③私やアナタの意識内に自発的に設置される《テロリスト》という「仕掛け」~「2種類」のテロリスト~ |   「生きる権利、生きる自由、いのち」が危ない!

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徳冨蘆花「謀叛論」を再発見してたら、
「ソクラテスの弁明」が、なぜ好きなのか、最近になって納得し始めた今日この頃です。


前記事からのつづき】 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

問題だらけのマイナンバー
~制度導入の本当の狙いとは?
(ラジオフォーラム#157)


2015.11.19「…戦争法廃止!…国会正門前集会」
12/6日比谷集会実行委員会から西谷修さん
 (立教大学特任教授)【14/16】


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

監獄についての対談――本とその方法」(1975年6月)より

“J=J・ブロシエ
「あなたは監獄監視という形で成立した時点から、」
それ犯罪集団という名自らの分泌したと言っていますね。

ミシェル・フーコー
監獄最初から人間矯正の意図に結びついていた、というのが
私の仮説です。
(引用者中略)
最初から監獄は、
学校や兵舎や病院と同じくらいに完璧な施設として、
個人に的確に感化を及ぼすべく作られたんです。
 ところが その破綻あっという間
計画するとほとんど同時失敗確認されました

1820年にして
既に監獄犯罪者善良な人間に変えるどころか
新たに犯罪者作り出した
それまで以上の悪人に仕立てあげたりするもの
だということに気がついたんです。
まあこれ権力機構の常ですが
この不都合
いっそ戦略的に利用しよう
ということになった。
監獄犯罪者集団作り出すが、
考えてみれば
犯罪者集団経済的にも政治的にも有益
犯罪集団役に立つ
、というわけです。
例えば、性的快楽の利用から利益を引き出すということで、
19世紀には大掛かりな売春組織作られましたが、
これ犯罪集団があったからこそ可能だったわけで、
この集団日常的高価性的快楽資本化との
いわば仲立ち的役割を果たしたんです。

(引用者中略)

ブロシエ
「あなたは犯罪一番の犠牲者貧困層だと説明していますよね」

フーコー
「犠牲者であればあるほど犯罪を恐れるわけです」

ブロシエ
しかし犯罪者駆り集めるのも
やはりその貧困層の中からだった
んですよね」

フーコー
「ええ、そして監獄
犯罪者徴募のための格好の施設だった
んです

いったん監獄入ると
その人間を凶悪にするようなメカニズムが働いて、
出所したときには
再び犯罪者になるよりほかない
んです
必然的に
ヒモ警官たれ込み屋になるような仕掛けになっている
監獄は言わばプロ養成所だったわけです。
18世紀のように、
あっちの村こっちの村と荒らし回っては
残虐行為をはたらくことも多かった山賊
に代わって
今度内部警察のイヌも潜入しているといった、
本質的に都会的で実に閉鎖的な犯罪集団できあがったわけで、
それ政治的にも経済的にも結構役に立つんですね。

ブロシエ
強制労働の特色それ何の役にも立たないことだ
という指摘にはうなずけるんですが、
じゃあそれ体系全体の中どんな役割を果たしていたんでしょうか?」

フーコー
最初構想では、
強制労働
なんらかの職業の習得ではなく、
まさに労働の美徳を学ばせるのが目的でした。
無意味な労働労働のための労働によって、
働く者の理想の姿人に与えるはずのものでした。
幻想にすぎないかもしれませんが、
これ
アメリカのクエーカー教徒労役所の設置)やオランダの人たちによって
実際に計画され規定されてもいたんです。
ところが 1835年から40年頃になると
犯罪者矯正して善良な人間に変えるではなし
彼ら
経済的政治的目的のための武器にできるよう
ブラックリストに載せて
きちんと限定した犯罪者集団組み入れよう
とする意図
明確になってくる
最初明確な構想に基づいていた強制労働の無益性も、
今や別の戦略使われるようになったわけです。

(引用者中略)

ブロシエ
「あなたは犯罪も役に立つと言いますが、
犯罪そうした政治経済必要性というよりは、
多分に自然の理の一部だとは考えられないでしょうか?
つまり、工業社会にとっては、労働力という点からして、
犯罪者が労働者より割に合わないとも考えられるからです。

フーコー
1840年頃には、
失業不完全雇用経済の一条件だったんですよ。
どっちにしろ労働力は有り余っていたんです。
 でもまあ犯罪者自然の理の一部と見る考え方は、
恐らく19世紀ブルジョア思想あの臆面の無い知性一部ではあったでしょう。
ブルジョア愚かで慎み深いなどと単純に想像するのは
ボードレールくらいのものです。
彼ら実に聡明で臆面のない連中だった。
それ彼等自分たちについてどう言っているか読んでみれば
分かる
し、
他の階級について言ったこと読めばもっと良く分かります

