フォグ・ハイダ

森博嗣 中央公論新社 2,014年月


フォグ・ハイダ - The Fog Hider/中央公論新社
¥1,944
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「勝てない」――旅の途上、森の中でゼンを襲った山賊。その用心棒たる凄腕の侍には、やむにやまれぬ事情があった。変化する第四巻。

ヴォイド・ジェイパ    ブラッド・スクーパ     スカル・ブレーカ に次ぐ4作目



峠で山賊に会うゼン。身を守るために山賊の腕を斬る。後ろに控えている侍は強いようにみえるが、もう義理がなくなったと襲ってこなかった。
ゼンが止まる宿に、チハヤとノギが来る。
ゼンは峠で出会った侍のことが気がかりだった。

一人で立ち向かうのではなく、今回は、助太刀をするかたちの戦いがあった。もちろん、ひとりで戦う場面もあったが・・・・・
ゼンは、戦うことで、確実に強くなっていると思う。

戦いの場面は、静寂の中にはりつめた緊迫感が感じられた。

戦いの後、けが人、亡くなった人はどうするのか?
映画やTVドラマでも斬りあいのシーンはあっても、そのあとのことは描かれていないなあ、とふと思う。
ゼンたちは、けが人を医者の所に運び、死人を寺に頼む。

人を斬ることは、必然にせまられて行っていることであり、斬った相手に恨みはないということだ。

ゼンは考えをめぐらす。

罪とは心を入れ替えただけで帳消しにならない?

武士だから斬る。強いものと戦いたいと思う。人を斬ること、剣の道とは?考え続けるゼン。

出世の価値とは?ということを考えるうち、生き価値とは?

みんな同じではない。答えの出ない疑問に対してゼンは考えをめぐらす。


都にはなかなか着けそうにないなあ。


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