2010年9月5日


2回目のL-CAPを行ってから2日、特に変わった様子はない。
というか相変わらずの悪化具合。

血液減少により、この頃からベッドから起きている事が辛くなってきていた。
基本は横になっているか座っている状態。
トイレには自分で行こうと試みるものの、貧血が酷くなり立ちくらみが出る為危険と判断。
車椅子での移動を強制させられる事になる。
トイレに行くたびにナースコールをするこの煩わしさといったら・・・(´Д`)



プレドニン投与は継続しているが、あくまで病気を押さえ込んでいるに過ぎない。
もうプレドニンが効果を出すには身体に大きな負担がかかる量が必要なのだ。
この時の私の体調ではそれはできない。
結局はL-CAPの効果を待つか、免疫抑制に踏み切るか・・・である。

医者の話では、内科的治療の最終手段として免疫抑制を考えてはいるが
年齢などから判断してもできるだけ行いたくないとの事。
そりゃ免疫を減らすことによる合併症などの恐れはわかるんだけど・・・
まぁ色々あるんでしょう。
患者としては医師を信頼して任せるのみである。

どっちみち免疫抑制をスタートさせたとしても効果が出るまでに時間はかかる。
結果論であるが、この時仮に免疫抑制をしていても無駄だったんだなぁ・・・と考えれば
やらなくて正解だったともいえる。というかそういう考え方をしないとやりきれない。



私の命綱はもうL-CAPしかないのであった・・・と言うと大げさ過ぎるがw
3回目くらいから効果出る人が多いと聞いている以上、早く次の実施日がこないかと待ち焦がれた。

「効果出なかったらどうしよう」

悪い事も頭に浮かぶ。仕方無い。
その度に、病は気から・・・という言葉を思い出して自分を奮い立たせていた。



そんな状態であっても出るものは出る(´Д`)
ナースコールを押し、車椅子で運んでもらうツライ日々であった・・・orz



※余談であるが、看護師というのは大変な職業である
 いや楽な仕事なんてないけど、入院してみて改めて大変だなぁと思った次第
 そのバタバタの状態で、自身のWCの為にわざわざ1人分削ると思うと気を遣ってしまうのだ
 こちとら患者、不要な気遣いであるのは承知の上だけども・・・だけども・・・うんw
 まぁこういった入院にまつわる余談は後ほどたくさん書いてみたいと思う
 ほとんど愚痴になるけど(´・ω・`)




※次回予告※
3回目のL-CAP
2010年9月3日


本日2回目のL-CAPデー。
1回目の実施から4日経ったが特に効果が出ている様子はない。
まぁ早い人で3回目くらいから実感できるとの事だったので、まだまだだろう。

しかし予想以上に酷い状態の我が潰瘍性大腸炎はこうしている間にもどんどん悪化していく。
この頃すでに体内の血液がかなり失われている状態であった。
もちろんこの時点での自覚はあまりないけどね('A`)



ちょっと話変わって、プレドニン投与の影響か体力低下が原因かはわからないが
とにかく免疫力が下がって色々な病気にかかりやすくなっていた。
この時私が別の病気にかかっていたのが、口内がカビに侵食される病気。
名前忘れてしまったw


口の中が常に乾燥したような状態で、とにかく口からノドにかけての不快感が酷い。
そりゃそうだ、カビ生えてんだもん(´・ω・`)
基本的に水分は摂取してよかった為に、食事はできないが内服薬は飲んでいた。
でもこの病気のおかげでとにかく錠剤がノドを通らず、吐き出すこともしばしば。
10錠くらいまとめて飲んでしまいたい所を、1錠1錠チビチビ飲むのであった・・・orz
大腸炎よりこっちの方が直接的に不快感を感じて、個人的には辛い時期であった。
なんたって言葉を発するのもツライくらいだから。





さて2度目のL-CAPを実施する。
1度やっている為に要領はわかっているから特に不安などはない。
問題は血小板の低下による出血をいかに防止するか。

というのも、前回女医さんに有無を言わさずぶっこまれた針の位置に、酷い痣ができていたのだ。
ようするに普通であればあまりできない内出血が、今の私の身体ではできてしまうという事。
医者ですら 「これどうしたの!?」 と驚くほどの内出血なのであった・・・痛みはないけどね。

