生命保険加入の実態 | 池上秀司のブログ

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ファイナンシャルプランニングに関することを中心に、好き勝手に書きます。

生命保険文化センターから3年毎に実施されている

平成27年度 生命保険に関する全国実態調査(速報版)

がリリースされました。興味深かった点をご紹介しますが、まずは加入チャネルです(調査資料を著者がリライト)。


保険代理店」が伸びています。これは街で多くの保険ショップを見るようになったことから、肌で感じている部分ではないでしょうか。正直にいうと、私はこのチャネルがここまで急激に伸びるとは思っていませんでした。では、減っているのはなんでしょうか?

通信販売

です。この通信販売は「インターネット経由」と「テレビ・新聞・雑誌経由」の合計です。それぞれがどのように変化しているかを以下に記します。

【平成24年】
・インターネット(4.5%)
・テレビ・新聞・雑誌(4.3%)

【平成27年】
・インターネット(2.2%
・テレビ・新聞・雑誌(3.4%)

インターネット加入が半減しています。

資料には加入チャネルと加入商品に対する満足度も掲載されています(調査資料を著者がリライト)。




チャネルも商品も、満足度が上昇しています。販売に携わっている方達の努力が結果として現れています。この結果・実態を、私達ファイナンシャルプランナーは尊重するべきではないでしょうか(受け入れがたい人の方が多いと思いますが)。

前回の記事にも書きましたが、ここ数年、メディアがしてきた保険議論とは、

保険は人から入るな

です。代表的なのは、後田亨さんと山崎元さん。しかし、彼らの論調が空虚であるということは、この調査結果が示しています。また、価格をアピールしてきたネット生保が、人から加入する場合と商品も価格も優位性がないのですから、この結果は当然といえば当然。彼らが企業努力を怠っていた時期に、対面販売に関わる多くの方達が努力されてきたのです(もちろん、すべての販売に同意できる訳ではありませんが…)。

少し前ですが、学資保険について触れました。

学資保険、大いに結構

メディアやFPからボロクソにいわれる「かんぽの学資保険」が、実際は多くの方に購入されているとのこと。また、ここ数年、メディア、FP業界は

医療保険は要らない

の大合唱。しかし、

・直近加入契約(民保)の加入目的は「医療費や入院費のため」(58.5%)と「万一のときの家族の生活保障のため」(53.1%)が他の目的を大きく上回っている。

そうです。これだけ多くの方が不安を抱えているということは、メディアで繰り返してきた議論が貢献していないということです。世間は冷静です。メディアとそこに登場するエセ専門家の無責任な戯言には付き合っていないのです。今後もそんな連中に付き合うのは時間の無駄と思っていただいて問題はありません。

とはいえ、

・生命保険や個人年金保険に関する知識全般については「ほとんど知識がない」に近いとする回答が68.6%を占める。

のですから、別の情報提供は必要です。現在とは異なる情報提供が、お客様の不安解消につながるのではないでしょうか。そこを追求するのが我々の本来あるべき仕事です。