192-閣04 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案
消費税引き上げ延期に伴う地方消費税分の法改正案。
消費税引き上げ延期に伴い、地方税制度の改正を行うものです。
世界経済の不透明感が増す中で、新たな危機に陥ることを回避するためにあらゆる政策を講ずることが必要となっていることを踏まえ、
●地方消費税率引上げの実施時期を平成三十一年十月一日とする
●法人住民税の法人税割の税率の引下げの実施時期及び地方法人特別税等に関する暫定措置法の廃止時期の変更
●自動車取得税の廃止時期並びに自動車税及び軽自動車税における環境性能割の導入時期の変更
●個人住民税の住宅借入金等特別税額控除の適用期限の延長等の措置
を講ずることとし、次のとおり社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律等の一部を改正するものとする。
この改正では、平成31年度及び平成32年度に限り、廃止前の地方法人特別税等に関する暫定措置法に係る地方債の特例措置を講ずることとし、当該特例措置に係る改正規定の施行期日を平成31年4月1日とすることとされています。
ここで地方債についての改革を導入べきと考えます。
先日の報道で、日銀は長期国債の利率をマイナスからなんとかゼロにしたい考えのようでありますが、国債をマイナス金利にして、地方債がプラス利子のまま。
地方債の発行時の利回りは、主に国債の利回りを指標に、投資家の需要に応じて利率を上乗せして決まる。マイナス金利政策で長期国債の利回りがマイナスになり、地方債の利回りも連動して下がったが、地方債はプラスの利回りを維持。ふつうは、あまりに利回りが低ければ投資家も魅力に感じてくれず、買い手がつきにくいが、国債を中心に運用していた銀行や生命保険会社などの間で人気だとのこと。
一方で、札幌市の発行する市債で一時的にではありますが、マイナス金利になりました。これについて
http://life.noor.jp/blog/?p=1970
の砂田市議会議員は、
「私の知識、経験則では理解不能な事態です。」と言っています。これまでの経験と知識を全て虚心坦懐にせねば、今後のマイナス金利時代・マイナス通貨時代は乗り切れないでしょう。
確かに現在のマイナス金利によっては、金融機関の融資が増えません。マイナスの利子率がゼロ金利とたいして変わらないぐらいの微々たるマイナス利子率だからです。
第一段階として、長期国債がマイナス利率を堅持すると、地方債は微々たるプラスですが、プラスはプラスなので国債よりも地方債が買われるでしょう。
第二段階は、マイナス利子の地方債が続々と増えていきます。そうすると投資家は地方債からも離れていきます。しかし、国債よりも地方債においてマイナス金利の可能性があるのは、身近な生活において政策がすぐに表れる地方債のほうがその実現速度と間近さから考えると優れています。すなわち公共事業の投資のためにマイナスの地方債を買う市民が増えていきます。
第三段階は、マイナス利子に基づくマイナスの通貨をその自治体で発行します。そうするとマイナスの通貨は急激に流通をしていきますので、貯蓄よりも流通に重きが置かれ、マイナス利子の地方債がなくても地方財政は回っていきます。
今回提出される冒頭の法案は、いつもの月並みなものです。よってマイナス地方債を発行可能とする法案への修正を望みます。
◎ 地方税に係る税制抜本改革法についての措置
○ 地方消費税率 22/78(消費税率換算 2.2%)への引上げの施行日を平成 31年 10 月1日に変更
○ 消費税に係る地方交付税法定率の変更、地方消費税の社会保障財源化分に係る経過措置等所要の措置
【社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律(平成 24 年法律第 69 号)の改正】
◎ 車体課税の見直し(消費税率 10%段階の措置)
○ 自動車取得税の廃止時期並びに自動車税及び軽自動車税における環境性能割の導入時期をそれぞれ平成 31 年 10 月1日に延期
○ 環境性能割の税率区分については、技術開発の動向や地方財政への影響等を踏まえ、平成 31 年度税制改正において見直し
【地方税法等の一部を改正する等の法律(平成 28 年法律第 13 号)の改正】
◎ 地方法人課税の偏在是正(消費税率 10%段階の措置)
○ 法人住民税法人税割の税率改正の実施時期を延期(平成 31 年 10 月1日以後に開始する事業年度から適用)
・道府県民税 : 3.2% → 1.0% (標準税率)
・市町村民税 : 9.7% → 6.0% (標準税率)
※ 地方法人税の税率改正(4.4%→10.3%)の実施時期を延期(平成 31 年 10 月1日以後に開始する事業年度から適用)
○ 地方法人特別税の廃止及び法人事業税の復元の実施時期を延期(平成 31年 10 月1日以後に開始する事業年度から適用)
○ 法人事業税交付金制度の創設時期を延期(平成 31 年 10 月1日施行)
