7000万円の『壁』-3 | はるぶーのマンションヲタクな日々

はるぶーのマンションヲタクな日々

マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、
管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。(多いはず)
なのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。

 シリーズその1では実需でローンで買う人にとってはグロス価格7000万円に”壁”があるのではという話 
 → http://ameblo.jp/haruboo0/entry-11940589761.html
 
 その2では、湾岸マンションの検討者の年収分布を、最新の国民生活調査とあわせて湾岸タワーなどの検討者の年収分布は、全国の世帯年収分布を1000万円あたりで切り落とした上の部分と同じとみなせるという話まででした。
 → http://ameblo.jp/haruboo0/entry-11941588242.html
 
 2週間ぶりですがその続きです。
 
 東京だけのマンションの平均価格は約6000万ですから、とんでもなく敷居の高い話をしているわけでもないわけで、6000がいけるなら、上げ相場なら7000でも簡単にいけるんでは??って思いがちですが、その上を”実需”で”ローンを組んで”買う40才程度までの層は結構薄いんではないかな...ってのがこの第3回の主張です。
 
 その2をもとに、購入されるマンションの年収倍率を5倍程度だと考えて、4000万/5000万/6000万/7000万/1億以上のマンションの、2013年度の首都圏での供給戸数と、それを1/5した、世帯年収800/1000/1200/1400/2000万以上の世帯数(これは全国)の分布を比較してみたのが下の図です。  

 
 例えばのらえもんさんのブログでは、40才前後、世帯年収1000万というあたりを想定の対象読者層として書いているとでてきます
 
#実際には湾岸タワーの検討者の平均年収は1150-1200万くらいで、プ
レジデントや東洋経済などの読者の平均年収に近い。
夕刊紙によくマンション暴落?って記事がでていたりしますが、読んでいる人の大半はちょっとくらい
値下がりしてももともと買えないような・・・ いや、このネタはやめときましょう。

 
 世帯年収1000万以上の世帯の割合は表から読み取れるように11.6% これが概ね5000万円を超えるマンションの購買層だと思って、2013年に首都圏で新規販売された新築マンションで、値段が5000万円を超えるものの戸数が19,454戸。
 
 このおのおのを1だと思って、 マンションの値段および、その1/5以上の世帯年収をもった人数の世帯数割合を横に並べて比較してみると、閾値を上げていったときの想定される購買者層の細り方にほぼ比例して、供給されるマンションも少なくなっていることがわかります。
 両者がほぼ同じ分布を持っていることから、年収800あたりが4000万、年収1000あたりが5000万、年収1200あたりが6000万、年収1400あたりが7000万のマンションを「ローンを組んで実需で買う」層の人数的な”厚み”を表していると思ってよいでしょう。
 
 首都圏の世帯数は1700万世帯ほど、本当は東京にはお金持ち割合が高いからざっくりでしかないけど、1/9ほどが世帯年収1000万超だと思って、まぁざっくり1000万円超えは首都圏で200万世帯ちょっと。世帯数に対する分譲マンション住まいの割合を表すマンション化率は首都圏全体で20%程度ですから、一生の間にどこかでマンションが必要になり5000万超えくらいのを買うであろう世帯数が40万世帯と思うと、まぁ2013年の供給数約2万というのは妥当な範囲内で、リーマンショック前の総マンション供給8万戸とかの数字の方が過剰だったかなと思えます。
 
 表の意味するところは、ついこの間までできあがりグロス5000万だった地区が、値上がりなどで6000万円になるともともとそこを検討可能だった人の4割は他をあたるしかなくなり、7000万円になるともう2/3があきらめてほかにいくしかない。(1/3に減った対象者を相手に売りさばくしかない)
 
 マンションの値段は、リーマンショックではじけたミニバブルの後も高止まりしています。市況が上げ相場になると上がるときは1-2年であっという間に上がりますが、落ちるときはそんなに急にはいかない価格の下方硬直性がある。 じゃーなんとか頑張って買いましょうと思っても、収入のほうが1年で何割も上がる人はそうはいません。 7000万なんてグロスの部屋をずらりと並べると、うげげでカタギの人はもう逃げちゃうから、なんとか6500くらいにしましょうねと思うと、坪単価が高いなら部屋は狭くするしかありません。
 
 湾岸でいえば...おのおの時期はずっと変わりますが
■The Tokyo Towers のSea/Midタワーの角部屋は120㎡超えでしたし、
■ケープタワーは、Yの字の角になってる部屋が100㎡くらいだったかな。
それがだんだん狭くなってきて、
■パークシティ豊洲ではB棟80㎡西向き、
■さらに最近はタワーマンションの角部屋なのに70㎡そこそこしかないなんて
タワーがとても多くて、まぁ超豪華に共用部つけていますけど、タワーの角部屋が70㎡ってのはちょっと手狭な感じなのは隠しようはありません。 
 まぁ湾岸に限った話ではなくて、なぜか私のブログの全エントリー中一番たくさんアクセスのある武蔵小杉のタワーなんかもほぼ1平米100万でぎりぎり70㎡で7000万に収めてきているのは同じです

..じつはここに書いた湾岸タワーの歴代の部屋は中層ちょい上、眺めも標準的にお見合いはなんとかない程度で全部"新築時”の正札は6500万ほどですね。もともと格安と当時から思われていたのを並べてはいますが。
グロス価格での壁を意識して、坪単価が上がったらだんだん狭くしてきたなぁというのをとても感じるわけです。
 
 その2のコメントに以下のような書き込みがありました:
 
ーーーコメント引用
 世帯年収1500万から先が細ってるのがすごく感覚とあっています。
マンションを買う30代だと、一馬力で1500万超はほぼレアケース(大企業の部長職に30後半で最速出世してもどうかってレベル。基本は勤め人じゃムリ)。
2馬力1500万なら、1000万(大企業課長級)+500万(大企業育児時短)でいけるから、ある程度ボリュームが居るのでしょう。
二馬力でもそれ以上になると子供なし+両方管理職レベルになるから30代だと少数派(30代で子供なしって断言できる人はほとんど居ない)
具体的に購入者像を考えたら、7000万が壁になるのも実感できますね。
ーーーーーーここまで

 
 私の実感もこれに近くて、普通の勤め人の夫婦で両方フルタイムで1500あたりから先って人数細っていそうだなぁとは。 8000万~1億ともなれば、お金持ちのキャッシュ買いか、最近スタイルアクトの沖さん推奨の資産の付け替えの世界中心で別に面積を刻んだり、内装は石張り・突板はやめとかまでして避けなくてもよいのかもしれませんが、ちょうど坪単価で300-330あたりを超えようとするグロス7000あたりが特に難しいのではないかと。
 
 では実際にちょうど7000万あたりのマンションは供給戸数が少ないのかどうか?
 住人の年収に坪単価が比例し、坪単価に管理費が比例するなら、坪単価帯で管理組合って違うのだろうか?
とかでまだ続きます。
 
!! 重要 !!
本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、
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