 犯罪無き社会夢見たのが18世紀末
ところがそれ束の間
犯罪有益な面多すぎて
それの無い社会夢見るほど
ばかげた危険な話はない
ということになった

犯罪者無ければ
警察いらない

だって
警察の存在警察による取締り
民衆容認する
のは
犯罪恐れればこそでしょう

だってそれをあなたは天からの授かり物のように言う。
警察というこんなにも歴史の浅い
こんなにも抑圧的な制度
存在する根拠

そこしかない
んです。
我々には武器がないのに、
そこ武器を持った制服姿の奴等いて
身分証の提示を求めたり
玄関先をうろついたりしてもいい
なんて

もし犯罪者が存在しなかったら
いったい
認めるっていうんですか

それに、
犯罪者
いかに多くていかに危険か
毎日のように書き立てる新聞記者なかったら

(ミシェル・フーコー思考集成Ⅴ」(筑摩書房)
(/フーコー・コレクション〈4〉権力・監禁』 (ちくま学芸文庫) )所収
中澤信一訳 P.358、360-361、365-366)

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



早速ですし、唐突で、恐縮しますが、

ISの戦闘員は、どこにいる?

と高樹があなたに尋ねれば、
あなたは新聞やテレビ報道や
或いはネット検索をした上で、

ISは、シリアなど、あの辺りで暴れ回っている

と返答してくれるかもしれません。

ISの戦闘員など、この世にはいない、
と言うつもりは、まったくありません

ISのメンバー〉の無差別テロ
身内や知り合いを実際に殺されて失ったり
拉致誘拐された人がいたり殺害されたり
人身売買の被害を受けていたり
あるいはISと取引をしている人が、
この世界のどこかに在るはずだ)からです。


しかし、敢えて言うと、
いま高樹が上記したISについての情報も、
あなたが回答する情報
≒私/あなたが頭の中に思い描いている姿
も、
じつは
新聞、テレビ、あるいは書籍やネット検索を通じて
得た
情報についてを見ているのですよね。


ただし、あらためて断っておきますが、
実在体〉と〈情報(という抽象的なもの)〉との
二項対立」を描いて、
〈私〉も〈あなた〉も持っている〈ISという存在〉は
情報という抽象的なもの」だから、
実在しているとは言えない
という歪んだ理屈を言うつもりは無いので、
誤解しないでください。


しかし、私たちが見ているIS/テロリスト〉は
実際に、この世界中のどこかに存在していて
武器を持っていて、
いろんな人たちを苦しめている“はず”の
実在するIS組織の人間/テロリスト〉のほう
ではなく
かかるテロリストについての情報/概念」〉のほうなのです
――かといって、実際に、じかに見に行けば
捕まって人質にされるか、殺害されますよね――。

こんなことばかりで話を始めていては、
高樹自身が、
異邦人」として見られかねないので
さきに要諦だけを申し上げておきます。


まず、
テロとの戦い》を展開したがっている
好戦的政府〉にとって、
2種類の〈テロリスト〉」が、
結果的に

2001年以降の《テロとの戦争》によって、
有志連合政府など〉によって生み出されたこと
――そして
中東の〈イスラム社会の無辜の人々たち〉が、
米国の軍隊をはじめとする「有志国連合軍隊
による《無差別テロ殺戮・攻撃》を受けて以降の
共同体全体規模の貧困」、
共同体全体の荒廃」、
理不尽な虐殺への憎悪

そしてまた
「〈IS組織〉による若者戦闘員へのリクルート
経済的徴兵制)」・・・等こそによって
生み出されている”という現実だと認識している情報)。


そして、その〈テロリスト〉を、
便宜上あるいは方便として、
先ほどのように、
あえて「2つ分けて」みること。

悪いテロリスト
/西欧近代的価値観を揺るがす存在として
オバマが一方的にレッテルを貼ったほうのテロ勢力


悪くないテロリスト〉との2種類ではなく

無差別テロも行ない、
戦死もする実存する
テロリスト勢力


自分のあたまの中で育てられていく観念上のテロリスト像
との「2種類」のテロリストへの分類整理です。


2種類のうちの

実在する(と思しき)テロリスト〉のほうは、
ISなど、
兵器をもち、戦闘を展開し、無差別テロをしたり
また女性を人身売買したり、拉致誘拐、人質殺害
石油輸出を展開し、
また、アメリカやフランスの空軍による空爆
殺されるなど〈実際に実在し活動するテロリスト〉、
アメリカやフランスなどの有志連合政府軍隊
実際に攻撃を加えている最中の相手としての
テロリスト
〉です。


もう一方の〈概念上/あたまの中テロリスト〉とは、
私たちの日常を脅かすもの”として、
人々の意識のなか」に“無意識にか自発的にか
構築されるほうテロリスト
〉です。


テロリスト〉が、“実際に、
私たちの日常生活を脅かす
かもしれないのを、
私たち〉は「いつ」「どこで」「どのようにして
確認》したり《実感》したり、《その思い強くする
/「テロの脅威」への恐怖観念より強固にする

のでしょうか?