【地方税法等の一部を改正する等の法律(平成 28 年法律第 13 号)の改正】
◎ 住宅ローン減税
○ 個人住民税における住宅ローン減税措置について、適用期限を平成 33 年12 月 31 日まで2年半延長(この措置による個人住民税の減収額は、全額国費で補塡)
【地方税法の改正】
以上が概要。
第一 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律に関する事項
1. 消費税の収入額に対する地方交付税の率について、以下の措置を講ずること。
(一) 平成31年度から20.8%(消費税換算立1.47%)とすること。
(社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律第四条関係)
(二) 平成32年度から19.5%(消費税換算立1.52%)とすること。
(社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律第五条関係)
(三) (一)の施行期日を平成31年4月1日とし、(二)の施行期日を平成32年4月1日とすること。
(社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律附則第一条関係)
2.地方消費税の税率22/78(消費税率換算2.2%)への引き上げに係る改正規定の施行期日を平成31年10月1日とすること。
(社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律附則第一条関係)
第二 地方税法に関する事項
個人の道府県民税及び市町村民税の住宅借入金等特別税額控除について、その対象となる家屋の居住年の期限を平成33年まで延長すること。(地方税法附則第五条の四の二、第四十五条関係
第三 地方税法等の一部を改正する等の法律に関する事項
一 道府県民税及び市町村民税
1 法人税割の税率の引下げに係る改正規定の施行期日を平成31年10月1日とすること。(平成二十八年改正法附則第一条、第四条関係)
2 特定寄附金税額控除に係る控除額の変更に係る改正規定の施行期日を平成31年10月1日とすること。(平成二十八年改正法附則第一条、第四条、第十七条関係)
二 事業税
1 都道府県が、納付された法人の事業税の額の一部に相当する額を、都道府県内の市町村に対し、各市町村の従業者数で按分して交付する交付金(以下「法人事業税交付金」という。)の創設に係る改正規定の施行期日を平成31年10月1日とすること。ただし、平成31年度に限り、市町村に対し交付するものとされる法人事業税交付金は、同年度内に交付しないで、平成32年度に市町村に対し交付するものとされる法人事業税交付金に加算して交付するものとすること。
(平成二十八年改正法附則第一条、第六条関係)
2 六の4(地方法人特別税等に関する暫定措置法の廃止に係る改正規定の施行期日を平成31年10月1日とすること。)に伴い、資本金の額又は出資金の額(以下「資本金」という。)一億円超の普通法人の事業税の標準税率の変更に伴う経過措置について、次のとおり見直すこととすること。(平成二十八年改正法附則第五条関係)
(一) 資本金1億円超の普通法人のうち平成29年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する事業年度に係る付加価値額が40億円未満の法人について、当該事業年度に係る事業税額が平成28年3月31日現在の付加価値割、資本割及び所得割の税率を当該事業年度のそれぞれの課税標準に乗じて計算した金額を超える場合にあっては、付加価値額が30億円以下の法人についてはその超える額に二分の一の割合を乗じて得た金額を、付加価値額が30億円超40億円未満の法人についてはその超える額に当該付加価値額に応じて2分の1から0の間の割合を乗じて得た金額を、それぞれ当該事業年度に係る事業税額から控除する措置を講ずること。
(二) 資本金1億円超の普通法人のうち平成30年4月1日から平成31年3月31日までの間に開始する事業年度に係る付加価値額が40億円未満の法人について、当該事業年度に係る事業税額が平成28年3月31日現在の付加価値割、資本割及び所得割の税率を当該事業年度のそれぞれの課税標準に乗じて計算した金額を超える場合にあっては、付加価値額が30億円以下の法人についてはその超える額に4分の1の割合を乗じて得た金額を、付加価値額が30億円超40億円未満の法人についてはその超える額に当該付加価値額に応じて4分の1から0の間の割合を乗じて得た金額を、それぞれ当該事業年度に係る事業税額から控除する措置を講ずること。
三 自動車取得税
自動車取得税の廃止に係る改正規定の施行期日を平成31年10月1日とすること。(平成二十八年改正法附則第一条関係)
四 自動車税
1 環境性能割の創設に係る改正規定の施行期日を平成三十一年十月一日とすること。(平成二十八年改正法附則第一条関係)
