進歩のない後田さん | 池上秀司のブログ

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ファイナンシャルプランニングに関することを中心に、好き勝手に書きます。

前回「進歩のない人たち」というタイトルで書きましたが、進歩がないといえばこの人を忘れてはいけません。自称保険コンサルタントの後田亨さんです。この記事を取り上げてみます。

負担が重い… 「保険のミスマッチ」招く選択

これら3つの要因から考えさせられるのは「保険であれこれ契約してしまうのは、やはり対面販売の影響が大きいだろう」ということです。(中略)消費者のなかには「インターネットや通販型の保険は不安だから、担当者が直接説明してくれたり、契約後も相談に乗ってくれたりする方がいい」という方もいるでしょう。しかし保険会社や代理店の担当者は自社で扱う商品を売るのが仕事です。たとえ「このお客さんならこの保障だけで十分だ」と思う場合であっても、その消費者が「○○も不安」だといえば、それに合った商品を勧めることになります。必要最小限の保険活用を提案するのが売り手の役目ではないのです。

要は対面販売を一方的に否定してますが、愚の骨頂です。

まず「○○も不安だ」というお客様に、それに合った商品を勧めるのは当然の責務です。旅行代理店の方が、「ついでに○○もしたい」というお客様にオプショナルツアーをご紹介するのと一緒。それを否定する方がどうかしています。

必要な保障は人それぞれであって、「死亡保障だけでいい」という方もいらっしゃれば「医療保障だけでいい」という方もいらっしゃるでしょう。医療保障といっても、「入院・手術だけでいい」という方もいらっしゃれば「ガンも心配」という方もいらっしゃいます。

ガンの保障といっても医療保険に特約を付加するか、ガン保険に別途加入するか、そのお客様の不安の内容によって変わってくるでしょう。このように、お客様の考えに沿った保障環境を構築するお手伝いをしてくれるのが、対面販売のプロの皆さんであり、私達FPの役割です。

もちろん、「不要だ」というお客様に対して押し売りしてくるのは私もよろしくないと思いますが、「必要最低限だけ入っていればいい」と決めつけるは、人それぞれの保障環境を構築するのにあれこれ考えるのが面倒だ(もしくは実力がない)という、後田さんの仕事に対する姿勢を表しています。要は仕事が手抜きなのです。

保険料を抑えたい人は売り手に期待するのではなく、販売に携わっていないファイナンシャルプランナー(FP)らに相談料を払ってセカンドオピニオンを求めるのが賢明です。

これは私にとっては非常に喜ばしいことですが、一方的に肯定できません。是々非々です。後田さんのような低俗な人間では対応できる顧客層が限られていますし、保険のことを知らない独立FPもいます(この記事参照⇒許容範囲を超えたダメ記事

とりあえず保険を否定していればいいというだけのFPも多くいます(大概は保険の知識に乏しい)。そんな人間達に相談するくらいなら、一社専属でもいいので保険会社の方に相談した方がいいというケースは容易に想定できます。街の代理店さんでもいいでしょう。

そもそも、後田さんのコンサルタントとしての進歩のなさの象徴は、「保険金額や保険期間の考え方」が一向に伝えられない点にあり、「ネット販売=〇、対面販売=×」の繰り返しだからです。保険のムダを省くには大きく2つの方法があります。一つは単純に「単価の安い商品を選ぶ」、もう一つは「必要な保障額や保険期間に合わせて加入する」。後田さんは後者ができません。

死亡保障に関していえば、かわいいお子さんが誕生されたら、一人前になるまでに保護者の方に万一があったら大変だから保険に加入しておきましょうということは普通に考えられます。しかし、お子さんは時間が経てば成長(進学)していくのですから、それに合わせて必要な保障額は減少していっていいでしょう。縦軸を金額、横軸を期間として必要保障額をグラフにすれば「右肩下がり」になります(下図参照)。


そのグラフに合うように必要保障額が下がっていくのが「収入保障保険」、下がっていかず一定なのが「定期保険」です。つまり、時間の経過に伴って「定期保険は必要保障額以上の保険に入る」という状態になります。これこそが「ミスマッチ」です。


後田さんの「必要以上に保険と付き合わない」という論調通りに考えれば、後田さんがするべきは「ネット販売⇔対面販売」の比較ではなく、「定期保険⇔収入保障保険」の比較であり、究極「収入保障保険に入っていればいい」という結論にならなければおかしいのです。それを誰かに配慮してかハッキリいえないところに、後田さんの「潔くなさ」「覚悟のなさ」「消費者より自分優先」という姿勢が現れています。

具体的な比較をしてみますが、ちょっと長くなるのでそれは次回に。

【参考記事】
やるじゃないか日経