“生活保護給付が、公的年金(基礎給付)を上回る”
都市部ではこんな減少が起きていると報道されています。
社会保障と税の一体改革は、柱の一つとされた消費税増税法案が
参議院で審議にふされ、一定の進展は見せています。
しかし、三党合意をもってしても肝心な年金改革はまだまだ
棚上げ状態と評価するべきでしょう。
この改革は、じっくり議論して堅固なロードマップを描いて欲しい
ものです。
7月10日付けの日経朝刊は、
①国民年金加入者の平均年収は159万円
②公的年金の受給者の平均年収189万円
このように年金保険料を負担すべき現役世代の年収が
受給者の平均年収を下回っていると報じています。
なお、公的年金加入者の平均年収は297万円ということで、
厚生年金、共済年金加入者の平均を合わせたところでも
受給者世代を支えうる基盤が脆弱なことは明らかです。
また、国民年金の未納率は58.6%になり、過去最低を更新して
いるといいます。
上記の平均年収をみれば、保険料を拠出できないのは
やむを得ないかもしれません。
7月11日付けの日経朝刊は、
最低賃金から社会保険料控除後の可処分所得と
生活保護給付額の時給換算額を比較したところ、
11の都道府県で、
最低賃金 < 生活保護
という現象が生じていると報じています。
この現象を受けて、逆転が生じている都道府県では、
この秋の最低賃金の引き上げを検討しているといいます。
生活保護>公的年金(基礎給付)>最低賃金収入
こんな図式も一部では生じているということでしょうか。
見るだけで労働意欲が萎えてきます。
『将来が安心に思えるような年金制度』
この日本において、これはユートピア的発想だと結論付けては
早計でしょうか?
人口減少、膨大な低所得者数、消費税の増税…
現在でも、受給者世代を十分に支えられていない。
この状況で、将来自分たちが支えてもらうことはできるのか?
これは当然の発想です。
年金は、国家が国民をどのように考えているかを
表す一つの象徴でしょう。
小手先、先延ばしの政策ではなく、国家ビジョンを見せる改革を
期待したいです。
「年金制度を廃止します!」こんなアンチテーゼから議論を
進めたっていいのではないでしょうか?
テーゼとアンチテーゼをぶつけるのです。