ご質問


いつも、ブログ拝見しております。
現在、41歳で、体外受精をしておりますが、
染色体異常ばかりです。
夫婦で、染色体検査実施しましたが、異常ありませんでした。
また、生理周期が長く、採卵に向けて、ホルモン剤を注射しますが、卵胞の育ちが遅く薬の反応も悪いです。


何か、有効な改善策あれば、アドバイスよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

お答え

 

いつもハナブロをお読みいただきありがとうございます。

ご質問ありがとうございます。


ご質問の内容をまとめてみますと、
①着床前診断の是非
②卵巣機能の向上
の2点になるかと思いますので、それぞれについてお答えします。

①について
着床前診断で染色体異常が多くなるのは、年齢から考えるとある程度仕方ないことです。
ただ、この検査には限界があることも事実です。
そもそも着床前診断とは、胚盤胞から数個の細胞を取り出し、遺伝子を増幅して染色体の個数を評価するというものです。
つまり、評価されない細胞が相当数あります。
そして、異常胚とされた胚盤胞でも、残りの細胞をすべて調べたら正常細胞が一定数含まれていることが分かっています。
その正常細胞が生き残り、異常細胞が淘汰された場合、正常に発育すると考えられます。
 

ですので、質問者さんの場合、「着床前診断をせずに移植する」という選択肢を考慮しても良いかと思います。

もちろん流産の可能性は避けられませんが、最終的に出産まで至るには、そちらの方が可能性が高くなる可能性もあると思います。

 

着床前診断で染色体異常胚盤胞ばかりの時には、考慮してみて欲しいと思います。

②について
非常に難しい問題です。
卵巣機能は「卵子の数」と「卵子の質」と言い換えることができますが、
「卵子の数」は増やせませんので、どうしようもありません。
ですので、「卵子の質」を向上させることが目標になりますが、魔法のような一手はありません。
バランスのとれた食事、適度な運動、禁煙、十分な睡眠、ストレスが少ない環境など、条件を整えて少しずつ確率を上げるしかありません。


あとはサプリメントの摂取ですが、卵巣は加齢とともに酸化ストレスに晒されますので、抗酸化作用を持った物質を摂取するのが良いと考えられます。
メラトニン、DHEAなどですね。最近ではPQQという物質も注目されています。
 

通院されているご施設で相談されてみてはいかがでしょうか。
 

 

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文責:[医師部門] 江夏 国宏  [理事長] 塩谷 雅英

 

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