Seconds Away | そういえば、昔は文学少女でした。

そういえば、昔は文学少女でした。

クリスマスと誕生日に一冊ずつねだった、「世界少女名作全集」。図書室の本を全部借りよう、と思ってた中学時代。なのに今では読書時間は減る一方。ブログに書けば、もっと読むかも、私。という気持ちで始めます。洋書から雑誌まで、硬軟とりまぜ読書日記。

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大好きなマイロン・ボライターシリーズの姉妹編というかスピンオフというか・・・、マイロンの甥っ子ミッキーを主役にしたミステリー。高校生たちが主人公の、ヤングアダルト小説。日本で言うとライトノベルということでしょうか。サクサク読めてキャラクターたちもユニークで面白いけど、テーマはかなりハードで重いです。


世界トップクラスの元プロテニスプレーヤーを母に持つミッキーですが、若すぎる結婚、出産ゆえの重圧にいろんな事情が重なって、母はドラッグ中毒になり、とある施設でリハビリ中。父は自動車事故で命を落とし、ひとりぼっちのミッキーは、やむなく伯父マイロンと暮らしています。


マイロンが弟の恋愛と結婚に猛反対し、そのことからこじれた兄弟の絆、十数年も消息すらわからなくなっていた弟ファミリーとの確執・・・このあたりは、マイロンのシリーズ最新作「LIVE WIRE 」で描写されています。でもミッキーからしてみれば、両親を苦しめた張本人である伯父と、素直に打ち解けるわけにはいきません。でも彼には伯父と共有する世界がありました。それがバスケットボール。幻のスーパースターだったマイロンから、彼は確かに才能を受け継いでいたのです。どんなにつらい局面にいても、ひとたびコートに立ってボールを追えば、すぐに別世界へ没入していけるのでした。


新しい高校で、太めのゴス少女エマ、ヘンテコオタク少年スプーンと仲良くなったミッキーは、いわゆる学校のメインストリームから外れて、でもそれなりに適応して生活しています。

でも、美少女レイチェルが狙撃され、彼女の母が殺害された事件から、何か大きな渦に巻き込まれていくことになります。アウシュビッツの生き残りといわれる謎の老女バット・レディーの不吉な予言、「蝶」のアイコン、そして自らの父の死の真相にも疑惑が・・・


友情と正義のために、ミッキーがおこす行動、決断が、必ずしも良い方向に転がっていくとは限らない。マイロンの助言や忠告が、でも渦中のミッキーにはまだわからない。そして悲惨な出来事や、残酷な真実に直面して、彼は果たして・・・


手に汗握る展開が連続して、あっという間に読み終わりました。しかし物語は途中。そうです、「続く!」で終わっちゃったんだよー。次を待たなくてはなりません。

というか、私は途中で重大な過ちに気づいたんですが、ミッキーものはこれが1作目じゃないんですよね。「SHELTER」っていう前作があって、そこからのいろんなつながりを経て、この話になっている。だからところどころ意味不明なこと、え、その説明なしなの?っていうところがあったんだわ。


というわけで、続編が出るまでとりあえず、前作のSHELTERを読んで待つことにします。