千紫万紅

中国の文学、映画、ドラマなどの感想・考察を自由気ままにつづっているブログです。古代から現代まで、どの時代も大好きです。


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1962年の香港映画。制作は上海海燕电影制片厂。

原作はもちろん四大名著の一つである「紅楼夢」。

中国伝統劇の一つである越劇を映画内に取り入れており、平たく言えば古典ミュージカル調の作品となっている。数ある紅楼夢の映像化作品の中でも、かなり評価が高い部類に入る。

越劇らしく、歌う場面が沢山。また登場人物は全て女優(もっとも、美少年設定の賈宝玉は、本作に限らず女優が演じることも多い)。

 

原作が大変な長編ときているから、ストーリーも人物も大幅に削られ、基本的に賈宝玉と林黛玉の恋愛に焦点が置かれている。とはいえ、それでも二時間強の長さ。「読西廂」「黛玉葬花」「慧紫鵑」といった、宝黛にとって外せない原作場面はきちんと押さえてある。

衣装や音楽も拘りが感じられていい感じ。ちなみに衣装に関しては京劇のようにど派手な見た目では無いのも越劇の特徴か。あと、作中で用いられているのは普通語ではないため、字幕無しだと確実に死ぬ。

何だかんだ映画として作っているので、カメラワークはよく働くし、セットも沢山用意されているのがいい感じ。

古典ミュージカルものとして楽しむべし。ストーリーも一本筋なので、原作だと複雑でわかりにくい紅楼夢も、これなら楽しめるかも。

 

 

 

 

 

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Twitterなんかでも時々触れていますが、今年はかの有名な87年ドラマ版紅楼夢の三十周年です。

同時に、ヒロインである林黛玉役の陳暁旭さんが亡くなられて十年目でもあります。

色々と節目の年なので、大陸でもちょこちょこ特集番組が放送されている様子。気になったものがあれば拙ブログでも紹介していきたいです。

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明末清初の歴史家・張岱の随想録。タイトルの陶庵は彼の号である。

著者の張岱は裕福で学もある名家に生まれ、若い頃は世の遊びという遊びを経験し、好き放題に暮らしていたが、時代は明の末期であり、清軍の侵攻によって王朝は滅亡する。しかし張岱は清の支配に屈することなく、生涯を明の遺臣として生きた。本作は、張岱が若い頃の思い出を気ままに書き綴ったもの。
 
明末は政治的に腐敗しきって国家のシステムは崩壊寸前だったが、一方で文化的なレベルは歴代王朝でも最高峰に達していた。清王朝が明を滅ぼしてしまったことで、一時的にではあるがこの文化的な繁栄は失われてしまった。本作を読むことで、張岱が若い頃に存在していた明の繁栄をうかがい知ることが出来る。書かれているジャンルは人物、食事、自然、茶や遊戯、彼の住んでいた江南一帯の風習など多岐に渡っており、色々な角度から楽しめる。
ちなみに、この手の本だと自分達の王朝をめちゃくちゃにした満州族への恨み節が出てきてもおかしくなさそうだが、意外にもそのような記述は少しも無い。彼にとっては、過去に経験した出来事は既に恨みや悲しみを越えた一種の夢になっていたのかもしれない。
名家の子息だけあって、張岱は当時の有名人にも詳しい。講釈師として名を馳せた柳敬亭や、画家の陳洪綬、南京旧院の妓女達など。そうした人物に関するエピソードもなかなか楽しい。とりわけ珠市の妓女・王月のクールビューティっぷりや、お茶に造詣が深い閔老人、女と酒が大好きな画家・陳章侯は印象深かった。
 
中国古典の随筆の中でも傑作の一つなので、是非ご一読を。
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1964年の香港映画。鳳凰影業公司製作。巴金の小説「憩園」を原作としている。

旧時代の名残を残す屋敷を舞台に、二つの家族の崩壊を描く。楊梦痴は裕福な旧家の生まれだったが、幼い頃から放蕩暮らしを送ったせいでろくに生活能力も無く、家計を支えることも出来なくなって、ついに屋敷を売り払ってしまう。一方、新たに屋敷へ移り住んできた姚国棟もまた富裕層の人間だったが、彼の妻である万昭華は、前妻との間に出来た息子の小虎が我が儘放題に育っているのを見て、将来に不安を覚える。やがて、楊梦痴と小虎はそれぞれ悲劇を迎えてしまう…。

