ニュースから放射能対策を考える上で、必要なこと。
ついに首都圏でも水道水から放射性物質が検出されましたね。
放射線への耐性が強い男性やアラカン世代(Around還暦)以上の方と
妊婦や成長期のお子様方とでは
被ばくの許容量が異なってきますから、
守るものの優先順位を決めて冷静に乗り切りたいものです。
酷な現実を直視することになるかと思いますが、
情報を見るときのポイントは
【1】内部被曝と外部被曝の違いを考慮しているか?
【2】天然放射性物質と人工放射性物質の性質の差を理解しているか?
【3】急性症状と晩発性障害の違いを認識しているか?
【4】単位時間あたりの放射線量と被曝総量の違いを認識しているか?
【5】放射線への耐性に個体差(年齢・性別等)を考慮しているか?
【6】食物連鎖による生体濃縮を考慮しているか?
【7】情報の発信者が、何を目的としているか?
といった点が重要です。
【1:内部被曝のリスクについて】
放射線の被曝量は距離の二乗に反比例する。
それは当たり前。
距離が2メートルから1メートルに近づくと、
被曝量は4倍になる。
これは放射線の話。
放射線は届かなくても
放射能≒放射性物質そのものが届いてます。
内部被曝が何故ハイリスクか?
体内に放射性物質が入り込むと、
その物質から出る放射能を
100%直撃でモロ浴びしてしまうから。
なお、医療用レントゲンやCTなどはγ線。
体内に留まるのはβ線のセシウム137で、
これは半減期が長い。
代謝で減衰するが100日くらいは滞留する。
∴たった一粒でも長く被曝するし、
距離は0だからほぼ全量の放射線を直接体内から浴びる。
医療検査機器で使われるγ線より
β線の方が、体内被曝で与えるダメージは
大きいといわれています。
★緊急被ばく医療研修のホームページより。
http://www.remnet.jp/lecture/forum/02_01.html
たとえば、プルトニウムは遠くに飛べない。
紙1枚でもα線を止めることが出来る。
ところが、これが体内に入ると
被曝量は100万の2乗=1兆倍になります。
【2:人工放射性物質と天然モノとの相違点】
人口放射性物質は、天然のものに比べて
「単位あたりの放射能が強く、半減期は短い」
という特徴があります。
http://ameblo.jp/hinoyuno/entry-10832685639.html
放射能の半減期についても重要です。
半減期=もとの放射能が半分になるまでの期間。
∴「放射能がなくなって安全になる期間」ではない!!!
天然放射性物質のラジウム226と比べると、
ヨウ素131の放射能が8日後に半減したとしても
12万4324倍の強さ。
セシウム137の場合は、30年後に約86倍です。
ラジウム226の放射能に近い値になるまで、
ヨウ素131なら136日(この時点で約390億ベクレル)。
セシウム137の放射能が500億ベクレルになるまでには
180年かかります。
【3:被曝による急性症状と晩発性症状】
急性症状が出ない最低の閾値は、
250ミリシーベルトと言われています。
http://ameblo.jp/hinoyuno/entry-10833135874.html
致死線量は、人によって諸説ありますが
4シーベルト~7シーベルト。
(=4000ミリシーベルト~7000ミリシーベルト)
注意したいのは、1度に浴びる放射線量がわずかでも
DNAにつく傷が累積して
自己回復力で修復する分を超えると、
ガン等の晩発性障害が発生するということ。
晩発性障害は十数年~数十年後に現れるので、
発症したときに因果関係を突き止めるのは困難です。
【4:単位時間あたりの放射線量と被ばく総量の違い】
晩発性障害のリスクを見積もる上で、
被ばく総量を計算する必要があります。
メディアで出てくる数値の大半は、1時間あたりの量。
単位時間あたりの被曝量を年間と比べるには、
365日×24時間=8760倍。
概算するなら、
1時間あたりの放射線量を1万倍してみます。
1ミリシーベルト/hの場所だとしたら、
そこに100時間≒4日も居たら
100ミリシーベルト。
↑ ↑ ↑
原発労働者が5年間に浴びる
放射線量の限界値を超えてしまいます。
日常1ミリシーベルトじゃないんです。
超えてはいけない限界なんです。
http://ameblo.jp/hinoyuno/entry-10833135874.html
