体外受精を検討されたり、実際に治療を受けられた方は、着床前診断(PGT)という言葉をお聞きになったことがあるかもしれませんね。

 

今回から、数回に渡りまして着床前診断(PGT)についてご紹介していきたいと思います。


● 着床前診断(PGT)とは
着床前診断(以下、PGT)は、体外へ取り出した卵子を精子と受精させ、体内に戻す前の“胚”と呼ばれる状態でその胚の遺伝情報を調べる検査です。

 

当院は、この着床前診断を行うことを日本産科婦人科学会に認定された施設であり、現在は臨床遺伝専門医5名と認定遺伝カウンセラー1名で対応しております。
 

 

● 着床前診断(PGT)の種類 
 PGTは、現在医療行為としておこなわれるもの(PGT-M, SR)と、臨床研究としておこなわれるもの(PGT-A)の2種類に大きく分かれており、当院では双方どちらにも対応が可能です。
  
PGT-M : Preimplantation genetic testing for monogenic/single gene defects
  対象:医学的に重篤な単一遺伝性疾患(例:デュシェンヌ型筋ジストロフィー など)が遺伝することでお子さんがその病気を発症する可能性のあるご夫婦。
 

PGT-SR : Preimplantation genetic testing for structural rearrangement
  対象:ご両親の染色体に形の変化があり、2回以上流産(※1)を繰り返しているご夫婦
   ※1…化学流産(胎嚢が確認される前の流産)や人工妊娠中絶は回数に含まれません。


PGT-A : Preimplantation genetic testing for aneuploidy
   対象:移植を繰り返しても妊娠が成立しない、流産を繰り返している、(妊娠歴に関係なく)ご両親の染色体に形の変化があるご夫婦が対象なります。

 

 2020年4月1日に、当院は日本産科婦人科学会より着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)の臨床研究を行う施設として認可を受けました

 

臨床研究の実施にあたりましては、研究に参加されない方からも研究に参加される方の比較対象として情報をご提供いただきたいと思います。

 

くわしくは、こちらをご参照ください。


 

 

 

 

次回からは実際に着床前診断(PGT)をお考え、ご希望の方へ、それぞれについて必要なことなどのお話をしていきたいと思います。

 

 

関連する記事もご参照ください

着床前診断(PGT)について② 医療行為として行う着床前診断(PGT-M, SR)について

着床前診断(PGT)について③ 臨床研究として行う着床前診断(PGT-A)について

着床前診断(PGT)について④ PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)実際の流れについて

着床前診断(PGT)について⑤ PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)における検査結果について

着床前診断(PGT)について⑥ PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)の限界について

着床前診断(PGT)について⑦ PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)のメリット、デメリット

着床前診断(PGT)について⑧ PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)よくあるご質問とお答え

 

文責:

[培養部門] 塚本 樹里 石田 詩織 薄田 早季

[認定遺伝カウンセラー] 中原 恵理

[不妊コーディネーター部門] 山本 健児  [理事長] 塩谷 雅英

 

 

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