『養生訓』 欲望の日々は自殺への道(巻二35) | 春月の『ちょこっと健康術』

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「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

「世間の人々を多く見てみると、生まれつき短命な形相の人はまれである。もともと長命に生まれついた人でも、養生法を知らずに養生しないでいると、生まれついた寿命を保つことができない。たとえば、彭祖(ほうそ)といえども、刀を喉笛に突きさせば、死なないわけはないであろう。
 今の人が欲のおもむくままに自制しないで生命をそこなうのは、みずから喉笛を突いて死ぬようなものである。喉笛を突いて死ぬことと、欲をほしいままにして死ぬことは、時間的に早いか遅いかの違いはあるが、自殺行為である点では同じである。
 気が強靭で長生きすべき人も、気を養わなければ必ず短命となって、天寿を全うすることができない。これは自殺行為であるといえるだろう。」


彭祖(ほうそ)というのは殷時代の人で、700歳以上、一説には800歳まで生きたといわれる人です。中国では長寿の代名詞として使われる存在のようです。そんな人でも、のどを刀でつけば死ぬ。養生しないで欲望のままに生きるのは、刀で自害するのと同じだ…と、益軒先生はおっしゃるのですね。「天寿と養生」 にも同様のことが書かれています。


具合が悪いと思ったら、早目に休むことも養生法として大切なことです。それでも具合の悪さが続くようなら、がまんしないで医師の診断をあおぎましょう。「ピンクリボン 10月は乳がん早期発見啓発月間」 でお伝えしたように、乳がんは早期に発見すれば治ります。血尿が出ていたら、うちの父のように「医者の不養生」 みたいなことはしないで、すぐに泌尿器科を受診しましょう。


『養生訓』の原文はこちらでどうぞ→学校法人中村学園 『貝原益軒:養生訓ディジタル版』


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春月の『ちょこっと健康術』-ピラカンサ
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