【5:放射線への耐性に個体差がある】
胎児(=妊婦さん)・乳幼児・成長期の若者は
DNAがキズつきやすく、いったん傷がついたら
そのエラーのままガン細胞を増殖しやすい。
また、男性より女性の方が
放射線被曝に弱い傾向があります。
それから、細胞分裂のエラー修復能力が弱い人も
放射線障害が残りやすいと言えます。
↑ ↑ ↑
この点については、
個別に体質分析と対処法の処方をするのは困難。
〔一般論としては、天然醸造の味噌で
自然酵母菌の含まれたものが効果的といわれています〕
被曝によるDNA損傷で
新陳代謝時のエラー修復力自体が損なわれることも
多分にありますから、
被曝を避けるのが一番安全な対応です。
【6:食物連鎖による汚染の生体濃縮】
アメリカのハンフォード再処理工場
@ワシントン州での調査結果。
http://ameblo.jp/hinoyuno/entry-10839442855.html
水の中の放射性物質を基準として1とすると、
プランクトンで2000倍。
それを食べる魚で1万5千倍。
魚を食べるアヒルで4万倍。
コツバメでは50万倍。
鳥の卵では100万倍。
母体から胎児への濃縮度は、
ダイオキシンをはじめとする化学物質だけでなく
放射能でも大きいです。
∴子供たちが、一番怖い。
また、野菜等の農産物については、
植物なら雨に含まれた放射性物質が
土壌に染み込んで根から吸い上げられます。
→表面だけ洗い流しても、中の放射能は残留したまま。
畜産物の場合は、大気中の放射性物質を
呼吸で吸い込んだものが
原乳や脂肪・筋肉等の生体組織に蓄積されます。
http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/460.html
【7:情報の発信者が、何を意図しているか?】
同じ数値データを見ても、
原子力産業から利権を得たい側と
健康被害を受ける側とでは
受け取る意味が違ってきます。
また、調査データを提供する側が
どういう立場で調べているか?
という点も見逃せません。
今回の福島原発関連の報道を見ると、
政府はかなり長い間
事故を起こした当事者である
東京電力が提供した数値だけを基にコメントしていました。
それから、先週3/17(木)に原発事故を受けて
飲料水の放射線安全基準値の引き上げが行われています。
成人10ベクレル→300ベクレル、
乳児は10ベクレル→100ベクレルに規制緩和。
ちなみに、WHOが定めている乳児の基準値は1ベクレルです。
http://whqlibdoc.who.int/publications/2004/9241546387_jpn.pdf
規制緩和すると、
「基準値以下だから、安全」
といえば、事故の責任範囲は狭められる。
一方で、健康被害は拡大します。
どちらを選んだ方が良いかは、
その人の立場や状況によって異なります。
作業員の安全確保を考慮するなら、
最初から原発自体がなかったでしょう。
(↓被曝労働の実態。労災認定の裁判で敗訴したり泣き寝入りしてる人が多数)
http://www.nuketext.org/roudousha.html
★イギリスのドキュメンタリー番組映像
(フォトジャーナリスト:樋口健二のリポート)
http://netanews.net/archives/10643
∴今回の自衛隊に関しても、
「事前のリスク説明なく作業に当たった」というニュースがあるように
最初から安全確保は考慮されてないように見受けられます。
http://www.yomiuri.co.jp.cache.yimg.jp/feature/20110316-866921/news/20110315-OYT1T00496.htm
チェルノブイリ事故の際、ソ連政府は
住民のパニックや機密漏洩を恐れて事実を公表せず
付近住民の避難措置なども取らなかったため、
被害が拡大しました。
『環境問題に医者が出てくる時は、もう手遅れだ』
という、元・熊本大学医学部
原田正純さん(水俣病研究者)の言葉もあります。
★2011年3月23日(水)
広瀬隆さん・広河隆一さん講演会より。
http://ameblo.jp/hinoyuno/entry-10839442855.html
∴納得出来る安全基準は、
自分で決める方が確実です。
お読みいただき、ありがとうございます。