ただの日記 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

本当は飲んだワインの記事を書きたいところなのだが、本の執筆に追われており、
悠長にワインの写真をアップして感想を書いている余裕がない。
そこで、今日も文章だけの日記で済ませることにする。
毎度ながら自慢たらしげ思われたら、何卒ご容赦頂きたい。

先週もまた忙しい週で、火曜日の午後に日本医師会の学術に関する座談会にお呼び頂き、
上京してきた。
午前の診察終了後に新幹線に飛び乗って、有楽町の帝国ホテルに向かった。

座談会のメンバーは、司会が東大教授で、あとは日本大学教授、名古屋日赤の女性部長と
わたしの合計4人である。

考えてみるととんでもない濃いメンバーで、東大教授は言わずもがな、
日大教授はビートたけしの家庭の医学の常連出演者であるし、
昨朝も朝日新聞の記事にに名前が載っていた。

名古屋の女医先生はNHKの名医にQやアサイチの常連であり、
毎年数回NHKの全国放送に登場する大物女医である。

何でそんなメンバーにわたしが入っているのかよく分からないが、
最大の理由はよくしゃべる開業医だからであろう。
この人たちに茶々を入れるのは、多分大阪人が一番向いているだろう。
それを分かって東大教授が指名下さったのだと思うが、とても名誉なことと恐縮している。

座談会の場には、日本医師会のとても偉い(と思われる)常任理事の先生が同席されたが、
どれだけ偉い人なのかは、わたしごときにはよく分からない。
元石川県医師会長だから、推して知るべしではある。

東大教授の要領を得た簡潔で的確な司会の元、明快を画に書いた立て板に水の日大教授、
女性の視点で語るお笑い系の名古屋の名物女医に混じって、
大阪弁で混ぜかえすことしばしば、無事成功裏に座談会は終了した。

しかし正直胃ってみんな呆れんばかりの切れ者だ。
限られた時間なので、一言も無駄な単語を発しない。

仕切る東大教授の歯切れの良さはもちろんのこと、
短時間で必要なことを過不足無く言ってのける日大教授、
女性目線でエピソードを交えながら花を添える名古屋の女医部長、
三方ともお見事としか言いようがない。

酒が入った座談会のあとの食事会も含めて、いらんことはいっぱい言った気がするが、
言いたいことの3分の1も言えなかった。
そこいらがわたしらしく未熟で奥ゆかしいところだが、きっと誰もわたしが奥ゆかしいとは
思っていないであろう。

まあ、大恥さえかいていなければ良しとしよう。
医師会理事の大先生や東大教授も含めてみんな上機嫌だったと思われるので、
お役目は果たせたと思うことにする。

開業12年になるが、まさかこんなメンバーと同席して座談会の席に座っているとは、
開院時には想像だにしなかった。
きっと名誉な事なのだろうが、そんなことはどうでも良い。
何より、医療や介護の現場で悩む人々への応援歌を口ずさめたのが嬉しい。

当日は羽田のホテルに泊まり、朝1番の飛行機で帰阪し、水曜は普段通りの診察をした。
日常を大舞台で語る機会がある町医者は少ないが、この日常こそ自分の原点なのだ。
早く引退したいと思っているけれども。