財政健全度指数 -1 ほぼ無料の駐車場設定の舞台裏 | はるぶーのマンションヲタクな日々

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マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、
管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。(多いはず)
なのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。

 マンションの販売にとっては、ランニングコストは安いほうが有利です。

 でも、それをあんまり前面に押し出して、組合にとって奇形な収入設定を行っていると、あとで管理組合が苦労することになります。すぐにも値上げが必要になって、総会に提案したら、なにせ”値上げ”ですから紛糾しますし、元々の設定が腐っていたんだよー私達はなにも悪くないんだよーとか宣伝しまくっても、どうしても管理組合理事会が悪者になっちゃうってのがなかなか防げないから。
 
『後で組合による大幅な値上げが必要でない』初期設定で売るのが、良心というもの。
 
 今日 Twitter で話題になっていた日経の記事で、
『月1万5000円安 維持管理費抑えたマンション、1期完売』
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK11011_R10C13A7000000/
 というのがあってどういうマジックなのかと見てみたら、安くなっている金額の実に2/3が、周辺のマンションより1万円も安く、ほぼ無料に設定されている駐車場のせい。
 
# きょうび節水トイレくらい当たり前だし、ケーブルTV代は交渉すれば安くなるもんで480円も払っているほうが少数派な気がするから、ここにでてる表ほかのも疑問な数字がいくつもあるけど、今回は駐車場代に集中しましょう。
 
 全戸分平置きで確保されているから、ランニングコストが安くすむんで無料に近くてもまぁ、パズル式の機械式駐車場を”ほぼ”無料設定するよりはまし。さすがに最近はほぼ無料の機械式駐車場ってのは滅多に見かけなくなった。駐車場の更新費用こみでの受益者負担で設定して月1万円未満ってのは通常ありえません。
(参考 http://ameblo.jp/haruboo0/entry-11192998922.html )
 
 でもこのマンションの管理組合は果たして駐車場収入なしでやっていけるのか?という点は記事だけでは明らかではない。駐車場代が安いというのは、”それが理由でここを買ったんだ!”って人が必ず現れますから、あとから組合が値上げってのは至難でしょう。
 
 駐車場代は、きっちり相場並に徴収していれば、そのかなりの部分を修繕費会計に充当してその値上げを食い止める方向に利用可能です。RJC48でも神セブン級と呼ばれる辣腕理事長は全員管理費は削るだけ削って、駐車場代を少しでも沢山修繕費に積む改革を実行している。
 
 ランニングコストが安いを売りにするのであれば、組合全体の収入をみて、修繕費側に対しても総収入が足りているのかを確認しなければなりません。
このマンションのHP はここで
  http://www.l-185.jp/ 
 現在販売中の住戸の修繕費は、75.65㎡の部屋の修繕積立金が4920円ですから、1㎡あたり僅かに65円です。管理費は1㎡単価に直すと 129円で、駐車場代は400円平均ということで、これも面積換算すると、1㎡あたり5円にしかなりません。
結果として、このマンションの組合からみた収入は、管理費+修繕積立金+駐車場代のすベてを併せて専有面積1㎡あたりわずかに199円しかないことになります。
 
 理事長の会RJC48の加盟マンションの数字でみてみると、殆どのマンションでこの数字は1㎡あたりで300円を超えていて、本当にこの収入でずっとやっていけるのかな?と思えばすぐにも、修繕費側で大きな値上げが必要になるのが見えています。
 
 この管理費・駐車場代の水準で、この一部を初期設定で修繕費の積立に回せる筈はないですから、今後必要になる大規模修繕などに備えた工事費用はすべて修繕積立金の今後の値上げで補わないといけないことになります。
 
 長期の修繕費用ってどのくらいかかるの?って目処には、最新の
『マンションの修繕積立金に関するガイドライン』
 http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/mansei/manseikanri.htm
を見るべきでしょう。15F未満、10000㎡超え、機械式駐車場なしの条件で、このマンションに必要な修繕積立金の額は、178円/㎡/月となります
(この数字消費税5%での計算なので、10%だと186円)
 
 販売時一時金を若干多めに積んでいるとはいえ、ざっと専有面積あたり120円の不足があると考えられるわけで、早期に均等割に移行しましょうとなった場合に、想定される積立金の値上げ幅は月9000円。駐車場代を相場まみに設定して”いない”せいで、そこで安くした分くらい、すぐにも修繕費で値上げするしかないわけです。
 
 このマンションを買う人は、”ランニングコスト”が安いですよと言われて買ったんとおっしゃるでしょうから、もう駐車場代を値上げして数字を合わせるのは難しいでしょう。結局、駐車場代を相場よりはるかに安く設定したつけは、修繕費の大幅値上げで補うしかないわけで、これで適性に”維持管理費を抑えた”マンションであると宣伝するのが妥当かといえば私は疑問です。

 駐車場代がいくらで、それをどう管理費・修繕費に割り振っているかで見た目の管理費は大きく変わるので、
私は財政健全化指数ってのを提唱しています。
 駐車場代の実収入も面積割して、専有面積・ひと月あたりに直しで、組合の主たる収入である、管理費+修繕費+駐車場代の合計を面積あたりでみて、管理組合の専有面sきあたりの月収として、
その多寡で組合財政の健全度を測ろうというものです。
 
 これでRJC48の加盟マンションを見ると、加盟の殆どのマンションが300円/㎡/月を超えています。1㎡199円ですべてをやるにはたりないのは明白に思えます。
 すぐにも大幅な値上げが必要な初期設定をもって、ランニングコスト安いですよで売っちゃうというのはいかがなものかな。まぁこの程度の設定のマンション、事例としては珍しいというわけでもありませんが、コストを抑えていますの大半がほぼ無料の駐車場ってのはちょっとねと思うわけです。
 
 いけてない事例だけではフェアーではないと思えるので、その2では健全な初期設定が売主・管理会社によって行われている事例をこれも実名でとりあげようと思います。
 
Disclaimer: このマンション、もしくはその購入者に含むところがあってこのブログを書いているわけではありません。ただし、この設定をして”安くですみますよ”というのはどうみても正直な売り方には思えないので実例でとりあげてみました。
 
 このエントリーに勘違いなどがある場合、ご指摘は haruboo0@gmail.com でお受けします。
 
 
 理事長の会 RJC48の加入はいつでも募集中です。
 こちらからどうぞ。。。

  http://rjc48.com   (RJC48への参加から)


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