<艶が~る、二次小説>


もしも、土方さんが会社の上司だったらってことで、今回は#5キラキラ現代版土方さんを勝手に想像した話です涙相変わらず、拙い文ですが良かったらお付き合い下さいきらハート


#1  #2  #3  #4

(↑それぞれクリックしてお読み下さい。#3は艶シーンありの為、大人限定です。#3で、土方さんと主人公が結ばれたと思って下さい汗)※この物語の主人公は、24歳の大人という設定です。




Toshi Hijikata#5



「…さてと、コーヒーでも飲もっと」


先ほどの会社にメールを返信し、今担当している会社の広告に載せる画像を選び終わったところで、カップを手にしながら次々と戻って来た同僚達を迎え入れる。


「お疲れ様!」

「メールさんきゅ。あ、俺にもコーヒーよろしく」

「はいはい…」


彼は、水野裕樹。この会社へ入ってから知り合った友人の一人だ。土方さんに引けを取らないくらいの色男で、タレントにでもなったほうが良いんじゃないか?と、思うほどの端整な顔立ちに思わず見惚れる女性も多い。


しかし、当の本人は色気より食い気。昔から女性にあまり興味が無いらしく、これまでに何人もの告白を断わり続け、以前一回だけ付き合った彼女がいたらしいのだが、いまだに一人でいるという珍しい男である。


「久々に興奮したよ」


そう言って、コーヒーを受け取ると私に微笑んだ。



艶が~る幕末志士伝 ~もう一つの艶物語~



「私も、初めて読んだ時は興奮しっぱなしだったよ。いつか、自分も携わりたいって思った…」

「そうだな。その為にも、もっと知性を磨かないと」

「あはは、そうだね…」


彼の呟いた一言が、ずしーんと肩に圧し掛かる。


(知性か……今の私に一番足りないものだ…)


カップに付いたリップの朱色を手で擦りながら、そんなことを考えていたその時。「疲れたぁ…」と、言って上着を腕に掛けたまま、疲れ果てたような顔で戻って来た涼子を迎え入れた。


「大丈夫?」

「…うん。人身事故だかで電車が止まっちゃってさぁ…仕方がないから歩いたさ…」


裕樹くんと顔を見合わせながら苦笑すると、急いで彼女の分のコーヒーを用意して、ぐったりと自分の椅子に座り込む彼女にコーヒーを手渡す。


「お疲れ様っ」

「ありがとっ…さすがに疲れたよぉ」


彼女は溜息をつきながらコーヒーを一口飲むと、今度は安堵の息を漏らした。すると、そんな彼女を見て裕樹くんが少し呆れたようにぽつりと呟く。


「日頃の行いが悪いからじゃないか?」

「えっ、なぁに?聴こえなぁ~い」


(…また始まるのか?)


どちらからともなく、相手の批判をし合うことが多いこの二人。彼女は彼のそんな呟きを適当にあしらうかのように言うと、それが切っ掛けで、また二人のバトルが始まってしまった。


『歳だからな…』と、言い放つ彼に、『同い年のあんたに言われたくなぁい』と、言い返す彼女。そんな二人の合間で私は、苦笑しながら仲裁に入る。


「まぁまぁ、もうそのへんで……なんかあんたたち、何気に仲が良いんだね」


「えっ?!」


私の呟いた一言に、二人は同時に振り返って言った。


「そんな訳無いじゃん」

「そんな訳無いだろ」


そしてまた、同時にそう言う彼らを交互に見やり、「やっぱ、いいコンビなんじゃない?」と、言って微笑むと、彼らはお互いの顔を見合わせ少し照れたような、困ったような表情で俯いた。


「いつも思ってたんだけど、ケンカするほど…っていうもんね」


にんまりとした微笑みを見せると、彼女は念を押すように彼との仲を否定し、「コンビニへ行ってくる」と、言い残して足早に去って行った。


「前も言ったかもしれないけど、俺はああいう女が一番苦手なんだ…」


彼は、小さくなる彼女を見つめながらポツリと呟いてコーヒーを飲み干した。


「じゃあ、どんな女性がタイプなの?」

「えっ?」


私の問いかけに彼は一瞬固まって、


「いきなり何言ってんだよ…」


そう言って笑顔を引き攣らせる。


「いやぁ、ずっと疑問だったからね。なんで、裕樹くんほどの格好良い男がずっと一人なのかな~って」

「……………」


彼は、思わず顔を覗き込む私から目を逸らし黙り込んだ。


(も、もしや……男が好きだったりして…)


「もしかして、女性に興味が無いってことは…あれだったり?」

「……じつは」

「え、嘘っ!?」


そう言って驚愕する私を見下ろし、彼は不敵な笑みを浮かべながら、「…土方さんっていいよな」と、囁く。


「ちょ、ちょっと!土方さんはノーマルなんだから!」

「分からないぞ、あの人なら…」


なおもその笑みを浮かべながら、目を見開いたままの私に少しずつ近寄って来て。


(え、彼ってそっちだったの??でも、いくら土方さんだって男同士は…)


