『なぁ・・・教えてくれよ・・・今か2週間後か・・・どっちも一緒じゃねぇ?』
歩道橋の高い手摺の上・・・道路側に足を垂らし座る黒岩。
佇む無言の俺達・・・静寂を破ったのはリコの言葉。
一緒じゃない・・・
一言目は聞き取れないほどの小さな声・・・
でも、間違いじゃないと確信したかの様に
まっすぐに黒岩を見つめ再度、大きな声で叫ぶ。
『一緒じゃないよ。ぜんぜん違うよ。今、生きるか、死ぬかって事でしょ!!』
優!!!死んじゃ嫌だよ!!!
〈 駅の改札前で待ってる 〉
駅にむかって歩く俺の携帯に、リコからメールが入る。
先輩達と駅に向かってると返信をして数分後・・・
『コウ君、優が、おかしい!!!すぐ来て!!!』
慌てた声で助けを求めるリコからの電話。
先輩と木村さんと俺が、急いで走ってたどり着いた歩道橋。
見上げた視線の先には、今にも車道に落ちそうな体勢の黒岩。
その近くで、震えるように立っているリコ。
なぜ、こんな状況に陥っているのか・・・
どうしてこんな展開になったのだろうか・・・
俺は息切れしそうになりながらも、階段を一気に駆け上がる。
思考よりも先に・・・そう、本能で・・・
「何ものからも、必ずリコを守る。」
以前誓った言葉に、忠実なように・・・身体は勝手にリコの元へと動く。
『コウ君・・・優が・・・』今にも泣き出しそうなリコ
リコを泣かさない為に・・・俺は動く。
「大丈夫。俺が何とかするから」震えるリコの肩を抱き寄せる。
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