ガリレオの実験とエミリーの実験〜時をこえて | ひろじの物理ブログ ミオくんとなんでも科学探究隊

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エミリー

 

 ゲーム「ガリレオ島の秘宝」にはガリレオが研究した等加速度運動の問題がいくつか登場します。

 落下運動の本質が加速運動であることをさまざまな実験によって見抜いたガリレオですが、今回「新科学対話」を読んで、興味をひかれたところがあります。残念ながら、「ガリレオ島の秘宝」にその話題を盛り込むことはできなかったのですが。

 

 落下運動が加速運動である、つまり落下するにつれ徐々に速度が増していく運動であることを、ガリレオが簡単な実験によって証明するところが、「新科学対話」(岩波文庫)下巻の「第三日」の最初の方にあります。

 

 杭を地面にさし、その1キュービット上から物体を落としたときの杭の沈み方と、2キュービット上から物体を落としたときの杭の沈み込み方を比較し、2キュービットの方が深く沈むことを示します。さらに、4キュービットだとさらに沈み込むことを示し、その原因が落下距離が長いほど物体が速くなり、衝突の衝撃のために深く食い込むことになると説明。

 

 実験も論理も非常に明快です。

 

 そして、この実験は、以前扱った話題「エネルギーとロマンス」に登場した、エミリー・デュ・シャトレが指揮した、運動エネルギーの正体を探る実験と同じなんですね。

 

 あちらは、杭にぶつけず、落とした物体が柔らかい地面にどれだけ食い込むかを測定していますが、基本原理は同じ。

 

 時をこえて、ガリレオの落体運動の実験が、運動エネルギーの形を追求する実験として蘇ったんだなあ・・・と感動しました。

 

 エミリーの元でこの実験をした科学者が果たして「新科学対話」を読んだのかどうかは不明ですが、インスピレーションをそこから得た可能性はありますね。

 

 ガリレオの「新科学対話」については、もう少し詳しく読んでから、いろいろと書いてみたいこともあります。

 

 ガリレオが空気抵抗の存在をよく理解していたというのも有名な話ですが、今回「新科学対話」を読んでみて、それが生半可な理解ではなかったこともわかりました。「第一日」で、水中の実験と比較するなど、かなりのページ数をさいてさまざまな実験と解釈を試みています。

 

 それに、有名な一休さんの「釣り鐘を指一本で揺らす」共鳴実験も、なんと「新科学対話」に載っていました。これはびっくり。

 

 うーん・・・やっぱり、これも「ガリレオ島の秘宝」に入れたかったなあ!!!

 

 

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