あるところに、
なんだかんだ理由をつけては
犬にお菓子をやるのが大好きなおばあさんと、
とても食い意地のはった犬がいました。
ふたりはとても仲良しでした。
ある日おばあさんは、犬にゼリーのお菓子をやりました。
食い意地のはった犬は、それが食べ物だとわかるとすぐさま口に入れました。
しかし犬は、さいしょの「ひとモグ」で失敗したと思いました。
犬は、犬知恵で考えました。
これを拒否したら、おばあさんからもうお菓子がもらえなくなるかもしれない。
この犬が食べないお菓子があるなんて
おばあさんは信じられませんでした。
そしておばあさんは、おかきでリベンジすることにしました。
犬はおかきをパクリと食べて、またふたりは仲良しになりました。
おばあさんは犬の口の周りをティッシュでふいてやりました。
しかし犬は、そういうことをされるのが大嫌いでした。
でも大嫌いだと言ったら、これからお菓子がもらえなくなるかもしれないので
「千と千尋の神隠し」の白竜の顔マネをしているんだよと言ってごまかしました。
めでたしめでたし。