告白 | 恋愛小説 くもりのちはれ

『ココ・・・驚いた?・・・驚くよな。』


部活後、ちょっと話させて・・・と先輩が私を連れてきたのは・・・


錆付いたポスト、剥げた外壁、崩れそうな手摺・・・古びたアパート。


自転車を階段下に置き、ポストを覗き、階段を上がる先輩の後を着いていく。


さっきの言葉に何も返す事ができないでいる・・・


なぜなら・・・だって本当に驚いたから。先輩に似つかわしくない・・・。


『下宿はさ、ここより家賃が高いから・・・』


とにかく、入って・・・あっ・・・男の部屋、二人きりって嫌か?


鍵を開けながら、今更な事を言う。


「大丈夫です。だって先輩、信用してるし・・・」そう言うと先輩は


『あんま、信用されてもな・・・男としては嬉しくないな』と笑い、


どうぞ、入って。コーヒー入れるよ。とドアを開けた。


靴を脱ぎ、入った部屋の中は、思ったより綺麗に整理されていて、


入り口すぐに小さなキッチンスペース、二人掛けのテーブルと食器棚、


奥の部屋はベットとテレビと本棚、窓にはシンプルなグレーのカーテン、


黒をベースに先輩らしい落ち着いた部屋だった。


『下宿してるって周りは思ってんだけど・・・あっ、お前ミルク入れるか?』


冷蔵庫を覗いてる先輩に私は「ごめんなさい。」と頭を下げ謝る。


突然の私の謝罪に振り向いて困惑顔の先輩。


『加奈ちゃん・・・その天然っぷり可愛いけど・・・意味わかんねぇよ』


「あっ、あっあの・・・だって私、先輩が一人暮らしで大変って知らなかったし


だから・・・いつも、遅くまで部活後の片付け付き合わせちゃったり・・・


明るいし、なんかいつも軽いし、ちょっとチャライとか、でも・・・優しいし


なんだか華があるし・・・だから、良い所のお坊ちゃまとか思ってたし・・・


あれっ・・・何言いたいのか、判んない・・・だけど、誤解してた・・・だから」


『ちょっと待って・・・落ち着け。とりあえず確認するけど、さっきのゴメンって


俺の事、断るって意味のゴメンじゃないよな?』


慌てて首を横に振る。


「ちっ、ちがいます!だって私、先輩、好きだもん!・・・あっ・・・」


言っちゃたよ・・・私ってバカ。


なんで・・・どうしてココで告白しちゃうかな・・・。



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