孽海花 | 千紫万紅

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中国の文学、映画、ドラマなどの感想・考察を自由気ままにつづっているブログです。古代から現代まで、どの時代も大好きです。

 
 
1994年の大陸古装ドラマ。全19集。元ネタは古典劇の「王魁負桂英」。もっとも、ドラマ化にあたってストーリーは色々改変されている。本作と「帝女花」「状元花」のドラマはいずれも赵雅芝・叶童の主演コンビが共通しており、三作合わせて「三花系列」とも呼ばれる。
 
舞台は南宋。名家の王師松は陰謀により敵国と通じた罪を着せられ、一族もろとも処刑されてしまう。唯一難を逃れた王家の子息・王仲平は妓女・焦桂英に窮地を救われ、相思相愛の仲になる。彼は名を王魁と改め、桂英の助けを得ながら王家を陥れた敵への復讐に奔走。しかし、その前には幾多の困難と、因縁が待ち受けているのだった…。
 
地に足着いた作風の薄命佳人劇かと思えば、唐突に地獄や天界の描写が出てくるので驚く(チープなビジュアルと特殊効果が泣かせる)。ファンタジーがやりたいんだか人間ドラマがやりたいんだか、イマイチはっきりしない。
最近のドラマに比べ、登場人物たちがしょっちゅう典故を口にするのが印象深い。古典小説のお約束もあっちこっちに出てくる。六月の雪→王家は無実なんだわ!の流れには笑った。わかりやすすぎ。
ちなみに要所要所で「ガンダム」とか「ドラゴンボール」のBGMがしれっと流れる。絶対使用許可取ってないだろ…。
オープニングの「諾言」はなかなかの名曲。というか、これで興味が湧いたので見てみたというのが正直なところ。

登場人物
王仲平(王魁)/叶童
主人公にして王家の生き残り。仇討ちのために奔走するが、やがて手段を択ばなくなっていく。
演じているのは女優さん。違和感はそんなにないけど、あえて女優が演じる意味はあるのか?といえばそんなことは無い気がする。あと、泣いている時とかの表情が割と顔面崩壊気味で怖い。
 
焦桂英/赵雅芝
都の売れっ子妓女。役人に追われていた王仲平を助け、お互いの不幸な境遇から相思相愛に。後半では钟馗の導きでなんか凄いことになってしまった。演じる赵雅芝は有名な古装美女。
 
春香/陈孝萱
桂英の妹分。義侠心に厚いものの口が悪く、仲平と桂英の仲がこじれるきっかけを作ってしまう。
 
丁宝柱/黄文豪
春香の恋人。天然だが情に厚い。
 
崔婉儿/梅嫦芬
都の名家・崔家の令嬢。ふとしたきっかけで知り合った王魁に惚れ、彼が勉学を積んで受験するのを助ける。箱入りお嬢様だが、父親と違い性根は善良。後、仲平と夫婦になるが、それは彼女にとって不幸の始まりでもあった。
 
小铃子/王德仪
崔婉儿の侍女。かわゆす。
 
洪洛/彭伟华
崔婉儿の許嫁。ヘタレで病弱。
 
崔贵/乾德门
崔家の主人。王家を陥れた張本人。娘と恋仲になった男が王家の生き残りだと知るが、娘のことを考えるあまり手が下せず、最終的に王仲平の策略で一家全滅の憂き目に。
 
钟馗/江明
ご存じ道教の神サマ。普段は天界にいるが、時折道士として王仲平の前に現れ、彼を導く…のだがその導き方は割とテキトーで、気がついたら王仲平はあっという間にダークサイドに落ちていた。で、王仲平がすっかり堕ちきったところに現れて説教。理不尽じゃないか…。
 
碧玉/孟庭丽
桂英の侍女。野心家で、桂英を蹴落として廓の売れっ子になる。凄く意地の悪い悪女っぷりを見せてくれてなかなか好きなキャラ。あっさり退場してしまったのが悲しい。
 
夏震/杨升
都の統制官。王家の処刑を実行し、生き残った王仲平を探し求める。前半のボスキャラ。

 

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