スカル・ブレーカ

森博嗣 中央公論新社 2013年4月


スカル・ブレーカ - The Skull Breaker/中央公論新社
¥1,890
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誰より強くあっても、すべてを知っていても、死ねば消えてしまう。それなのに、何故求めるのか。そう…。立ち向かおう。いつも、命を懸けて、ただ剣を振れば良い。生きているから、恐くなる。しかし、剣を持てば、もはや生きた心地は消える。だから、恐くない。


ヴォイド・ジェイパ   ブラッド・スクーパ に次ぐ3作目。 

ゼンは都へ向かう途中で、侍同士の斬りあいに出くわす。それを男が止めようとするが、そこに居合わせたゼンは、成り行きで城に連れていかれ、木刀での試合をすることに・・・・・

城を出ることができたゼンだが、9日後に会いたいというつけぶみをもらったため、しばらくはこの土地にとどまらざるを得なくなる。そして、事件に巻き込まれてしまう・・・・・・・

いつの時代も権力に任せて、自分のものにしようとする悪い者はいるもので・・・・・・・・


剣を抜いて強さをみせるよりも、剣を抜くことをやめることの方が勇気がいるということもある。

強さを隠すことができるというのは、本当に強いということなのかも・・・・・・


意外な人との対面には、びっくり。
読者は、気付いても、人間関係に疎いゼンには、言われるまでわからなかったのだろう。

男女の関係に疎く、言葉どおりに受け取るゼンと三味線を弾くノギとのやりとりが笑えた。



山奥で育ったゼンが、世の中のことが少しづつわかってきて学習していく様子がおもしろい。

すっかり、このシリーズの虜になってしまった。この先が楽しみ・・・・

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