 

善良な人々の悲劇を描かせたら巴金の右に出る者はいない。古い映画ながら、巴金作品の雰囲気をしっかり再現していて好感度高し。どんどん落ちぶれていく楊梦痴の演技は実に見事。なんというか、彼の姿は現代で言うところのニートそのものだなぁ。人間としては善良でも、社会的に生活していく能力が皆無のために、結局破滅していくしかない悲劇。社会や家族というのは、こういう人々を救うためにあるべきだと思うんだけれど…。

作中のヒロインである万昭華も印象深い。彼女の善意から出た行いは、ことごとく他の連中に邪魔されてしまう。正しいことをやっているはずが、そのためにかえって非難まで浴びる始末。でも実際、人生でこういうことってあるからなぁ。色々と感傷的になってしまう映画だ。
 
その他、セットや衣装の作り込みが細かいところも良かった。屋外セットを使ったシーンもあり、結構金をかけているようだ。また原作が戦時中に描かれたことを反映してか、抗日スローガンの書かれた壁紙が貼ってあったりもする。どんどん困窮していく楊梦痴の描写にしても、衣装やメイクによる演出がしっかりしているからこそ。
 
作中で使われている中国語は割とわかりやすいし、原作自体が有名なので、授業なんかで鑑賞する作品としてもいいのでは。登場人物の描写は現代の我々でもじゅうぶん共感出来るものだし、古い中国映画とはいえ見るべき価値のある作品だと思う。
 
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満州映画協会製作の映画。1942年公開。満州国建国十周年記念の作品でもある。

 

ストーリーは一応恋愛ものなのだが、はっきりいって出来は悪く、どちらかといえば満州に赴任してきた男主人公・武雄の視点を通して満州国の文化や暮らしを紹介する宣伝映画といった趣きが強い。冒頭からアイスホッケーに興じる場面を見せて文化性の高さを強調したり、「最近は移民が増えて部屋が足りないんですよ」といった台詞からも、それがうかがえる。度々出てくる中国語レクチャーも、かなり宣伝臭い(ところで、後半で武雄に中国語を教えている姑娘が凄く可愛らしいんですが、これはなんて名前の中国女優だろうか…)。

 

他にも、満州国を日本人と中国人が共生する理想国のように描いている。劇中では日本語と中国語が入り乱れ、土地に住まう人をあくまで「満人」と呼ぶ。李香蘭演じる白麗の描写はそのもっともたるもので、流暢な日本語を話し、日本人の作った文化に溶け込んでいる中国人の姿は、五族共和を掲げる満州国の理想を体現した存在といえる。

言ってしまえばプロパガンダ映画であり、劇中における満州国の描写も、必ずしも鵜呑みにしていいものばかりではないだろう。

 

とはいえ、現代でも見られる数少ない満州映画の一つなので、もしこの時代に興味があるなら見ておくことをすすめる。

 

 

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スーパー戦隊シリーズ第十七作。1993年放送。

とりあえず中華ものならなんでも節操なく紹介するブログなので、まあたまにはいいでしょということでこんなチョイスを。

 

90年代のスーパー戦隊は、王道タイプと変則タイプが入り乱れていて非常に面白い。ある作品は玩具がバカ売れし、ある作品はちびっ子そっちのけでオトナのファンを獲得するし、またある作品はギャグ路線に走ったため大ゴケした。

本作ダイレンジャーも、どちらかといえばおかしなタイプに分類されるほう。

勢い任せで投げっぱなしのストーリー、熱さオーバー気味のキャラクター、とりあえず中華っぽいだろということで思い切り上っ面だけをなぞった設定の数々、ふざけているとしか思えない各話のサブタイトル…あ、ここまで全部褒め言葉ね。

それと、文句なしで評価出来るのがアクションと熱い演出。どれくらい優れているかと言えば、先述したストーリーや設定の粗を丸ごとカバーできるほど。ようするにヒーローをかっこよく見せることには成功してるわけで、他に悪い部分があっても大体許せてしまう。ストーリーがシリアスに転んでもギャグに転んでも、ダイレンジャー自体のカッコよさは変わらず、ヒーローものとしてはきちんと成り立っている。熱さとかっこよさこそが本作最大の魅力なのだ。

