Before I Go to Sleep | そういえば、昔は文学少女でした。

そういえば、昔は文学少女でした。

クリスマスと誕生日に一冊ずつねだった、「世界少女名作全集」。図書室の本を全部借りよう、と思ってた中学時代。なのに今では読書時間は減る一方。ブログに書けば、もっと読むかも、私。という気持ちで始めます。洋書から雑誌まで、硬軟とりまぜ読書日記。

Before I Go to Sleep/S. J. Watson
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最初から最後まで、息もつかせぬスリリングな展開。ハラハラドキドキ、楽しめました。


ある朝目覚めたら、隣に知らない中年男が眠っている。彼の薬指には結婚指輪。あー、しまった、思い出せないよー、ここはどこ、この人誰?という幕開けの物語ですが、始まった途端に「ええええええええ?」と驚く方向に向かいます。だって、20代の若い女子のつもりだった「私」は、洗面所で鏡を見てビックリ仰天。40代の顔をしてるんだから。そして、思い出せないのは場所と男だけでなく、そもそも自分が誰なのかさえも、全くわからないんだから。


やがて目を覚ました男から、「君は僕の妻のクリスティーン」と言われてまたまた驚愕。家の中を案内されても半信半疑。そして今度は精神科医を名乗る男から電話がかかり・・・


彼女は10数年前の「事故」で一命をとりとめたものの、重度の記憶障害が残り、わずか1日しか記憶が保てない状態らしいのです。ガーンとショックを受けて、一晩眠ると、また「私は誰ここはどこ?」と何も覚えていない。「君は僕の妻のクリスティーン」と教えられる日々を繰り返します。


でも、ドクターから日記をつけることを勧められた彼女は、彼の助けを借りて、その日知ったことを書き留め、翌日にそれを読んでまた新たな出来事を記していくことで、失われた年月の記憶を取り戻そうとしていくのです。


いろんな疑問や矛盾が出てきます。私はかつてどんな仕事をしていたのか。この男性は本当に自分の夫なのか。夫婦仲はどうだったのか。私たちに子供はいたのか。自分がこんな風になってしまった事故の真相とは、どのようなものなのか・・・夫やドクターに尋ねて得られた答えは、真実かもしれないけど嘘かもしれない。さらに、何も思い出せないはずなのに、突然フラッシュバックする過去の映像や強烈な感覚。でもそれは「記憶」ではなくて、自分の「幻覚」だという可能性もある。


何を拠り所に、誰を信じて、どこに向かえばいいのかわからないクリスティーン。辛抱強く彼女を見守る夫ベンとドクター・ナッシュ。一体結末は・・・怖いです!明日の朝起きて自分が誰だかわかるかな(>_<)!