192-閣05 金融機能強化改正法改正案 | 国政報告 おおさか佳巨 福島県[県中]の生活

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192-閣05 金融資本市場をめぐる情勢の変化に対応して金融の機能の安定を確保するための金融機能の強化のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案

 

これも法律名がめちゃめちゃ長いのでタイトルに入りきりません。

題名で説明を入れる法律名はおかしいのではないかと思いますが、なんとかしろ。

 

この法律案は、金融機能強化法、株式保有制限法、保険業法の三つの法律で定めた平成29年3月末までという時限措置の期限が到来しそうであるので全て五年延長しようというものです。

 

どういうものを時限措置にしているかというと、

 

●金融機能強化法(金融機関等に対する国の資本参加)

地域経済活性化等の観点から、金融仲介機能の向上のため、金融機関等に国が資本参加

 

●株式保有制限法(銀行等保有株式取得機構(取得機構)による株式等の買取り)

政策保有株式の削減に伴う株式等の処分の円滑化のため、取得機構(銀行等の拠出で設立)が株式等を買取り

 

●保険業法(生命保険契約者保護機構に対する政府補助)

破綻時の資金援助に伴う業界負担により、生命保険会社の財務が著しく悪化し、保険業への信頼性の維持が困難となる場合に、政府補助を可能とするもの

 

 

前回は平成24年3月末から5年間延長しています。

銀行等保有株式取得機構には存続期限があって、平成39年3月末までとなっていますが、これについても五年延長するという法案です。

 

1. 地域金融機関に公的資金を注入する枠組みを定める金融機能強化法の申請期限を5年延長

「未来への投資を実現する経済対策」について 平成 28 年8月2日閣議決定

http://www5.cao.go.jp/keizai1/keizaitaisaku/20160802_taisaku.pdf

この経済対策の中で、

Ⅲ.英国の EU 離脱に伴う不安定性などのリスクへの対応並びに中小企業・小規模事業者及び地方の支援

(4)リスクへの対応

金融の機能の安定を確保するため、金融機能強化法に基づく資本増強制度等の期限を延長する。

 

とあります。

 

我が国では、不良債権処理の問題がいまだに長引いており、地方の金融機関ではその資本の力が弱いことから、預金保険機構が株式などを引き受けて資本を増強するのが、金融機能強化法です。

 

現行では、預金保険機構は、金融機関等から平成29年3月末までに当該金融機関等の自己資本の充実のために行う株式等の引受け等に係る申込みを受けたときは、主務大臣に対し、当該金融機関等と連名で、当該申込みに係る株式等の引受け等を行うかどうかの決定を求めなければならないこととなっていますが、これを平成34年3月末までに延期をするという法案です。

平成27年度の預金保険機構債の引受会社候補

https://www.dic.go.jp/katsudo/shikinchotatsu/yohosai/hakoyotei/h27/2015.4.1.html

 

2. 銀行等保有株式取得機構による株式などの買い取り期限や生命保険契約者保護機構への国の財政支援 5年間延長

 

銀行等保有株式取得機構は、「銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律」で、銀行等の金融機関の業務の健全な運営を確保するために銀行等の金融機関による株式等の保有を制限することを規定しており、そのためにこの機構が銀行等の保有する対象株式等の買取り等の業務を行うものです。

 

生命保険契約者保護機構は、保険業法に基づいて生命保険会社の保険契約者のための相互援助制度として、万一、生命保険会社が破綻した場合には、破綻保険会社の保険契約の移転等における資金援助、補償対象保険金の支払に係る資金援助等を行う機構です。

 

銀行等保有株式取得機構については、預金保険機構と同じく株式の引き受けを五年延長し、生命保険契約者保護機構にはもう五年財政支援を行うことにより、金融機能を強化しようとするものです。これについても平成29年までにその期限が切れるための延長です。

 

金融機関の株式を保有している公的機関は、日本銀行、銀行等保有株式取得機構、預金保険機構の3つです。株式の保有は期限付きであり、3法人とも将来的には全て処分することになっていますが、おそらく今後も延長が続くかと思います。

 

不良債権の処理について悩む金融庁や財務省ですが、全ての金利をマイナスにしてしまえば、問題は解決します。土台、プラス利子でやっていることに無理があるのです。

 

関係資料

 

●条文の改正

1.金融機能の強化のための特別措置に関する法律

この第三条で、

預金保険機構は、金融機関等から平成二十九年三月三十一日までに当該金融機関等の自己資本の充実のために行う株式等の引受け等に係る申込みを受けたときは、主務大臣に対し、当該金融機関等と連名で、当該申込みに係る株式等の引受け等を行うかどうかの決定を求めなければならない。

 

となっていますが、この平成二十九年を平成三十四年に改めるものです。同条第二項においても同様。第十五条、第二十六条、第三十四条の二も同様。

 

2.金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法

この第三条で、

金融機関等は、経営基盤強化に関する計画(以下「経営基盤強化計画」という。)を作成し、主務省令で定めるところにより、これを平成二十九年三月三十一日までに主務大臣に提出して、その認定を受けることができる。

 

となっており、これも平成三十四年に改める。

3.保険業法

この附則第一条の二十四も同様。

 

4. 銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律

銀行等保有株式取得機構を解散するときの事由について。

「平成四十四年三月三十日の経過」として五年延長。

期限の存続を平成三十四年までに五年延長。

第十九条、第三十八条、第三十八条の二・五・六、第四十九条を改めるものです。