例えばオープニング。戦隊ソングは数あれど、ここまで飛びぬけた熱狂ソングは少ないだろう。夕日をバックに飛ぶ龍星王や、その回のハイライトが挿入される場面とか、よく考えられた作り。

他にも変身シーン。「気力!→転身!→オーラ!→チェンジャー!」のリズムある掛け声と、ポーズの動きがマッチしているのが実にいい。変身後も「リュウレンジャー! 天火星! 亮!」の三段名乗りに合わせた動きになっている。ちなみに転身後のポーズ、子供では絶対真似できないであろう複雑さだけど、これがまたかっこよし。

 

アクションを売りにしているだけあって、武器が多いのも特徴。共通武装のダイレンロッド、スターソード、スターカッター、大輪剣、さらに個人武器五種とアタッチメント武器のヤイバー、そして必殺武装のスーパー気力バズーカ、などなど。他にも武器を使わない気力技が存在する。まあはっきり言って多すぎるので、劇中でもかなり持て余し気味だった。アクションのバリエーションが広いのはいいことなんだけどね。

 

戦隊ものの売りであるロボも結構独特。というか、主役ロボの大連王はもろ横山三国史に出てくる武将スタイルで、実にわかりやすいデザイン。それがかえって歴史ある戦隊ロボの中でも異彩を放ってたりする。あと、何故か必殺技を放つたびバックに水墨画が出てくる。時代を無視して中華テイストを詰め込むいい加減さがたまらなく好き。

合体方法は一号ロボだと珍しいスーパーライブロボ方式(何のこっちゃ)。実は合体の基部になるリュウレンジャーの龍星王が単体で変形し、敵へのトドメまでこなせるので、残りの四体(星獅子・星天馬・星麒麟・星鳳凰)は添え物に近い。劇中でも龍星王が初っ端から登場したのに、星獅子達は六話で一斉登場、特に単体での活躍も与えられず、何というか扱いの悪さを感じる。

同じことが追加ロボの王大牙にも言える。龍星王以外の四体と合体して牙大王という合体二号ロボになれるのだが、設定上は大連王よりパワーが劣っていたり、終盤では(話の展開上仕方ないとはいえ)合体すらさせて貰えないという始末。そのうえ三号ロボのダイムゲンが登場して七体合体が可能になった際は、ダイムゲンの中に収納されるので外から姿が見えないという、あんまりな扱い。もうちょっと何とかならんかったのか。前作のジュウレンジャーの究極大獣神やカクレンジャーの無敵将軍が合体ロボとして新しい境地を開いたのに比べ、本作はちょっと微妙だったかも。

とはいえ、大連王自体は作中でほぼ無敵の強さを誇っており、数ある戦隊ロボの中でも強力な部類に入るのでは。ちなみに海外で製作されたパワーレンジャーでは、シーズン3の序盤でリトに惨敗し、手足や頭がもげるというショッキングな最期を遂げる。日本では見られない貴重な大連王の敗北シーンなので、ファンなら要チェキだ(何じゃそりゃ)。

 

総じて、細かいことを気にしなければ特撮ヒーローものとしてじゅうぶん楽しめる良作。熱くなりたい君は是非見よう。

 

以下、各キャラクターについて

亮/リュウレンジャー

ダイレンジャーのリーダー格。正業はコックなのだが中盤以降はすっかり武闘家キャラに。熱い演技がキャラとマッチしていて素晴らしい。

 

大五/シシレンジャー

普段はペットショップで働いている。当初は真面目な人物だったはずが、途中から変人としても覚醒。おいしいポジションになった。

 

将児/テンマレンジャー

ボクサーの卵にして亮以上の熱血キャラ。見た目も中身も。本編見てるとわかるがボクサーの癖に戦闘でボクシング技を使わない。なんかポリシーでもあるのか?

