どーも。
最近、お米をとぐときの
水の冷たさに、ウンザリしてる大五郎です(>_<)
・・・お湯でやっちゃダメなの?(汗)




今日も絵空事の続きです。↓


長編絵空事『デパオクの楽園』 その1
長編絵空事『デパオクの楽園』 その2
長編絵空事『デパオクの楽園』 その3
長編絵空事『デパオクの楽園』 その4
長編絵空事『デパオクの楽園』 その5
長編絵空事『デパオクの楽園』 その6
長編絵空事『デパオクの楽園』 その7

完全にアクセス数、減ってます(笑)
難しいお話ばかりにしちゃってごめんなさい(汗)

爆笑ネタのファンのみなさん、ごめんなさいm(_ _)m
でも、去年から構想を練っていたお話なので、

最後まで描き続けさせていただきます(><;)ノ

では、どーぞー。↓





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差し出されたその絵は・・・風景画だった。


オチつき大五郎え日記



森の中を描いた風景画だ。
木々や草花がたくさん生い茂り、虫や小動物が
見え隠れしていて、小さな川が流れていて、
その川には古い橋が架かっている。
遠くの山は『富士山』のように見える。
どう見ても『自然』だ。
この中に、『自然じゃないモノ』なんてあるのか?
木の花とか?
本来、木に成る花じゃないとか?
山に生息しない動物でも描かれているのか?
それとも、この構図では
富士山が見えることがありえないとか?


「どうやら冷静さを失っているようだな。」


「そうか? ただ単に分かってないだけだろ。」


なかなか答えられないボクに対して
小鳥たちのヤジが飛ぶ。
なんなんだ、これは。
ただボクを・・・人間をバカにしたいだけじゃないのか?



オチつき大五郎え日記


「・・・本当に分からないのか?」


黒い小鳥の低い声が頭に響いてきた。
ボクは・・・本当に分からなった。
差し出された風景画の隅々まで見たけど、
どこもおかしな部分が見つからなかった。
これ以上は時間の無駄だと感じたので、
あっさりボクは『負け』を認めた。


「ヒトのキミ、アセらず見てみれば、
本当は分かったはずなのに。
・・・もったいないな。」


白い小鳥が、本当に残念そうに言う。


「正解はなんですか?」


ボクは、半ば、逆ギレのような態度で
このバカバカしい質問の答えを仰いだ。
冷静に見たって、この絵には
どこもおかしな部分がない。
きっとボクをバカにしたかったんだ。
ボクを、全人類を。
どうせボクはバカでデブだよ。


「卑屈になるな。卑下するな。
自らを貶めていることになるのだぞ。
謙虚と卑屈は違うと知るがいい。」


紫色の小鳥の厳しい声が
頭の中で響き伝わった。


・・・思考を読み取られているのは、
けっこうツライなと今さらながら感じた。
自分の心が丸裸の状態なのだから、
他者からの心への介入を防ぐことができない。
紫色の小鳥の言葉が、ボクの心に
直接突き刺さった気がして・・・とても痛かった。


「せいぎの言葉はキツイかもしれないが、
彼の言うことも、もっともだ。
自分をそんなに卑下しないほうがいい。
ヒトのキミは、キミが思っているほど
愚かではないのだから。」


今度は、白い小鳥の優しい言葉が
頭の中に響き・・・ボクの心を癒している気がした。


「その絵の中で、『自然じゃないモノ』・・・
それは、その小川に架かっている『橋』だ。」


紫色の小鳥や白い小鳥とのやり取りが
ひと段落したとみて、すぐに赤い小鳥の声が頭の中に響く。
それが、白い小鳥が出した質問の答えだった。
ボクは、ハッとして
もう一度、風景画を見た。


「そうか・・・『橋』は・・・『人工物』・・・。」


「そうだ。」


赤い小鳥がうなづいている。
ボクは、答えを聞いても納得いかなかった。
でも、もう・・・小鳥たちが
何を言いたいのか、気づき始めている。
白い小鳥が、ボクのそばへチョコチョコと歩いてきた。


