梅村聡議員との懇談会 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

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テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

最初に断っておくが、こんなワインのブログをやっていることからも分かるように、
わたしはどちらかというと趣味人であり、特に支持政党はないし、
政治に関する話は苦手としている。

時々医療問題について言及しているが、それはわが国の「医療保険制度」がまさに
崩壊寸前の危機に面していることを実感しているからであって、好きで言っているわけではない。

医療に財源を投入しないと、遠からずわが国の「医療保険制度」が音を立てて崩れ去ることは
見えている。
しかし残念なことに、国民の多くは未だにマスメディアによってミスリードされた衆愚であり、
「診療報酬を上げると金持ちの医師の収入がもっと増える」
と思っているバカが多い。

診療報酬を上げなければ、わが国の「医療保険制度」はもうすぐ終わるのである。

保険診療が崩壊して混合診療導入となった場合、最大の被害者になるのは、
医療費を払えない貧乏人である。
こんな簡単なことが理解できない人間が、どういうわけか非常に多い。

混合診療導入の結果、個人で民間保険に入れる金持ちは、保険会社に囲われた一流医師の診察を
優先的に受けることができるようになり、医療支出は増えるがむしろ快適になるだろう。
当然、金持ち患者を診察する一流医師の収入も激増する。

貧乏人にはプアな医療しか提供されなくなるだけの話で、金持ちは基本的には困らないはずである。
ただしそこでは一部の医者がババを引くことになり、過酷な医師の淘汰が起こることも予想される。

従って、国民全員に標準的な医療を提供すべく、可能な限り混合診療を避けるべきである、
と考えるのが多くの医師の本音であり、日本医師会も厚労省もその点意見は一致している。

しかし、政治家でこの事実を周知している人物は意外に少なく、国会議員でもこの問題に関しては
未だに衆愚レベルに留まっている議員が多いと推察される。

一例を挙げれば、
「政治の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題だと思いますよ。
 忙しいだの、人が足りないだのというのは言い訳にすぎない」
と公言した、二階俊博衆議院議員(自民党)などその典型例である。

医師には変人が多いとのたもうた麻生太郎前首相は、単なる世間知らずのおぼっちゃまで
済むのかも知れないが、この二階議員の発言をわたしは許せない。

しかし、国会議員の中にもわれわれ現場医師の現状をよく理解し、実際に活躍して
実績を上げているいる人物もいる。

民主党参議院議員の梅村聡がその1人で、彼の国政報告会に昨秋たまたま参加して、
「こいつは本物だ」と思ったのである。
趣味人のわたしが政治家を褒めることなど滅多にないから、珍しい話ではある。

梅村議員は、テレビ朝日の「TVタックル」や、よみうりテレビの
「たかじんのそこまで言って委員会」に何度か出演しており、
周囲の論客に対峙して、一歩も引かず自分の意見を言っていたのは見て知っていた。

彼は、わたしやまいどの副院長の大学の後輩に当たる内科医でもあり、まだ34歳である。
2年半前の参議院議員選挙で、128万票という大量の票を得て当選したが、
この得票数は西川きよし元議員の票数に匹敵する数字だそうだ。

梅村議員の国政報告会に参加したのは、高校の後輩である医師から誘われたのがきっかけだった。
行ってみたら100人規模の大集会で、顔なじみの医師が多く参加していた。
紹介してくれた後輩医師の叔父さんは、わが医師会の重鎮でもある。

その後梅村議員の後援会に入会して、メーリングリストに入れて頂いたのだが、
400人のメンバーで、非常に活発に医療問題に関する議論が行われている。
ただしこのメーリングリストに入ることができるのは、原則医師のみではないかと思う。


先週木曜日の1月7日、その梅村聡議員本人と懇談する機会があった。
専門医の臨床医会メンバーを代表して、わたしが懇談を申し入れたのだが、
当初は大阪府民であるまいどの副院長と事務局長とわたしの3人で会う予定だった。

その後臨床医会理事でもある東大教授にも声をかけたところ、わざわざ東京から
参加して下さることになった。
また学会の若手教授の代表格で、ワインの味が分かっていないといつも揶揄している
近畿大学教授も参加下さることになり、学会・医会の代表者5人で、
若手の梅村議員を囲んでの楽しい会となった。

東大教授は天皇陛下を実際に診察される立場にあり、言うまでもなく学界の重鎮なのだが
実は気さくな人物で、わたしは教授になる前からよく知っている。
高齢者の排尿管理を専門家としておられ、この分野ではわが国のトップリーダーである。
この会合に声かけしたのも、新政権の政策の目玉としての高齢者福祉に関する情報提供ができれば、
と考えたからである。

梅村議員は当日いくつもの新年会をハシゴし、最後にわれわれに合流されたのだが、
前日の夜は若手議員5人で鳩山総理を囲んでの会食があったそうである。
鳩山総理は気さくな人柄らしく、一緒に食事をしても緊張感無く楽しいのだそうだ。

会合では「首相官邸に幽霊が出る」という話が話題になり、実際に森喜朗元首相は
軍服を着た幽霊?がドアを開けたらバタバタと走って行ったのを見た、という噂があるらしい。
まだ鳩山総理は実際に幽霊を見てはいないとのことだった。

梅村議員が
「幽霊が見たいので今度官邸に泊まりに行ってもいいですか」
と冗談で振ったところ、
「幸が居ないときだったらいいよ」
と総理が答えた、という話には笑ってしまった。

ただの町医者の独り言のはずが、ずいぶん大げさな話になってしまった。
こんな話をここで書いていいのかどうか知らないが、とりあえずアップしておく。

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医学教育に関する構想を説明する梅村聡議員(中央)