カルシウムは脳にも必要? | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


昨夜は全日本フィギュアスケート選手権に魅せられました。女子シングルは、かつてないほどの混戦状態、オリンピックへの切符のかかった緊張感の中、選手ひとりひとりが全力でぶつかって、見ごたえのある大会でした。オリンピック代表に選ばれた選手たちは、男子も含めて、それぞれがそれぞれの困難を越えてきているだけに、2月が楽しみですねぇ。


先週、「子どものうちの骨づくりが大切」 なのは、将来的な骨粗しょう症予防のためでもあると、お話させていただきました。その骨粗しょう症予防、実は、骨折を防ぐだけでなく、神経や筋肉、血管などの働きを維持するためにも重要なんです。なぜか?それは、それらが働くときに、カルシウムを必要とするから。


カルシウムのようなミネラルは、体内では電荷をおびたイオンとして存在します。カルシウムの場合は、Ca2+という形。ちなみにマグネシウムはMg2+、カリウムはK-です。ここでは単にカルシウムと表記しますね。


体内にあるカルシウムの99%は、骨に貯蔵されています。残りの1%が、歯・筋肉・細胞外液などにあります。それがどのくらいの量かというと、体重70kgの成人男性のカルシウム量は約1300g、その1%ですから、13gくらい。骨以外のところにあるカルシウムは、いったい何をしているのでしょう?


1 神経とカルシウム


脳みそは神経細胞のかたまりです。私たちの筋肉は、運動神経によって動かすことができます。そして、心臓や消化器などの内臓は、自律神経によってコントロールされています。こんなことは、みなさますでにご存知ですね。


神経細胞が、別の神経細胞や筋肉・内臓などと連絡する場所を、シナプスといいます。シナプスでは、連絡のための信号が、アドレナリンやドーパミン、アセチルコリンなんていう神経伝達物質として分泌されます。神経細胞が、その神経伝達物質を出すときに、カルシウムが必要になるんです。


電気信号として神経細胞の中を伝わった刺激が、神経細胞の末端に届くと、細胞膜にあるカルシウムチャンネルが開き、細胞外にあるカルシウムが、神経細胞の中に入って、神経伝達物質が入ったシナプス小胞という袋の口を開くというしくみです。


なので、カルシウムが不足すると、神経から神経への連絡や、神経から筋肉・内臓への連絡が、スムースに運ばなくなるんです。それだけじゃありません。脳内で神経細胞どうしの連絡は、強くなったり弱くなったり変化しますが、とくに強くなるときに、カルシウムの存在が欠かせません。


2 筋肉とカルシウム


筋肉をつくる筋細胞には、筋小胞体という薄べったい袋があります。その中にカルシウムが入っています。神経が筋細胞を刺激すると、筋小胞体からカルシウムが出て、筋細胞が収縮を始めます。すなわち筋肉が収縮するのに、カルシウムが必要なんです。


ですから、カルシウムが不足すると、筋細胞がうまく収縮できずに、けいれんを起こしやすくなります。これは骨格筋だけのことではなくて、心筋でも同じですから、命にもかかわってきますね。


つまり、カルシウムは頭をよくするにも、運動能力を高めるにも、内臓の働きをよくするにも必要ってことですね。そのカルシウムを貯蔵しておいて、細胞外液中のカルシウムが少なくなると、からだの機能を維持するために、カルシウムを放出する骨はやっぱり大事。成長期であるなら、なおさらです。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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