内出血に関しては、L-CAP施工後の止血をかなり念入りに行って対処することに



今回は体調が良かったのか、前回と比較してスムーズに血流が動いてくれた。
早ければいいというものでもなく、どちらにせよ1時間くらいは待機となる。
30分くらい経過した時点で意識が飛んでたけどね(;´Д`)ネチャッタ

けたたましい終了ブザーと共に男性医師が訪ねてくる。

医師 「どう? 気持ちヨカタ?」


あのなw
まぁ病室と比較して静かな環境はとても心地よいものだが。
この人は前回も変な事ばかり言っていたが、やはりおかしな人であった。
もちろん患者をリラックスさせる為の言葉なのだろう。
その後も止血に時間を取っている間、数名の看護師達で私を囲んで談笑してくれた。

自分の置かれている状況、病気の重さ、長期入院の精神的疲労などが思っていた以上にあったのか?
何気ない看護師達の気遣いに対し、なぜか涙が止まらない。
そして今一度振り返ってみて、病気と闘わないといけないという気持ちになった。
なんなんだかよくわからないけど、心に響く物があった透析室のひととき・・・

しかし病気はそんな事おかまいなく進行するのであった。





※次回予告※
嫌な予感
2010年8月30日


上下する体調に振り回されつつも、新規治療に期待してwktkする自分。
本日いよいよ例のL-CAPを実施する時がきた。
今思えばもっと早い段階でやっていたらどうだっただろう、とか考えてしまうが・・・


L-CAP、通称:白血球除去療法

血液を抜いて、白血球の悪い部分を特殊なフィルターで除去し、再度その血液を身体に戻す・・・
大体1回1時間前後、週に1度か2度のペースで、5週間~10週間行うらしい。



用意ができた時点で透析室へ向かう。
喧噪な病室と違ってなんと静かなことか・・・こりゃ寝てしまうよ(;´Д`)
ていうか患者よりも看護師や医師の数が圧倒的に多くてビビッタ。


とりあえず指定のベッドに寝かされ、体温と血圧測定。
あとはもう両腕に針さして・・・って針が太いよオイ(;・∀・)
なんか点滴感覚だと思ってたら間違いのようだ。

はきはきとした感じの女医さんが近寄ってくるなり、私の腕をグリグリしはじめた。
やべぇ、やられる。

女医 「チクッとするよー♪」

・・・プスッ  アッー!


痛いんですけど・・・ていうか重いというか・・・変な痛みw
血管が細いから普通の点滴でも結構どこにしようか迷う人が多いんだが、
なんのためらいもなくブッ刺しやがったぜ、この女・・・orz


今回は点滴でも採血でもない・・・循環だ。
つまりもう片方の腕にも・・・なんて思ってたらプスッ アッー!



・・・準備完了!(;´Д`)ハァハァ


腕がちょい痛いという以外には快適そのものの空間。
とりあえず機械の作動音と共に血液が抜き取られていく様が・・・わからないw

あるぇ、なんか抜けていってないぞ。
どうも私の血管はひねくれているらしく、ここからしばらく看護師vs血管となるのであった。



暖めたり、変な人形ニギニギしてみたり・・・色々やってなんとか流れるようになった。
体感的には何が起きているのかまったくわかりまへん。
半分睡眠に入りつつ、( ゚ ρ ゚ )ボーっと1時間待つだけ。
これで治るなら何回でもやってやんよ、と思った。



ブザー音と共に終了。
針を抜き、止血をする。さすがに針が太いからか念入りだ。
約10分安静にした後に病室へ戻る事になる。
これといってフラフラしたり、副作用的な物も感じることはなかった。

あえて言うなら・・・腕が痛い(´・ω・`)



さて、期待していたL-CAPだが結構アッサリと1回目が終了した感じだ。
どの程度効果が出てくれるのかな・・・


しかしこれは注射が苦手な人にはツライだろうなぁ。





※次回予告※
2回目のL-CAP
2010年8月28日~


転院直後に大惨事だったが、点滴投与して落ち着いてからは比較的安定。
とはいえ病気は病気であり、重い事もまた事実。
普段の生活での安定とはまったく違う状態ではある。



とにかく点滴が多い。

食事してない→栄養足りない→フルカリック(高カロリー輸液)