2 平成29年4月1日に施行することとされている、次に掲げる平成29年4月1日から平成31年3月31日までの期間に取得された自動車に係る環境性能割の特例措置に係る規定を削除すること。(平成二十八年改正法第二条関係)
(一) 一般乗合旅客自動車運送事業を経営する者が道府県の条例で定める路線の運行の用に供する一般乗合用のバスに係る非課税措置
(二) 一般乗合旅客自動車運送事業を経営する者が路線定期運行の用に供する自動車(以下「路線バス等」という。)のうち、一定のノンステップバスで初回新規登録を受けるものに係る課税標準の特例措置
(三) 路線バス等のうち、一定のリフト付きバスで初回新規登録を受けるものに係る課税標準の特例措置
(四) 一般乗用旅客自動車運送事業を経営する者がその事業の用に供する乗用車のうち、一定のユニバーサルデザインタクシーで初回新規登録を受けるものに係る課税標準の特例措置
(五) 車両安定性制御装置又は衝突被害軽減制動制御装置を備える自動車で初回新規登録を受けるものに係る課税標準の特例措置
(六) 被災自動車等又は対象区域内用途廃止等自動車等に代わるものと道府県知事が認める自動車に係る非課税措置
3 現行の自動車税の種別割への変更に係る改正規定の施行期日を平成31年10月1日とすること
(平成二十八年改正法附則第一条関係)
4 四の3(現行の自動車税の種別割への変更に係る改正規定の施行期日を平成31年10月1日とすること)に伴い、次に掲げる自動車税の特例措置について、所要の規定の整備を行うこと。(平成二十八年改正法第一条の二関係)
(一) 排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境負荷の小さい自動車の税率を軽減する特例措置
(二) 新車新規登録から一定年数を経過した環境負荷の大きい自動車の税率を重くする特例措置
(三) 被災自動車又は対象区域内用途廃止等自動車に代わるものと道府県知事が認める自動車に係る非課税措置
五 軽自動車税
1 環境性能割の創設に係る改正規定の施行期日を平成三十一年十月一日とすること。(平成二十八年改正法附則第一条関係)
2 平成29年4月1日に施行することとされている、平成29年4月1日から平成31年3月31日までの期間に取得された被災自動車等又は対象区域内用途廃止等自動車等に代わるものと道府県知事が認める三輪以上の軽自動車に係る環境性能割の非課税措置に係る規定を削除すること。(平成二十八年改正法第二条関係)
3 現行の軽自動車税の種別割への変更に係る改正規定の施行期日を平成31年10月1日とすること。(平成二十八年改正法附則第一条関係)
4 五の3に伴い、次に掲げる軽自動車税の特例措置について、所要の規定の整備を行うこと。(平成二十八年改正法第一条の二関係)
(一) 排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境負荷の小さい軽自動車の税率を軽減する特例措置
(二)被災自動車等又は対象区域内用途廃止等自動車等に代わるものと市町村長が認める軽自動車等に係る非課税措置
六 その他
1 二の1(法人事業税交付金)に伴い、地方税の減収に伴う地方債の特例措置に係る改正規定の施行期日を平成32年4月1日とすること。(平成二十八年改正法第七条の二、附則第一条関係)
2 平成31年度及び平成32年度に限り、廃止前の地方法人特別税等に関する暫定措置法に係る地方債の特例措置を講ずることとし、当該特例措置に係る改正規定の施行期日を平成31年4月1日とすること。(平成二十八年改正法第七条、第七条の二、附則第一条関係)
3 地方税法の改正に伴う地方債の特例措置について、第一の2、第三の一の1及び六の4に伴い、法人事業税交付金に係る部分以外の部分に係る改正規定の施行期日を平成31年10月1日とし、二の1に伴い、法人事業税交付金に係る部分に係る改正規定の施行期日を平成32年4月1日とすること。(平成二十八年改正法第七条、第七条の二、附則第一条関係)
4 地方法人特別税等に関する暫定措置法の廃止に係る改正規定の施行期日を平成31年10月1日とすること。(平成二十八年改正法附則第一条、第三十一条、第三十二条関係)
第四 その他
1 自動車税の環境性能割の非課税又はそれぞれの税率を定める規定の適用を受ける自動車及び軽自動車税の環境性能割の非課税又はそれぞれの税率を定める規定の適用を受ける三輪以上の軽自動車の範囲については、平成30年度中に、自動車及び三輪以上の軽自動車に係る環境への負荷の低減に関する技術開発の動向、地方財政への影響等を勘案して見直しを行い、必要な法制上の措置を講ずること。(附則第二項関係)
2 その他所要の規定の整備を行うこと。
3 前記の改正は公布の日から施行すること。
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· 要綱【103 KB】
· 法律案・理由【184 KB】
· 新旧対照条文【509 KB】
· 参照条文