医者の不養生 | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


昔からよく使われることわざに「医者の不養生」がありますね。患者に摂生を求める医者が案外不摂生だという話から、口では立派なことを言いながら、実行が伴わない場合に言われること。「坊主の不信心」とか、「儒者の不身持ち」、「紺屋の白袴」、「髪結いの乱れ髪」などと同様の意味。


なんでこんなことを言い出したかというと、我が家の医者、いえ、とっくに引退してるから元医者ですが、まさに「医者の不養生」をしてしまったんです。家族として、様子がおかしいなと思って、「病院行ったら?」と声をかけても、「いや、大丈夫だ」と言われれば、無理やり連れていくこともできませんでした。何しろ医者ですからね。医者じゃない私たちには口出ししきれないところがあります。


本人の名誉のために言いますが、病態に関して誤診したわけではなかったんですよ。診断はあってたんだけど、自分の体力が誤算だったんです。自分では、まだ大丈夫と思って、ぐずぐずしてたんですね。多少悪くても、手術すれば何とかなると思っていたようです。87歳なのに。


腎臓に水がたまる腎嚢胞が苦しくなって、ようやく病院に行く決心をして、検査をしてみたら、すでに手術はムリな状態になってました。膀胱がんの末期です。幸い激しい痛みの出るものではないので、在宅でのターミナルケアとあいなりました。医者のくせに病院嫌いだし、気持ち悪くなるのは嫌だと抗がん剤は拒否。歳も歳ですしね。


日常生活では、若いときは無茶をしたようですが、40代以降食事には気をつけて、体型も維持していましたから、87歳まで来れました。75歳までは内科医として現役で働けました。その点では、益軒先生ばりですが、ここにきてやっちゃいましたね。何ヶ月か早く病院に行っていれば、手術もできたかもしれません。


食事もトイレも自分でできるので、介護らしい介護はまだ不要ですが、いざというときを考えて、誰かが必ず家にいるようにしています。最近は1日の半分くらい、寝ています。特に昨日のように1日雨だと、ほとんどベッドの中にいます。お天気のいい日は、体調もいいみたいで、庭に出たりするんですけどね。


お灸とアロマでケアしています。何しろガチガチ西洋医学の人だし、私も無理強いはしないから、最初は断られたんだけど、体験してみて良さがわかったみたい。お灸は足三里と腎兪。どちらも養生のツボですからね。アロマは、アルガンオイルにローズとラベンダー。皮膚の乾燥とかゆみを抑えます。


自分の状況を受け入れてからは、気持ちも落ち着いているようで、さほど病状が悪化しているようにはみえません。尊厳死協会と白菊会に加入しているので、延命治療はしない約束ですし、死後は遺体を献体することになっています。このまま最後まで穏やかに過ごせるといいけど。


体調が思わしくないときは、昨日の「思考も痛みも循環する?」にも書いたように、がまんしないで、早めに診察を受けてくださいね。今日もいい1日にしましょう。


春月の『ちょこっと健康術』-萩
白萩