と、思いつつ。


彼らのアブナイ関係を想像し、一瞬だけれどニヤケそうになるのを堪えた次の瞬間。


「……なんてな」

「えっ…」

「んなことあるわけないだろ」


呆れながら言う彼に苦笑して、内心ホッと胸を撫で下ろしたのだった。


「裕樹くんさ、俳優にでもなったら?顔だって人気俳優並に良いんだし、今、騙されかけたし…」

「俺のことはいいから、お前らはどうなんだ?上手くいってるのか?」

「あ、話をすり替えたなぁ…」

「いや、あの土方さんと付き合うなんて大変だろうなって思ってさ」


彼はもう一杯コーヒーを淹れながらそう言うと、再び私を見やる。


土方さんと付き合うようになってから、すぐに涼子にバレて。彼女と組むことが多い彼にもバレてしまい、私は二人にだけは白状していた。


その時、思った以上に驚かれ。


今でも二人の驚愕した顔が、目の奥に焼付いていたりして…。


「あの時は、二人してもの凄い驚いてくれちゃって…」

「誰だって驚くだろ。どっから見たって不釣り合いな二人って感じだからな」


(うっ…またまた胸にぐさっと来るようなことをサラッと言ってくれちゃって…)


「でもまぁ、そうだね。土方さんって、私のどこが好きで付き合ってくれているんだろう?」


そう呟いた時だった。


「お疲れ様です!」


遠くで声がして、誰かが戻って来たことに気付く。


「お、噂をすればってやつだな」

「土方さん…」


開け放たれたままのドア越しに姿を現した土方さんは、上着を脱ぎながら自分のデスクへ辿り着き。鞄とバッグを隣のデスクに乱雑に置くと、真っ先にPCを開いた。


「無駄話はここまでだな」

「うん…」


そう言うと、私達もそれぞれ自分のデスクに戻り、さっきまでの続きを片付けようとして。


(そうだ、コーヒー飲むかな?聞いてみよう…)


また立ち上がり、土方さんの傍へ行って話し掛けようとしたその時、机上に缶コーヒーがあることに気付き思わず口ごもった。


「…あっ…」


「何か用か?」

「あ、いえ。コーヒーでも飲まれるかなと思ったんですけど、缶コーヒーがあるなら要らないかなって…」

「……くれ」

「あ、はい…」


PC画面に目を向けたままボソッと呟く土方さんに頷いて、すぐにコーヒーを淹れてまた土方さんの元へ戻ると、そっと机上に置いた。


「どうぞ」

「…ああ」


その真剣な横顔を見つめ、ニヤける顔を堪えながらまた自分のデスクへ戻って自分の仕事に取り掛かった。


じつは、この「ああ」が、結構好きだったりする。


普通なら、「ありがとう」って言うところを、「ああ」とだけ返す土方さんが、とても男らしく見えて。いつも多くを語らないけれど、その言葉の中には深い想いも隠されていたことを理解出来たから…。


(…誰がなんて言ったって私、土方さんの彼女なんだよね…)


PC画面を覗き込むようにしてまた笑みを堪えると、残りの書類に手を付け始めた。


 ・


 ・


 ・


PM:7:00


久しぶりに残業無しで終われた私は、涼子から“二人だけで飲みに行かない?”と声を掛けられていた。たまには、女同士で女子会気取りなんていうのも良いということで、私はまだ仕事を続ける土方さんの携帯へ、彼女といつものバーへ行くことをメールした。


「お疲れ様でした!お先に失礼します…」


そう言って、社内を後にして間もなく。彼女と一緒にエレベーターを待っていると…。


「なっ…!」

「どうしたの?」


思わず携帯を見やりながらくぐもった声を出す私に、彼女の不思議そうな視線が向けられた。


「いや、何でもない…」

「あんた、顔真っ赤だよ」


(…こんなメール、恥ずかしくて見せられない…)


すぐに携帯をバッグの中にしまい込み、またニンマリとする彼女の不敵な笑みを見つめる。


「さぁて、今夜は何食べようかな~」

「あとで見せてよね」

「うっ……」


なんとか誤魔化そうとしたけれど、そうもいかなかったようだ。

(やっぱ、誰にも見せられないし、見せたくない…)


残業が長引きそうだから、22時くらいまでは会社にいるだろうという事と、飲み会が終わったら迎えに行くから連絡しろと、いう事が書かれていて……



艶が~る幕末志士伝 ~もう一つの艶物語~



――今夜は泊って行かないか?お前を抱いていたい。



文面のラストに、そんな一言が添えられていたのだ。


恋人同士なら、当たり前の言葉なのかもしれない。


でも、いつもあまり聞くことが出来ないような言葉をこんなふうにストレートに書かれると、もの凄く照れてしまうのだった。


だけど、私の返事は勿論、



――お邪魔します。いっぱい抱きしめて下さい…



隣で覗こうとする彼女の視線を避けながら、それだけ返信した。




【#6へ続く】



~あとがき~


お粗末さまどした汗


なんか、書きながら20代の頃を思い出し、ドキドキしているわたすハート独身時代から、わりと一途なタイプで笑←自分で言うな(笑)もっと、恋愛しておけば良かったと思うくらいどしたすまいる


若いってやっぱいいなぁ~。出来れば学生時代に戻って勉強し直したいpnish今の職業は大好きだし、今の家庭も大好きだけど、あの頃の自由だけはもう二度と味わえないですからね涙


大人+妻+母ですもん涙


ヽ(;´Д`)ノ


話は逸れましたがっ。次回は、沖田さんのバーで涼子と恋話でもして、夜はまた土方さんちでお泊りきらハートんでもって、沖田さんはあの後、何をしていたのか?


で、この物語でも親しい同僚が二名。菊池涼子と、水野裕樹がどのように絡んでくるのか?


また良かったら、覗きに来てやって下さいニコ