「心は身体の主人である。だから、平静であるようにしなければならない。身体は心の下僕のようなものであり、大いに労働させるべきである。心が平静であれば、身体の主人である天君も豊かで、苦しみもなく、楽しむことができる。身体を動かして労働すれば、飲食したものは停滞せず、血気の循環はよくなって病気にかからない。」
「こころは安らかに、からだは動かして。」ということですね。
この中で、「身体の主人である天君」という部分、よく意味が飲み込めず、原文を見直すと、「心やすくしづかなれば、天君ゆたかに、くるしみなくして楽しむ。」とあって、シンプルに「天君」でした。ん~~~。
東洋医学において人体は宇宙や自然と一体ですから、天はおそらく自然界をさすのではないか、君は敬称として天につけたのではないか、と想像することもできますが、ここは「天君」イコール「心」なのでしょう。
『養生訓』の原文はこちらでどうぞ→学校法人中村学園 『貝原益軒:養生訓ディジタル版』