【修正あり】放射能測定される際に知っておきたいこと〔原発震災〕
被災者の皆様に謹んでお見舞い申し上げます。
放射能汚染から受ける影響について、
厳しいようですが現実を以下にお伝えします。
元放射線医学総合研究所主任研究官、医学博士の
崎山比早子さんによる発言です。
★3/16(第6回)福島原発に関する記者会見
原子力資料情報室(CNIC)より。
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*
1ミリシーベルトがどういう線量かと言いますと、
各細胞の核に平均して1本
飛跡が通るというのが1ミリシーベルト。
それで1本放射線が通ると、どういう事が起こるかと言いますと。
DNAの化学結合は、非常に弱い結合で結合しています。
それに比べると放射線のエネルギーは
1万5千倍~2万倍くらいありますから、
こういうのがDNAのところを通ると
非常に複雑な傷をつけます。
それで複雑な傷を作るので
傷を直すんですけれど、
間違えて直すということがあって、
それがガンの原因になります。
それでどういうことが起こるかと言うとですね。
たくさん放射線を浴びる、
たとえばJCO(東海村の臨界事故)
で亡くなった
大内さんとか篠原さんは
1万7千本~2万本ぐらい核に飛跡が通ったわけです。
だいたい99.9%以上
ほとんどの人が死ぬ線量というのは、
6千本~7千本ぐらい放射線が核に通る。
そうするともう、ほとんどの人が助からない。
これはDNAがズタズタに切れてしまって、
細胞分裂が出来なくなるということが原因です。
急性症状が出ない最低の閾値(しきい値)は
250ミリシーベルトと言われています。
100~250ミリシーベルト以下は低線量と言われて
こういう急性症状は出ない。
けれども、後から癌になる可能性があるわけです。
そういうガンは数年~数十年後に出ますので、
晩発障害と言っています。
それでその、低線量の場合に
ガンのリスクがどのくらいあるかというと、
ある一定の線量以下はガンが出来ないという
しきい値は見つからないというふうに言われています。
それは国際放射線防護委員会(ICRP)が出している
リスクエスティメーション《※risk estimation=リスク評価》ですけれども、
1万人の人が1ミリシーベルト浴びると
その中の1人がガンになると。
それでその、ガンになる線量というのは
被ばく線量に比例して直線的に伸びる。
こういうことが、国際的なコンセンサスになっています。
それで今、テレビなんかでは
「100ミリシーベルト以下ですから、心配ありません」
とか、そういうふうにおっしゃっていますけれども、
こういうことがあるというのは
私たちは知っておいた方がいいと思います。
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*
致死線量については、6~7シーベルトです。
(=6000ミリシーベルト~7000ミリシーベルト)
労働者のリミットは1年間に50ミリシーベルト、
(かつ)5年間で100ミリシーベルトを超えない。
日常の自然放射線(Natural radiation)は
世界平均が2.4ミリシーベルト。
飛行機で0.24ぐらい。
日本~ニューヨークぐらいですと、
0.24ミリシーベルト。
日本の日常(自然放射線量は)平均より少なくて
1.2ミリシーベルト。
作業員が緊急時にだったら
「ここまで被爆してもいい」、という(上限は)
それは決まっていないでしょ?
このあいだ、
本当は50ミリシーベルトなんですけど
イマージェンシーだから上げるという風に言っていましたから。
「その倍ぐらいで大丈夫だ」と言って。
...OKじゃないんだけど。
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*
緊急時に認められる作業員の被ばく限度は
電離放射線障害防止規則
(昭和四十七年九月三十日労働省令第四十一号)
に定められています。
記載部分は、第二章第七条(緊急作業時における被ばく限度)。
平常時の規定(第四条第一項及び第五条)にかかわらず
緊急時に認められた被ばく限度の上限は、
実効線量については、100ミリシーベルト。
眼の水晶体に受ける等価線量については、300ミリシーベルト。
皮膚に受ける等価線量については、1シーベルト。
=1000ミリシーベルト。
ちなみに、通常作業で認められている上限は
実効線量が
5年間につき100ミリシーベルトを超えず、
かつ1年間につき50ミリシーベルトを超えない。
眼の水晶体に受ける等価線量は
1年間につき150ミリシーベルト。
皮膚に受ける等価線量は、
1年間につき500ミリシーベルト。
∴緊急時に放射線業務従事者へ
被ばくが認められている上限は、
実効線量で通常規定の5年分。
等価線量は年間上限の2倍です。
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~
等価線量は、
外部放射線を受けた人体の組織の吸収線量(Gy:グレイ)に
放射線荷重係数〔=〕を乗じて求めた値。
実効線量は
外部放射線を受けた人体の組織・臓器毎の吸収線量に
組織荷重係数・放射線荷重係数を乗じた値の総和。
いずれも単位はSv(シーベルト)。
ちなみに、
放射線荷重係数
=
身体へ与えるダメージの度合いが
放射線の種類によってどれだけ異なるかを、
同じ尺度で評価するために設定された係数。
組織荷重係数
=放射線で受けるダメージが
身体組織や臓器ごとに異なる度合いを設定した係数。
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~
こうなることは、最初から想定の範囲内でした。
トランプでババ抜きをして
最後に誰かが必ずババを引かなければいけないように、
貧乏くじが原発の建つ地域に回る。
ババ抜きを始めてしまったのは、私。
こうなる可能性があると知っていながら
体を張って止めることも
命をかけて訴えることもしてこなかった。
そのツケが現場で作業に当たっている人へ
一気に押し寄せている。
いくら福島から離れて今回の災禍を免れてみたところで、
原発は
静岡にも福井にも島根にも四国にも九州にも
あるんです。
『うんち・おならで例える原発解説』
もありますが、
原発くんは生きている限り、
排泄しないわけにいかない。
再処理工場の問題
は、そういうことです。
放射能汚染を垂れ流すトイレ扱いは、
どこもされたくないはず。
∴復興するとき
「どういう風に再建するか?」
が
今後の命運を決める鍵になると思います。
以前あったものを再現するだけの選択肢は、
もはやありえません。
お読みいただき、ありがとうございます。
《※》2011年3月17日13:55:08に掲載した記事で、
以下のとおり誤記訂正しました。
★訂正後★
国際放射線防護委員会(ICRP)が出している
リスクエスティメーション《※risk estimation=リスク評価》
★訂正前★
国際放射線防護委員会(ICRP)が出している
リスクエイストメイション
IAEAが定める評価尺度で「レベル6相当」との見解 そのレベルの意味とチェルノブイリを振り返る
3月11日の東日本大震災の影響をうけて福島第一原子力発電所が破損するなどの事故が起きている。現在も..........≪続きを読む≫