『養生訓』 夏の養生(巻六15) | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

四時の内、夏月、尤保養すべし。霍乱、中暑、傷食 、泄瀉、瘧痢の病、おこりやすし。生冷の飲食を禁じて、慎んで保養すべし。夏月、此病おこれば、元気へりて大いに労す。


四季の中で、夏はもっとも保養をしなければならない。霍乱(かくらん)・中暑(ちゅうしょ)・傷食(しょうしょく)・泄瀉(せっしゃ)・瘧痢(ぎゃくり)などの病いにかかりやすい。生ものや冷たいものの飲食を禁じて、慎んで保養すべきである。夏の間に、これらの病気になると、元気を失って衰弱してしまう。


霍乱は、暑い時期に発生しやすい感染症で、現代で言えばコレラのこと。

中暑は、暑気あたり(熱中症)のこと。

傷食は、食あたり(食中毒)や暴飲暴食による消化不良。

泄瀉は、非感染性の消化不良や消化機能低下による下痢。

瘧痢は、オコリ(間欠性の発熱)をともなう感染症の下痢。


昔は、何より感染症が怖かったんですね。特に夏は、食中毒も多く、それで命を落とす人もあったのでしょう。そうした病いに打ち勝つには、何より基礎体力が重要で、だからこそ保養が一番ということ。


そうしてみると、抗生物質の発見は大きかったですね。でも、使い過ぎたために、耐性菌が発生してしまい、今やイタチごっこになりつつあります。ウィルスや細菌も、生きているものである以上、彼らも命がけですからね。だから、今の時代も、基礎体力、免疫力が大事です。


春月の『ちょこっと健康術』-バラ