「ヒトも動物。それは間違いないのだ。
だが、他の動物と違うことは分かっているだろう?」


白い小鳥が優しく頭の中にささやいている。
そこへ


「ヒトは、大自然の地を大きく変え、ヒトの世界を広げ、
ほかの生き物の世界を狭くする。」


「あらゆる危険や外敵から身を守るため、
ヒトは寄り添い、家、村、町、都市を造り・・・
その結果、他の生命を危機にさらす。」


「他の命すらも
生殺与奪の権限を持っていると勘違いしている。」


他の小鳥たちから、
人間と動物たちの違いを聞かされる。
もはや、非難だ。



オチつき大五郎え日記


「山や海へ行って、自然に癒される?
自然が一番いい?
バカなことを・・・
木を切り倒し、山を切り開き、
川をせき止めて、山や海を汚しておいて・・・。
ヒトはヒトの世界に生きてこそ『自然』なのだ。」


小鳥たちは口を動かさずに
頭の中へ話しかけてくるから、区別しづらいが、
このドス黒い感情をぶつけてくるような声は
黒い小鳥の声だ。


もう散々だった。
全人類の罪を、ボクが責められている。
なんだよ!
そんなに人間が悪いのかよ!


「じゃぁ・・・もう放っておいてくれよ!
調査だかなんだか知らないけど、
勝手にやってきて、なんなんだよ!
全体的に見たら、人間が悪いんだろうけど、
人間は人間で大変なんだよ!
そんなに他と違う違うって言うなら、
放っておいてくれればいいじゃないか!」



オチつき大五郎え日記


売り言葉に買い言葉だと分かっているけど、
言わずにはいられない。


「・・・。」


ボクが激しく言い放ったあとに、
少しの静寂が訪れた。


・・・言ってしまった。


気まずい空気になって、自分が今、
言ったことを思い出して、少し後悔する。
この非現実的な出来事が、もし現実ならば・・・
ボクは神の使いたちにケンカを売ったことになり・・・
ボクの暴言のせいで、人間は神さまから
見放されちゃうかもしれない・・・。

時間にして数分だろうか。
その場の空気も、ボクの心も
冷え切っている中、それを打破する声が響いた。


「・・・それでも、神は、ヒトのキミたちを
決して、見放そうとは思わないのだ。」


「え・・・。」


柔らかい声。白い小鳥の声だ。


「神もヒトの子・・・何もヒトだけが間違うわけじゃない。
ほかの動物たちも我々が目を離せば、すぐに
間違った方向へ進むのだ。
そして、それは我々にも言えることなのだ。」


穏やかな声。これは赤い小鳥の声。


「さっきも言ったように、魂はみな同じ。
借りている体が違うだけなのだよ。
ヒトも、動物も、植物も、そして我々も。」


静かな声。これは紫色の小鳥の声。


「ヒトは、すぐ間違った方向へ進んで、
この星を破壊しかねないからな。
見放すも何も・・・放っておけないだけだよ。」


明るい声。これは黄色い小鳥の声。


「そんな愚かなお前たちを、
神や我々は、愛してやまないのさ。」


低い声。これは黒い小鳥の声。




オチつき大五郎え日記


「えっと・・・。」


ボクは、返答に困った。
答えを促されたわけじゃないけれど、
この場は何か言わなくちゃいけない気がする。
さっきまで人間にダメだしされたけど、
「それでも見放さない」って言われて・・・
なんとも言えない感情が、
ボクの心に溢れてきている。
この場の、全人類の代表として
何か言わなくちゃ・・・
でも、この感情をどう伝えればいいんだろう?


「ヒトのキミ。
ヒトは、そんな感情を伝えるときに
『ありがとう』と言うのだよ。」


白い小鳥の声がボクの頭の中で
響いたとき・・・ボクは、なぜか泣いてしまった。
悲しいんじゃない。
なにがどうなっているのか分からないけど、
とても嬉しくて、泣いてしまったんだ。



オチつき大五郎え日記


結局、声がつまって、口で言えなかったけど、
これが、ボクが初めて
本当の「ありがとう」を知った経験となったようだ。




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つづく。










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「見事なアメとムチ」と「ことりーず」。


ムチ、強すぎだな(-_-;)