仕事のスタンス | 池上秀司のブログ

池上秀司のブログ

ファイナンシャルプランニングに関することを中心に、好き勝手に書きます。

私は外資系の生命保険会社後、住宅展示場などでの実績、経験を重ねるにつれ、

「低金利期は長期固定金利型ローンで借りるのが鉄則。変動金利や短期固定金利は危険!」って本当か!?

という疑念を抱くようになりました。

2007年5月、縁あって「住宅ローンの(秘)新常識 ~長期固定に繰り上げ返済はトクしない」という本を出させていただき、その問題点等について指摘しました。力及ばずその後も当時の論調は続いていますが、私の主張が正しかったことは事実が証明しています

本来、消費者を安心させ、資産を増やしてもらうために存在しているファイナンシャルプランナーが不安を煽り、損までさせてきたということです。

そういったファイナンシャルプランナー達は、景気回復が見込めず金利が上がらない今、別の手段で消費者の不安を煽り始めました。

老後破綻

です。老後が不安になれば、住宅購入に迷いも出るでしょう。老後の貯蓄をするから子育てが大変だとなれば「二人目は無理」と思うのも当然です。

「金利上がるぞー!」「教育費大変だぞー!」「老後破綻するぞー!」といわれれば、 「夢のマイホーム」と称された住宅購入は「夢」でなくなります。

すなわち、世の中をつまらなくし、不況や少子高齢化を促進している原因の一つがファイナンシャルプランナーなのです

しかし、「老後破綻」に対する記述の多くは観念的であり、ブームに悪ノリしたポジショントークです。

住宅購入を諦めたところで、家賃は一生つきまといます。金利上昇不安を煽ったことを反省しないファイナンシャルプランナー達が、老後破綻を煽られたあげくに家賃を負担し続ける方の援助や支援ができるとは到底思えません。過去の論調の考察も反省もしない現状を鑑みれば、それは明白です。

彼(彼女)らは、なんのために、誰のために存在しているのか甚だ疑問です。

私はそんなファイナンシャルプランナー業界の現状を変えようとまで、壮大な理念はありません(変わって欲しいとは思いますが…)。しかし、「やっぱりマイホームが欲しいなぁ」「“きょうだい”で賑やかな家族もいいなぁ」というお客様が、夢を諦めるのは「もったいない!」と強く思っています。

もちろん、生き方は多様化しています。「家は要らない」「一人っ子で十分」「独身生活を楽しみたい」という意思も、素晴らしい生き方、考え方として尊重します。

しかし、月10万円の家賃でも、35年支払うと単純計算で4,200万円にもなります。それだけの支払いは借入金額3,000万円と同等です(3,000万円・2%・35年返済≒10万円)。ですから、「家が買えたら買いたいな」「できればもう一人、子供が欲しいな」と思うお客様の「夢の実現」をお手伝いさせていただきたいと、改めて思い直しています。

そして、残念ながらその夢を諦めなければいけないような事態になっても、せめて経済的な負担は軽減できるような安全対策(保険加入)を通じ、日々の生活に安心していただきたいと願っています。

とかくファイナンシャルプランナーの仕事というと、「どこの銀行の金利が低いか」「どの保険会社が安いか」といったことと捉えられがちですが、それは作業ですので、前面に出すことも、柱にすることもありません。

たった一度の人生、やるもやらないもお客様次第ですが、「前向きになりたいけれども、不安もある」というお客様の不安を解消する。ファイナンシャル プランナーは不安を与えるのではなく、払拭するのが使命。それが、私にとっての「ファイナンシャルプランナーの存在意義」です

また、巷のファイナンシャルプランナー達は、金融機関やハウスメーカーといった販売側の方達を蔑むことで存在をアピールしたがります。「金融機関にだまされるな」「業者が変動金利で試算するのは売りつけたいから」「保険販売は手数料目的」このような発言を多くのところで見てきました。

確かに全ての企業が善良とはいえず、不適切な企業も、お客様のご意向を反映していない販売もあるのは事実。それは断罪されるべきですし、私もしていきます。

しかし、他方では頭を使って、汗をかいている方達がいるのも事実。十把一絡げに「モノを売るヒト=悪」というレッテルを貼って、「ファイナンシャルプランナーは正義の味方」とするのはただの身勝手です。

優良な企業や商品を正しく評価することは、消費者利益につながります。現場でしか入手できない情報もあります。私は金融機関やハウスメーカーの方達とよりよい関係を作ることで「三方よし」の実現を目指します

独立後は現場の仕事をこなしながら、その接客ノウハウを金融機関の人材育成・研修業務で伝えています。今後もこれらの仕事を継続させていただきながら、より多くの方の夢や笑顔のある暮らしに貢献させていただきたく存じます。

最近のファイナンシャルプランナーによる暗い話題提供に反発する意味も込めて、自分の仕事に対する想いを今一度表明させていただきました。

今後の業務に一層邁進する所存ですので、これからもよろしくお願いいたします。

2015年10月1日 池上 秀司