何故小沢民主党との融和が図れないのか | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

民主党の小沢一郎氏の言動には、どうも近親憎悪的な要素が多い。

彼ほど敵を明博に認識している政治家は少ないとも言える。

これは敵、あれは味方、と瞬時に選り分け、敵を徹底的に潰す方策を探す。


もっとも、自分自身にはそれほどの戦略はなさそうだ。

知恵が足りないところは、敵を叩きのめす方策を考えろ、と指示だけする。

なにか局地戦争を戦っているような感じである。


誰のために戦っているのか、そもそも目的がない。

戦いに勝利した後、何をするのか定まっていない。

ひたすら当面の戦いで相手を倒すことだけを目標にしている。


あれこれ考えないから、戦いのしぶりは見事なものだ。

相手の弱いところ、手薄なところを攻めろ。

その一点だ。


大局観があるわけではない。

理想があるわけではない。

国家観があるわけではない。

戦いが自己目的化している。


今朝の産経新聞に、民主党の鳩山由紀夫幹事長が記者に対し、後期高齢者医療制度の廃止法案提出に関し、「小沢一郎代表から基本法のようなものでいいから、できる限り早く出せ、との指示がある」と述べた、という記事が出ていた。


どんなものでもいいから、とにかく出せ。

相手が絶対に呑めないような法案を出せ。

どこかで聞いたような台詞である。


財政的に崩壊の危機にある国民医療保険制度の改革案を提示しないで、まずは政府が実施した後期高齢者保険制度を廃止するだけの法案を作れ、という指示である。

代替案がないままに、政府与党を追い詰めるためだけに廃止法案を出せ、と言うのである。


猪の牙を見るような思いがする。


猪突猛進。

ひたすら自民党を倒すことに命を懸けているようだ。

自民党で幹事長を張っていた、古いタイプの自民党政治家の典型が小沢一郎氏である。


その小沢氏が、自分がいなくなった後の古巣を壊そうとしている。

何故だろうか。

かつての同士が沢山自民党にいるのに、何故自分が育った自民党にあれだけ激しい敵意を示すのだろうか。


その時々の世論に迎合するように、キャッチフレーズだけを並べ、政策全体の整合性や実現可能性などはまったくそっちのけ。

国民のために今何をなすべきか、ということを懸命に考え、頭を低くして、丁寧に話し合いを求め、よりよい政策を実現しようとしている福田内閣と、なにが何でも福田内閣の足を引っ張り、衆議院の解散総選挙に追い込もうとする小沢一郎氏。


これでは、接点の見いだしようがない。


そうか。

やはり、これは小沢一郎氏が自民党に近親憎悪的な感情を抱いているからだ。

そう考えざるを得ない。


日本の国民にとっては、不幸な事態である。


政治家はもっと自分たちのことを考えて貰わなければ困る。

身内の戦いをしている場合じゃないでしょう。

私には、そんな声が聞こえてくる。