昔の記憶 | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

夏にデパートなんかに出かけると、ふいによみがえってくる記憶がある。


昭和40年代後半。母の実家が三重県の松阪市にあり、夏休みにはよく泊まりに行った。1か月まるまる滞在したこともあったなあ。

そのころ、松阪の駅前には三交百貨店というデパートがあった。(今はどうだか知らない) 特に何を買うというわけではなくても、「涼みに行く」という感覚でそこへ行ったりしたものだ。


夏のデパート、ということで、店内のBGMはとろりんとしたハワイアン。気だるい音楽が流れ、そして「冷房」のにおいがしていた。ちょっとカビ臭いような、ひんやりした古ぼけた匂い。あの匂いが好きだった。ハワイアンとのコンビネーションが抜群で、「これぞ、夏!」という感じがしたものだ。


今でも、ゆったりしたハワイアンを聞くと、あのひや~っとした空気の匂いが鼻によみがえる。いまどきあんな匂いのするエアコンなんてなかなかないよ。あのころのデパートってみんなあんな匂いがしてたような気がする。


松阪はいいとこです。もう何年も行ってないけどね。ばあちゃんの家はなくなって、駐車場になってしまった。

伊勢自動車道で松阪の辺りを通過するときって、「動物注意」の看板が立ってる。鹿の絵とかが書いてあるんだよ。あ、これは今の記憶か(笑)