩んでしまいそう…。



「 最上さん? 」


「 は…はい!? 」


「 晴れて欲しいなら、テルテル坊主を作ればいいと思うよ?晴れたら琴南さんと、雨だったら俺と…ね? 」


「 は…そう、です…ね。はい… 」



 ああ…もう、本当にどうしよう…?


 高鳴る心臓がうるさくて、にっこりほほ笑むその顔をずっと見ていたい衝動が湧き起こる。



「 じゃあ、雨が降ったら…約束だよ? 」


 本当に私は自分に甘くて、時々本気でどうしようもない女だと思う。


「 …はい… 」



 じゃあねと軽く手を上げた敦賀さんの後姿を見送って

 浮かぶ苦笑を両手で隠した。



 その日の夜 ――――― …




「 これで…よし…っと… 」





 願いを込めたテルテル坊主は、頭が地面に近かった…







    E N D


つまり、晴れ祈願ではなく雨乞いをしたと…。

雨予報で雨乞い( ´艸`)どれだけ自分を不運だと思っているんだろう、キョコちゃんは(笑)


女の友情はハムより薄い…

でもこういう所が恋する少女の可愛い所です♡



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※ユーちゃん作「雨が降ってくれたから ~プロローグ~」に続きます♪


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