 

知/キリンレンジャー

気障な理髪師。でもそれは表面的で、裏では結構な人情家。常に敬語で話す。

名乗りポーズがずば抜けてムズイ。
 

リン/ホウオウレンジャー

中国からの留学生。最初は中国語を話していたりしたが途中からほぼ無かったことになった。はきはきした声が印象に残る。

 

コウ/キバレンジャー

六人目の戦士。よく考えたら戦隊初の少年戦士では。亮達五人よりも重い運命を背負っており、よっぽど主人公している。ちなみに変身した後は常時装備している白虎真剣がしゃべる。

 

道士/嘉挧

ダイレンジャー達の参謀にして指導役。が、はっきりいってコイツが本編における元凶のような気がしなくもない。色々無茶な設定を押し付けられ、ある意味脚本の被害者でもある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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1965年の香港映画。

制作は國際電影懋業有限公司。

日中戦争期、記者として大陸戦線に参加していた田中は、戦闘で負傷し小さな村に流れ着く。ふとしたことで酔っぱらいの老人に息子と間違われ、目の見えない彼の妻に引き合わされる。誤解だと説明する田中の前に夫婦の娘・阿翠が現れた。娘は田中が日本人だと看破するが、喜ぶ両親を前にして真実を告げることができない。こうして田中は、村で長い一夜を過ごすことになるのだが…。

 

本作の見どころは何といっても往年の東宝スター俳優・宝田明が主演をつとめていること! しかも劇中でちゃんと中国語を話すのだ! 若干発音が怪しいけれど、それが田中というキャラクターにマッチしているし、中国人役者側の下手くそな日本語に比べたらずっとマシ。

阿翠役の樂蒂も当時の香港スターであり、よく考えたら凄い作品なのではないか。

 

シンプルなストーリーながら、印象に残る場面が多かった。一夜の恩を返すためわざわざ日本軍の陣地へ帰ってから村に引き返す田中、正気に戻った阿翠の父が村人から田中を匿って逃がしてやる場面、阿翠に助けられた田中が日本語で「ありがとう」と言う場面、他にもラストで田中と阿翠が手を取り合って「再見」と別れるところ。ちなみに香港映画だからか、作中に出てくる国旗が中華民国のものになっているのはちょっと笑えた。

日本人=悪という概念についても、田中の従軍記者という設定と彼自身の「人を殺したことはない」という台詞で、うまくかわしている。まあ中国人が被害者であることは何だかんだ強調されてるけど。また冒頭の日本兵を除いて、作中では一切死人が出ない。これも作品の後味をいいものにしているのでは。

 

現代の複雑な日中情勢を考えると、こういうシンプルで前向きなメッセージを持った映画はもう作れないかもしれない。そういう意味でも価値ある作品。

 

 

 

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1966年の香港映画。製作はキャセイスコープ。

日中戦争期の華北を舞台に、さる一家の滅亡を描く。ある者は戦火で命を落とし、ある者は抗日運動に参加し、ある者は奸漢として日本軍に加わり…戦争の激化と共に、彼らの運命も狂っていく。

映画の作風は老舎や巴金の作品に近い。登場人物は戦争に巻き込まれる庶民が中心で、反日がどうこうよりも戦争反対のメッセージ性が強い。

当時の大陸は共産党政権の思想統制が強く、映画も舞台も共産主義(というか毛沢東主義)一色。抗日映画にしても共産党礼賛ものばっかりである。そんな時代に、思想的な偏りの少ない本作のような映画が作れたのは、香港ならではのことだと思われる。

過激な抗日分子がいたり、日本に転向する奸漢キャラがいたりするのは老舎の四世同堂を彷彿とさせる。そして日本兵がレイプ魔なのはやっぱりお約束か。もちろん、カタコトな日本語もセットで。

主役の一角である馬仁山が日本語を話し、日本軍人とも交友関係を持っているという設定はなかなか面白い(最終的に敵対するとはいえ)。これも思想的にリベラルな香港映画だから出来たことではなかろうか。終盤はアクションシーンも満載。これもよくある大陸抗日映画のようにぶっ飛んだものではなく、割と地に足の着いた作り。うーん、当時の香港映画はホント大陸に比べて進歩的だったんだな。

衣装やセットもしっかりしている。空襲に遭った街のセットも良い出来映え。全体的にそつの無い丁寧な作り。古い映画だが、一見の価値はあると思う。

 

http://baike.baidu.com/item/%E4%B9%B1%E4%B8%96%E5%84%BF%E5%A5%B3/4728732

 

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中国唐代の伝記小説。太平広記の第四八八巻に収録されている。かの有名な古典戯曲「西廂記」の元ネタ。会真記のタイトルはもっぱら明代以降に用いられるようになったもので、それ以前は鶯鶯伝と呼ばれていた。