これの為に中心静脈点滴を行わねばならない。
首か鎖骨あたりからカテーテル通して、点滴を行う。
腕の血管で点滴をすると細いからボロボロになってしまうらしい。

カテーテルは2本、そして常時2種類の点滴をほぼ24時間体制で注入する。
もちろん寝ている間も点滴点滴点滴・・・orz
腕は自由に動くが、首から管が通っている為に不快感がヒドイのだ。
ここから約2ヶ月近くはこのCVというカテーテルが外れる事はないのであるが、
外したときの感動といったら・・・(ΦωΦ)フフフ…

まぁ前の病院でも鎖骨から行っていた事なので、ある意味慣れてはいた。
そして当然だが点滴が常時ついているので風呂に入れない。
厳密には一時的に外してもらって入る事はできるが、この当時は体調も悪いから基本はNGだった。
おかげさんで身体用ペーパータオルとドライシャンプーは欠かせない物に・・・




さて栄養と投薬が開始されたとはいえ、結局は薬のほとんどが「維持」を目的とした物。
厳密には減少した身体の要素を正常に戻そうとしているだけ。
病原となっている大腸の炎症はやはりプレドニンに頼るしかないのであった。

とはいえ60mgのパルス療法で体調安定、50mgに落とすとすぐに悪化という繰り返し。
まさに日替わりランチの如く変わる大腸の様子に、体力がドンドン奪われていた。
自分ではあまり自覚がなかったが、血液もかなり失われていたのである。
更に肛門の機能にも障害がでていたのか、下痢を我慢できない状況が稀にあるのが辛かった。
自分の意志でアレを止められないのである。
寝ているときに・・・ならまだわかる(もちろん睡眠中もやっちまう訳なのだが)
起きているのに・・・アッー!

という事で恥ずかしながら生理用ナプキンのような物でガードする必要が(´;ω;`)
出てくるもんがなまじ血液混じりだからホントに生理になった気分・・・orz
精神的に本気で辛いッス、これは・・・

もちろん常時そういう状態ではないので、基本はトイレで済ませていた。
そしてこの時はまだ元気に歩いてトイレに行っていたのであるが・・・




中々改善されない重度の潰瘍性大腸炎、当然ながらそのままという訳にはいかない。
いよいよL-CAP、白血球除去療法とやらを試す時がきたようだ。




※次回予告※
L-CAP開始
2010年8月28日


本日転院の日。
一応歩けるからという理由で自家用車にて親が送ってくれる事に。
もうちょいヒドイ状態だったら救急車だったが。
場所は車でおよそ1時間程度。
渋滞しやすい道路事情なのでもっとかかることもある。

とりあえず朝一番で鎮痛剤を入れてもらって準備OK。
なんというか、外に出る事自体が久しぶりである。
幸いにも晴天、いやぁ気持ちいいね!


約1ヶ月ぶりに乗る車、乗り降りするだけでこんなに疲れるものか。
病院内で動かない+絶食という生活での体力低下を思い知る。
ひとまず乗り込み出発するが、鎮痛剤の作用か睡魔に襲われ眠ってしまったらしい。
起きたらすでに道半ばだった。



体調は落ち着いているまま転院先へ到着。でけぇ、さすが大学病院。
もはやどこに向かえばいいのかもわからない状態であるw

とりあえず受付らしき場所で各種書類を提出するも、受付のおねーちゃんがよくわかってないのか
なんか必死に外来を案内しようとする。
いや、だから転院なんですって・・・入院しにきたんですって・・・すでに病気は判明してるんだってばよ。
それでなくとも入院用の荷物とかスゲーたくさん抱えてるんだよ?
1ヶ月入院してて転院した人間に、このまま外来検査とか拷問だろうに(´・ω・`)
検査するにせよまず病室に入るのが先だと思うんだがどうだろう。
この辺りはやはり大学病院ならではなのか、処理件数が多いから機械的になりやすいのだろうか。


とか考える間もなく 「あっちへ」 「次あっち」 とたらい回しにされる。
もちろん普通に検査しに来ている人や初診の人達でごった返している所だ。
問診で1時間待たされ、レントゲン1つ撮るだけで更に1時間近く待たされる。
前の病院を出てすでに4時間近くが経った・・・鎮痛剤が切れてくる頃だ。

