飲み頃・・ラマルシュ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~
フランソワ・ラマルシュ ブルゴーニュ・ルージュ 2005
購入日    2007年7月
開栓日    2010年1月5日
購入先    キタザワ(まるやま かも?)
インポーター エクセラ
購入価格   2480円

しかしまあ今年の年末年始は風邪のためとはいえ、例年になく寝て過ごした日々であった。
何もする気にならないので、珍しくテレビや録り貯めたビデオをボ~っと見ているだけ、
という時間が長かった。

再放送のガリレオは相変わらず面白かったが、2時間ものになるとちょっとだれる。
映画版の「容疑者Xの献身」はさすがに原作がしっかりしているだけ見応えがあり、
トリックのプロットなどにも細心の注意がなされていて感心する。
明るい映画ではないが、主演の堤真一と松雪泰子の名演技が光っていた。

一方ちょっと前に放映された新007シリーズの「007/カジノロワイヤル」のくだらなさに
家内ともどもあきれてしまった。
旧007シリーズの、荒唐無稽漫画的おちゃらけ路線がマンネリ化したためか、
新シリーズと名うって制作されたらしいが、アクションがだらだらと長いばかりで、
ストーリー展開が遅すぎて見ておれない。

1800円払って映画館で観ていたら間違いなくキレている。
洒脱であることが売りだった映画の後継が、こんな醜い形になるとは皮肉である。
制作スタッフの中で、路線を巡って主導権争いでもあるのかと勘ぐりたくなってしまう。

ショーン・コネリーから40年続いた007シリーズも、これでおしまいになったようだ。
映画の中でジェームズ・ボンドにボランジェを飲ませるのは、逆効果だから止めた方がいい、
とボランジェの人に言っておこう。


さて開栓順が前後するが、新井順子さんのソーヴィニオン・ブランの前に開けたワインである。
新年最初に開けるブルゴーニュとしていかにもしょぼいが、
いかにもわたしの貧乏性を反映していて象徴的であるとも言える。

前にいつ開けたか調べてみると、昨年の4月末であった。
この時は「まだまだ若い」と思ったようで、開栓後2~3日が飲み頃ではないかなどと書いている。

しかし8ヵ月後の現在、丁度飲み頃になっていて、開栓すぐから非常に美味しい。
2004と比較しても果実に厚みがあり、黒系果実の複雑な芳香を放っている。
花や丁字も香るから、ヴォーヌ・ロマネの畑ではないかと想像される。

ミネラル多めでタンニン控えめで、ブラインドで飲んだら1級クラスと言ってしまいそうである。
ほとんどスーパースペシャル大絶賛状態だが、ちゃんと落とし穴もあって、
上記の賛辞は開栓後1~2時間に限られる。

開栓当日は落ちるそぶりに全く気付くこともなく、大いに満足だったのだが、
2日目のあまりの落ちように仰天してしまった。
1級ものとの差はこんなところで明確になったわけで、その程度の時間のスパンでみれば
価格はある意味正直なのだろう。

ただし3日目以降は果実がかなり復活し、平板ながらまっとうなACブルとしての
品格を取り戻していた。
なぜこんなに浮沈が派手なのかよく分からないが、ブドウの樹が若かったりする結果
なのだろうか。

開栓当日に半分開けてあとは捨てたとしても、十分この価格の元は取れる。
今のところラ・グラン・リュも頼りなげで、ACブルに毛の生えたようなグラン・クルだし、
一時は更に評価の低かった造り手だが、今後上位のキュヴェも期待できるかも知れない。
いつのことやら分からないのが難ではあるが。