 

ストーリーのあらましは当然ながら西廂記と一緒。科挙受験を控えた張という若い書生が、旅先の寺で未亡人の令嬢・崔娘(鶯鶯)と恋に落ち、侍女・紅娘の助けにより彼女と思いを遂げる、というもの。

西廂記はこの後、張が試験に合格、無事に鶯鶯と結婚してハッピーエンドだが、本作では結末が異なっている。張と鶯鶯はそれぞれ別の相手と添い遂げ、一年余りして再会するも、顔を合わせることなく手紙のやり取りをして別れていく。何ともカタルシスの無いラストだが、唐代伝奇の大半はそういうもんなので仕方ない。そもそも読み物として大衆向けに書かれたものではないからね。

 

人物造形も西廂記とやや違う。張は何だかお高く留まった感じの青年で、西廂記の張君瑞ほどなよなよしていない。鶯鶯も家が金持ちというだけで、宰相の娘ではない(ツンデレぶりはこの頃からしっかり描写されているけど)。紅娘も殆どチョイ役。西廂記で有名な拷紅の場面も無し。とはいえ、彼女がカップルのために布団を持って張の部屋を訪れるくだりは、急展開過ぎてなかなか笑える。

唐代伝奇でも有名な一遍なので、興味のある方は一度読んでみるといいだろう。

 

 

 

 

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タイトルの通り、中国現代文学の選集。扱っているのは主に文学革命から中華人民共和国の成立時期あたり。魯迅をはじめとする有名作家の短編作品が掲載されている。
作家と作品のチョイスが非常に素晴らしく、てっとり早く中国現代文学について学びたい方には是非おすすめ。これ一冊読んでおけば、大学四年間レベルで学ぶ近現代の中国作家の殆どをカバーできる。中国現代文学を専攻している学生なら、必ずテキストとして読まされるであろう作品が多く掲載されている。
ただし、あとがきでも触れられているようにあくまで副読本として用いるのがベストかもしれない。作家のプロフィールや作品についての解説がやや乏しいので、ある程度歴史知識が無いと読んでいても楽しめない。まあつまり、あんまり一般人向けじゃないってこと。翻訳に携わった先生方にしても、中国文学を学ぶ人達をターゲットにしてるっぽい。
そんなわけで、中国現代文学に深く触れたい方、現在勉強中の方にはかなりおすすめ出来る一冊。
 
以下、掲載作品で気になったものへのコメント
 
魯迅「孔乙己」
高校や大学でもよく紹介されるであろう魯迅の短編。この短さで当時の没落した中国知識人の姿をずばりと描ききっているのは凄い。

最初にこれを持ってきたのはとてもいいセンスだと思う。

 

葉聖陶「隔たり」
作品としてはそんなに見るべきところは無いのだけれど、中華民国初期でこの綿密な描写量はすごい。特にくどいとすら思える心情描写の書き込みは、中国文学の近代的な変化をよく象徴しているのでは。
 
郁達夫「蔦蘿行」
私小説風の作品。これを読んで、郁達夫という作家は本人の芸術性はともかくも、人としてはサイテーの屑だと確信した。太宰治に革命思想をプラスしてダメ人間の極致を極めたような感じ。妻に対して英文のメッセージを送るくだりなんか、完全に自己陶酔に陥ってる。
 

郭沫若「岐路」
上に同じく私小説風。何かにつけて社会が悪いを連呼するくだりは、何だか現代にはびこるニートを連想させる。
 
沈従文「夫」
これまた中国現代文学では有名な一遍。この頃になると中国文学も完全に海外文学の模倣を脱却して、独自の方向性を持つようになっていく。民国初期はとりわけ旧習や田舎をテーマにしている作品が多い。
 
茅盾「林商店」
短編にも関わらず登場人物が多いのは相変わらずの茅盾といったところか。他の彼の作品と同様、行き詰った資本主義の暗黒面を描いている。
 
巴金「月夜」
時代の犠牲者を描くことにかけては巴金の右に出る者はいない。そして例によって暗い作風。
 
老舎「黒李と白李」
庶民を描くことにかけては随一の老舎。こちらも暗いストーリーだが、李兄弟の絆には温かみを感じる。
 
 
 
 
 
 
 
 
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