ようやく部屋に・・・という頃にはすでにフラフラになっていた。
腹が痛い・・・



しばらくすると看護師が入院についての説明にくる。
しかしこの看護師さんもまた経験の浅い人のようでまったく信頼できそうにない・・・orz
もちろん転院してきた事もよくわかっていない、私の病気もわかっていない。
そんなもんか・・・と思うしかない。
とりあえず一通り話を聞いたり自分の状況を説明し、主治医を待つ事に。


その間どんどんと体調は悪化していっていた


30分ほどして主治医の先生がやってきた。
挨拶の後の何気ない一言。

主治医 「○○病院は私もたまに往診していて、HYUROさんの事は知っているんだ」


この一言・・・
これで今までの全てが吹っ飛ぶように安心した。
自分の病気を理解してくれているなら話が早い、というか転院なら当たり前なのかもしれんが・・・
自信満々に今後の治療方針などを説明する主治医の先生。

基本は変わらない。

絶食で腸に負担をかけず、プレドニン静注投与とペンタサ経口摂取による内服治療を継続。
これに加えてステロイドパルス療法を行っていくとのこと。
また様子を見てL-CAP、及びレミケードかプログラフによる免疫抑制も並行していく。
パルス療法とは一時的に大量のステロイドを投与して、そのショックにより炎症を抑えるとかなんとか。


単純なプレドニン投与で状況が良くならない以上、新しい治療に踏み切る事は希望の1つ。
とりあえず食事をしていないので高カロリー輸液を投入する為、中心静脈点滴をせねばならない。
治療は翌日からという事でとりあえず本日は何もなしらしい(腕からの点滴はあるが)
治療に際して様々な同意が必要という事で各種同意書にサインをして終了。



主治医と話をして精神面では少し安定したが、薬の切れた身体は限界に来ていたようだ。
話から1時間ほどして激しい腹痛に襲われる。


超いてぇ


こんな激痛初めてかもしれない。声がほとんど出ない。動けない。
基本的に痛みを我慢する性格なので、根性と気合いで耐えていたのだが
さすがに隣に残っていた親が見かねたのかナースコールをプッシュ。まぁそれが普通ですw

そこで来てくれた看護師さん、さっきの新人さんでした(´Д`)
腹がいてぇとアピールしてもアタフタするだけ・・・おーい頼むよw
ちょっと待って下さいと言い残し退散する看護師。


40分経過


誰もこねぇ・・・痛みは増すばかり・・・どうしようもないので再度ナースコール連打。
今度は違う人がきたが、「どうしました?」と声を掛けられる。
あぁ、やっぱり話なんて伝わってないんだな・・・と実感。

そのままフッと意識が飛んだ


・・・気付いた時には周囲に大勢の医者がいましたとさ(´Д`)
痛みで失神とか・・・情けないが、初体験だ。


ベッドに横たわったまま、なんかしらんが注射しまくってるよ(よく見ると採血だったw)
とりあえず腕から点滴ブチ込まれつつ、静脈採血と動脈採血をしているらしい。
さっききてくれた主治医もいた。
このまま緊急でCTを撮りに行くとの事で、ストレッチャーに移され搬送される。
痛みは収まっていない為にベッドからストレッチャーへの移動だけでまた意識が飛びそうに・・・


CT室まで移動したものの、撮影するには腕を上にあげろとさ。
頑張って上げてみると案の定激痛が走る。呼吸すら困難な状態に・・・だがやるしかないわけで。
この辺で根性出すのは今までの経験というか、性格が功を奏したのかなんとかなった。
ていうかとりあえず先に鎮痛剤だけ入れて欲しかったなぁ・・・


病室に戻り、痛みはあるものの意識がハッキリとしていたので自分の口で鎮痛剤を希望できた。
また入室から時間が経過し、失神なんて事もしたおかげで看護師が病状を理解し、
私に対する看護対応が入室直後とがらりと変わっていた。喜んでよいのやら複雑ではあるが。
なんにせよ素早く用意された鎮痛剤でようやく楽になった・・・

所詮はその場凌ぎの投薬だが、痛みを抑えるってのは大事だと思う。
使いすぎるのもダメだけど。



まったく散々な転院初日。
しかしこりゃ身体に負担かけると結構ヤバイ状態なんだなぁと実感。
薬で生かされている・・・という感覚。
当たり前だが気分の良い物ではない・・・





※次回予告※
山と谷の病状