ガダルカナル戦書籍一覧


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2012年 ガダルカナル島御慰霊行 目次
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山月丸 より続いております。

現在地はガダルカナル西部戦跡、山月丸擱座位置


次の目的地、山浦丸擱座位置へ行く前に幾つかの訪問せねばならぬポイントを思い出し、近くにビル村戦争博物館があることを知っていたので案内人のノニに案内を頼むと・・・

どうも場所を知らないらしく・・・
「内戦の時にマライタ人に襲撃され今は無い」
とのたまう。

どうしても行きたい所でも無かったのでそのまま寄らずに来たものの、やはり案内人には得手不得手がありノニの地元ギフ高地以外はあまりアテにならない。
事前研究を怠っては戦跡を探し出す事は難しいのであります。

ビル村戦争博物館訪問を諦めてもう一つのお邪魔せねばならないポイントは山浦丸擱座位置手前に位置するドマ湾であります。

ドマ湾には舞鶴海軍第四特別陸戦隊第二・三中隊が海岸防備にあたっていた地点であります。

舞鶴鎮守府第四特別陸戦隊主計長 海軍主計大尉 荻野 輝三 著 「第二次大戦回顧」より
発刊日不明

舞四特の資料は少なく↑の資料とweb上で発見した国分虎夫氏の舞鶴鎮守府 第四特別陸戦隊の足跡しか自分は目にしたことがございません。

国分虎夫氏の残された舞鶴鎮守府第四特別陸戦隊のガ島戦を纏めてみると・・・
舞鶴第四特別陸戦隊
昭和17年10月6日、駆逐艦「浦波」他により140名タサファロング上陸。
昭和17年10月8日、潜水母艦「日進」駆逐艦「秋月」他により舞鶴第四特別陸戦隊司令笹川濤平中佐以下181名タサファロング上陸。
昭和17年10月9日、駆逐艦により三ヶ月分の食糧と共にカミンボ上陸。上陸人員不明。
昭和17年10月9日、軽巡「龍田」駆逐艦九隻により400名タサファロング上陸。
昭和17年10月11日、駆逐艦「吹雪」他五隻により289名タサファロング上陸。
昭和17年10月15日、舞四特の軍需品を積載していた輸送船「吾妻山丸」タサファロング擱座。
昭和18年2月1日、カミンボよりガ島撤退。
昭和56年3月、ガダルカナル舞四特戦友会結成。
昭和60年5月、舞鶴海軍基地に招待魂の塔建立。

海軍主計大尉 荻野 輝三氏の著書には
舞鶴鎮守府第四特別陸戦隊八百余名上陸成功
とあるので一個大隊の戦力。
うち二個中隊が山月丸擱座位置付近よりドマ湾一帯の海岸防備に就いていた事が氏の著書要図より読み取る事が出来ます。


↑要図をグーグルアースに書き込むと↓こうなります。

あらためて二個中隊が広範囲の海岸を防備していた事に驚きます。
また、昭和17年10月末には布陣完了していた筈なので11月15日早朝の山月丸揚陸から帰投、反転擱座までの一部始終を目の当たりにしていた事が覗えます。
尤も布陣している将兵には眼前の光景しか目に入らないので山月丸の動きを全て把握していたとも思えませんが各陣将兵の証言を繋げば一部始終という事になりましょうか。

自分がお邪魔したドマ湾の座標は
09 19.360S, 159 48.360'E
グーグルアースに座標と舞四特の布陣位置を書き込むと↓こうなります。


座標位置より撮影した現地写真
東方ドマ岬突端には見張り員が配置されていた筈


左湾内に目を向け、正面密林内には下士哨


そして田中隊の軽機関銃×2 重機関銃×2が湾内を睨み

此の地からの米軍上陸を阻止せんと監視警備されおられました。

視線を右に転じればドマ湾西方突端、杉間隊の軽機関銃×3が布陣した位置

この突端やや東方が山月丸揚陸地点

正面に視線を戻せば・・・

数々の海戦が行われた鉄底海峡

第一線ではなく後方警備に専念した舞四特もまた連日の米軍機空爆・銃撃・艦砲射撃、飢餓・病魔により上陸人員800余名、無事ガ島撤退の叶った将兵凡そ200名。

最前線で敵と対峙した部隊に比べれば生還者の多い部隊と言う事になりますが此の損耗率であります。
此の地に於いて冥府へと旅立たれた舞四特・輸送船乗組員・輸送船高射機銃要員であった印度義勇兵・・・皆々さまへ追悼申し上げます・・・合掌

つづく


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石坂准尉の八年戦争さま
と相互リンクさせて戴きました。



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