脾を養って梅雨~夏を乗り切ろう | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


奄美・沖縄の梅雨入りは例年より10日ほど遅かったそうですが、去年よりは早かったのでしょうか。いつもならうっとうしいと思いがちな梅雨ですが、新型インフルエンザのことを考えると、早く梅雨入りすればいいなぁと思うこの頃です。


少し早いですが、梅雨時から夏にかけての養生法をお届けしましょう。中医学では、立夏から立秋までを夏として、そのうちの湿気が多くなる土用のころ、立秋前の夏の終わりを長夏としています。日本では梅雨があって、北海道は別として湿気が多いので、夏を通して長夏としたほうが現実的かな~と考えています。


東洋医学では、人も自然と一体であり、陰陽五行を基礎として考えるということは、東洋医学講座を通じてお話してきました。人の身体の状態は、季節の移り変わりの影響を少なからず受ける。そして、自然の移り変わりを陰陽五行で見て、人の身体の状態も陰陽五行でとらえる。だからこそ、季節ごとの養生法があるのです。


季節の移り変わりを陰陽でみていくと、

春=陽気が次第に盛んになって陰気は衰えていく。

夏=陽気が極になって衰え始め、陰気は次第に盛り返し始める。

秋=陰気が次第に盛んになって陽気は衰えていく。

冬=陰気が極になって衰え始め、陽気は次第に盛り返し始める。


そして五行でみていくと、

春=「生(せい)」・「風(ふう)」の季節。芽吹き、成長を始める。

夏=「長(ちょう)」・「暑(しょ)」の季節。成長を続け、繁茂する。

長夏=「化(か)」・「湿(しつ)」の季節。実を結ぶ。

秋=「収(しゅう)」・「燥(そう)」の季節。葉を落とし、冬に備える。

冬=「蔵(ぞう)」・「寒(かん)」の季節。地に根をはり、春に備える。


このことを頭において、夏と長夏の養生法を見ていきましょう。


☆ 夜は少し遅く寝て、朝は早く起きる


夏は、天地陰陽の気が盛んに交わって、万物が成長し繁栄する季節です。起きている時間を他の季節よりも長くして、身体を動かして、体内の気もしっかりとめぐらせましょう。


☆ 身体を動かして、適度に汗をかく


1年のうちで最も陽の強い夏。身体の中の陽気も強くなりがちです。また、湿気の多い時季でもあります。気温が低めの午前中や夕方に、身体を動かして、汗とともに体内の陽気と湿気を発散させましょう。


ただし、暑いさなかに汗をかきすぎるのも禁物。水液代謝が乱れて、おなかの調子がくずれたり、下手をすれば命の危険にもさらされます。水分とミネラルの補給を忘れずに。真夏の暑い日には、無理をして運動する必要はありません。暑気あたりになっちゃいますからね。


1日中冷房の中にいて、陽気の発散ができないままでいると、胸に熱がこもってしまいます。すると、肺がその熱にやられて、秋になってから空咳が出るようになります。また、心にその熱が影響すると、不眠やめまいの原因になります。


☆ 冷えにも気をつける


汗をかいたら、必ず乾いたタオルでふきとって、冷やさないようにしましょうね。汗をかいたままの状態で、冷気に当たってはいけません。汗をかいているときは、皮膚表面の腠理(汗腺や毛穴に相当するところ)が開いていて、そこから風寒邪が容易に入りこみます。


また、暑いからといって、冷房をかけた中で冷たい物を摂ると、かえって身体を冷やしすぎて、陽気を傷つけてしまいます。外にいる間に陽気を発散して、建物の中で陽気を傷つける。これが冷え性の一つの原因にもなるんです。


エコロジーが叫ばれるようになって良かったことの一つが、冷房の設定温度。以前は冷やし過ぎの職場が多くありました。それでもまだ冷えるという場合は、レッグウォーマーやスカーフで、しっかり予防して下さいね。シルクの腹巻もおすすめです。


☆ 脾を養うために、消化のいい物を食べる


夏・長夏を元気に過ごすには、脾を養うことが先決です。脾は湿気に弱いので、梅雨の時期に冷たい物や水分を取り過ぎると、調子がくずれてしまうので気をつけてください。また、脂っこい物や味の濃い物もさけましょう。


脾を養う食事については、また明日。今日もいい1日でありますように。


春月の『ちょこっと健康術』-バラ