〈テロリストらしき装備をした外国人〉が
近くのコンビニで、
携帯やスマホの充電器を買っていたのを
目撃するからですか?


自分が勤める業務での顧客の個人情報で、
〈職業欄〉に「テロリスト」と書いてあったり、
勤め先の欄に、ISが書かれてあったが、
そのISの住所は書かれていなかったのを
見たからですか?


おそらく、違うと思います。


すくなくとも、
そんな経験をするのは、ごく稀でしょう。


私たち〉が『テロの脅威』を《実感したり
その思い強固にする
》のは、
テレビなどから流れてくる情報」において、
また「新聞紙面の活字」において、
あるいはまた、特に強調したいのは、
実際に
空港など交通機関公共機関導入される
セキュリティ装置
目の当たりにしたり
そのセキュリティ装置自分(ふるい)にかけられ
自分時間足労の面で
煩わしい目に遭ったとき
通してです。


なぜ自分もこんな面倒なことに巻き込まれてまで
付き合わされるのか

それは、テロ被害を防止するためだから
仕方がないんだろう

という、常識的に理にかなった解釈でないと
納得できない
はずです。


ここで、重要なのは、
「《対テロ政策/テロとの戦争》の価値/重要性」が
テロリストの悪業〉によって、というよりも、
むしろ
セキュリティ対策への自分の犠牲〉を
通じてはじめて裏付け/担保
されている
”ということです。

別な言い方をすれば、
私たち〉は〈テロリスト自身〉を目撃して
《『テロの脅威』への恐怖の思い強固に構築する
ではなく
セキュリティ装置》や《監視社会化》のほうを見て
はじめて自分のあたまの中テロリストの存在
を「確認」し

それ」を“通じて”、
その耐えられない人権侵害非立憲容認する》とさえ、敢えて言いたいのです。

つまり、
テロリスト〉に対する「私たちの確認の仕方」は
『順序が
』なのです。

テロリストが存在していて、それを目撃する
テロリストの存在確認する
対テロ対策としての監視社会体制の容認」〉

という順序ではなく順序で、

〈《監視社会化/セキュリティ装置の強化
⇒“何処にいるか分からず見たことのない
テロリストの存在への「恐怖観念強固化」〉
という順序を辿っているのではないでしょうか?


なぜ、そのような発想をしたのか、については、
上記のフーコーの「監獄についての対談」の
引用個所
を御覧いただいているはずなので、
お分かり頂けているか、と思っています。


2001年9月11日のニューヨークの貿易センタービルへの同時多発テロ以降では、
アメリカ社会で展開された《テロとの戦い》で、
可決された『愛国者法』の猛威
著しく推進された《監視社会化》、
対国内の警備体制》、
非合法法の抜け道を利用しての《監禁・拘束・
他国への引き渡し・他国での民間による拷問
などの《人権無視》や、
まさしく《非‐立憲的社会運営》には、
アメリカ社会ドコにも
実際のテロリスト〉ではなく、
姿の見えない敵どこに潜んでいるか分からない
煙のような存在のほうのテロリスト
》が、
アメリカ国内の“隅々にまで敷かれる
最新の警備体制監視体制」の「正当化」に
使われてきているように、思われるからです。

つまり、空港でのスキャナーで丸裸化、
通信傍受や盗聴、個人情報の一元化、
セキュリティ・チェック
という
明らかなプライバシーの侵害』を
侵害思わせない存在》として、
誰も見たことがなく
政府広報マスコミの扇動おかげで
個々人のアタマの中にしか棲んでいない
不安/脅威としての
意識の中の抽象的テロリスト》が
監視化/セキュリティ化人権侵害》を
正当化する仕掛け役割
結果的に果たしてしまっているからです。

とすれば、
政府広報やマスコミによって、
その脅威や危険性が指摘されることで、
人々の個々のアタマの中に設えられる
概念/脅威としてのテロリスト》は、
ヘタをすれば
《〈実在するテロリスト〉の与り知らない存在》かもしれない。

すくなくとも、
個々の人々の意識の中に
不安/脅威として棲まうテロリスト
は、
有志国連合政府の軍隊〉によって、
銃撃や砲弾や空爆を受けたことは、現実に無く
むしろ《憲法による政府に対する規制
政府一緒になって倒してさえいる存在
》として
機能しさえしているかもしれません。

次回以降では、そのあたりを、
具体的に見ていきたいと思います。


(つづく)


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