本日はお日柄も良く2 | 恋愛小説 くもりのちはれ

真一&くるみ~


「近藤先生、何処に向かってるの?」


体調が最悪だった一日をやっと終えて帰宅したアパートの駐車場・・・どういうこと?


私の駐車スペースに止まっている車から降りてきたのは、近藤先生。


『助手席に行け!』


有無を言わさず、無理やり私を助手席に追いやり私の車に乗り込むと何処かへ


向かう近藤先生は、かなり怒っているように見える。


「ねぇ、近藤先生・・・どうしたの?」


『真一っ!いいかげんさぁ、呼び方変えようよ・・・くるみちゃん!近いうちに君も


近藤になるんだから。真一さんでも真ちゃんでも何でも良いから、下の名前で


呼んでくんねぇかな?』


苦笑いを浮かべ私を見た近藤先生・・・怒ってるように見えたけど、違ったのかも?


『それと、どうして昼飯食ってねぇの?ここ2、3日全然弁当に口付けてねぇって


ゆりちゃんや栗沢先生が心配してんだけど?マリッジブルーみたいだから、俺に


ちゃんとフォローしろってうるさいったらありゃしねぇ。』


はぁ・・・気付かれてたんだ。二人ともすごい観察力。


「イヤ、そんなんじゃないの・・・ただ体調崩してて・・・食欲が無かっただけだから。


でも何処に向かってるの?近藤先生、部活は?」


運転席に顔を向けると、近藤先生はチラリと私を見てフッと笑う。


『だから真一だって。』


そう言うと、角を曲がり車は大きな駐車ビルの中へ。


『あぁ、俺何も考えないで連れて来たけど、保険証持ってる?』


予想すらできない突然の質問に、疑問符を幾つも浮かべて近藤先生を見る私。


『このメディカルセンターの産婦人科は、女医なんだってさ。俺の大事な花嫁の


露な姿を他の男に見られたくねぇからな・・・ほら、一緒についてくから、検査して


もらおう。』


言葉も出ない・・・どうして何も言って無いのにわかったの?


一緒にいる時間なんて殆ど無かったのに・・・


固まり顔を見つめたままの私に、優しい微笑を向ける彼は言葉を続ける。


『飯食えなくて、気持ち悪そうにトイレに走ってたら、いくらなんでも気付くさ。


記憶の無いくるみちゃん以上に、俺には心当たりがあるから。


不安で仕方なかった私・・・一瞬にして張り詰めてた緊張が切れる。


そして・・・優しく微笑む近藤先生の顔が歪んでいく・・・私の涙腺が完全に決壊した。


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