『養生訓』 灸をするときの注意(巻八39) | 春月の『ちょこっと健康術』

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「灸をするとき、風寒に当たってはいけない。大風、大雨、大雪、陰霧、大暑、大寒、雷電、虹げいがあるときは、灸をしてはならない。天気が晴れた後で、灸をするとよい。ただし、急病のときは、それらに拘らなくてよい。

 灸をしようとするとき、もし満腹であるとか、空腹がひどいとか、酒に酔っているとか、大いに怒っていたり、憂い悲しんでいたり、、その他すべて不祥のときには、灸をしてはいけない。

 房事は、灸の前三日、灸の後七日はさけるべきである。冬至の前五日と後十日は、灸をしてはならない。」


「房室の戒め」 には、「天変地異を畏れて…日蝕、月蝕、雷電、大風、大雨、大暑、大寒、虹げい、地震などのときは、房事をしないほうがよい。」とありました。「外邪をさける」 では、老人は「大風雨、大寒暑、大陰霧」をさけよとおっしゃっていました。


このように天候が激しいときは、天地の気の動きが激しく、ただでさえ人のからだは影響を受けやすい。そんなときに、灸をすれば、灸によって補われる気にその激しい気が入ってしまうから…という解釈でしょうか。急病ならば、そんなことも言ってられないってことですかね。


満腹時や空腹時、酒に酔っていたり、感情を激しているときに関しては、「鍼の効用」 にあった禁忌と同様に、灸もさけるという考え方でしょう。冬至の前後については、「冬至と静養」 にその理由があります。


『養生訓』の原文はこちらでどうぞ→学校法人中村学園 『貝原益軒:養生訓ディジタル版』


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