ガダルカナル戦書籍一覧


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↓ガ島中央戦跡要図
ガダルカナル Guadalcanal


作文 従軍慰安婦・慶子
十三日の 西山日誌
十三日の 若林日誌
十一日の 亀岡日誌
十三日の アウステン山の記録
十二日の 堺台第一拠点の記録
堺台第二拠点 歩228連隊12中隊のガ島戦


現在地、日本軍呼称堺台第一拠点
歩228第一大隊(早川大隊)第三中隊(小崎隊)
小崎中隊長の記録
(歩228連隊史より概略)

昭和十八年一月十三日
我陣地右方の第三大隊見晴台陣地及び左前方の第三拠点(二中隊)、左後方の第二拠点(一中隊)も既に全員玉砕。
我中隊から第二拠点へ増援に出した村上少尉率いる一個分隊も同時に全員玉砕。
残るは我第一拠点のみであった。
※各陣とも米軍の浸透を許し苦戦中ではありますが玉砕には至っておりません

早朝から四中隊右第一線陣地に、また三中隊左第一線陣地へ左翼方向より肉薄して来た。
両翼陣地とも死力を尽くしての応戦に撃退し得たが、我陣全域に砲爆撃が集中され陣内は様相を一変しつつあった。

三小隊竹内分隊長、陣地前で敵地上部隊の監視をしていたので壕内に入り監視するよう注意すると
「中隊長殿こんなもの隣村のお祭り太鼓と思えばどうってことありません。中隊長こそお気をつけください」
と笑っていたが、遂に敵砲の直撃弾を受け壮烈な戦死を遂げた。
勇敢な兵士を失い本当に残念であった

同擲弾筒分隊は重野上等兵、伴時則一等兵が陣地を守っていた。
私は二小隊突角陣地へ進出、手榴弾戦を展開中に至近弾を受け左肩附近に「ズシン」と衝撃を受けたが打撲傷程度で済んだ。

我第一線で戦闘出来得る者僅か十数名、敵は包囲網を縮めて来る。
敵に兵力を知られては一大事、兵力を多く見せる為、敵の接近を待ち各兵二から三発の手榴弾を持ち機敏に移動しながらあちこちから投擲せしめ敵を撃退し、孤立無援の中陣地を死守した。
然し十二月下旬より食糧は欠乏し、特にこの十三日より水もなく精も魂も尽き果てた感であった。

現在のガ島上空から見た布陣図
三中隊の現在地は第一拠点となります。

ガダルカナル Guadalcanal

歩228第一大隊(早川大隊)第三中隊(小崎隊)
重野義夫上等兵の記録より概略

一月十三日
「敵襲」の叫び声と銃声によって眠りを破られた。
三小隊の自分には一小隊の陣地がどのように配備されているか判らず、敵の侵攻がどの方向から来るのかも判らず壕から出るのが躊躇われた。

こんな時、先頭に立って逸早く状況を把握し指揮をすべきK軍曹が壕の隅で震えながら私に「敵が来る、敵が来る、早く行け、敵が来たらどうする」と涙声で狂わんばかりに喚き、壕より出ようとしない。
平常時では人格者として人望もあり温和な方といわれ、半面厳格で過激なところがあった。
人というものは判らない、このように臆病者であったのか。

私は壕より飛び出した。
今の射撃は十三年兵の松原が撃った銃声であった。
彼は「敵襲があっても壕に篭って稜線上の配置につかない者がいる」と誰を指して判らないが敵襲は砲撃の後に来るもので時間も早すぎる。
彼の見間違いか錯覚か敵の接近の気配は無い。

三小隊に戻る。
竹内分隊長他一名三小隊稜線上の分哨勤務についた。
分哨は二~三名がやっと入ることの出来る申訳程度のチャチな壕である。
昼間は壕内で前面の敵を監視、夜間は一名濠り出て伏せの姿勢で敵を監視する。

今朝は早くより稜線上に迫撃砲による集中砲撃があり、頭上で炸裂するかと思えば山肌を抉り破片は飛び散り、生きた心地がしない。
竹内分隊長の分哨壕に直撃弾があり分隊長他一命即死。
二人とも中隊きっての大男で、体力にかけてはびくともしない二人が砲弾の前にあっけなく即死するものか・・・
決断力があり一番頼れる男、竹内甚四郎もとうとう逝ってしまった。
三小隊の今後はどうなるのか。

砲撃の後には敵の浸透があるものと憂慮された。
三小隊と左二中隊の中間に三百米の無人地帯があり敵の進出が認められた。
大隊本部への通路が遮断され水汲み場へも行けなくなってしまった。
悪いことに水汲みに行った兵、大隊本部より人事連絡に来る兵の戻る時間だ。
敵の浸透に気づき本部へ戻ってくれと祈るが手遅れだ。
帯剣ひとつ持たない栄養失調の日本兵を補足するのにどれほどの手間がかかろう。
擲弾筒を打ち込めばひょっとしいて敵は後退したかも知れない。

結果論では有るが、中隊幹部の無策が戦友の死を見守ることとなったのだ。
もし三小隊に勇気ある決断力ある歴戦の士官または古参下士官が居てくれれば戦友を見殺しにしなかっただろう。

戦没者名簿の一月十三日に戦死者が多いのは戦闘砲撃によるものではなく、敵の待ち伏せによる戦死者なのです。


1月13日より開始された米海兵第二師団の侵攻図。
ガダルカナル Guadalcanal
ヒル66とヒル81の間隙に侵攻した矢印があります。
この矢印が重野上等兵の三中隊、第一拠点と大隊本部・水汲み場を遮断したラインと思われます。
とするとヒル66附近が第一拠点と判断して良いのかも知れません。

小崎中隊長と重野上等兵の記録を併読致しますと、この日竹内分隊長を失ったことは三中隊にとって大きな痛手であったことが窺えます。

重野上等兵の
>三小隊に勇気ある決断力ある歴戦の士官または古参下士官が居てくれれば戦友を見殺しにしなかっただろう。
含蓄のある記述ですね。
現代の社会にもそのまま通じる処があると感じました。

つづく
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歩兵第十六連隊 連隊本部 最後の人事係 准尉  長谷川榮作さまのホームページ
ガダルカナル戦関連書籍 Guadalcanal
冥府の戦友(とも)と語る
お立ち寄り戴けましたら幸いです。



新発田歩兵第十六連隊の兄弟部隊である高田歩兵第三十連隊の従軍記録等を公開されているウェブサイト

ガダルカナル戦関連書籍 Guadalcanal
石坂准尉の八年戦争さま
と相互リンクさせて戴きました。



平成24年9月8日 日本青年遺骨収集団さま主催による ガダルカナル島「丸山道」自主派遣隊 の皆様がガ島御遺骨収集をされ7柱の御遺骨をお迎えされたそうです。
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○原発関連情報○

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文科省発表 → 全国放射能濃度一覧

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