つくづくと 春のながめの寂しきは しのぶにつたふ 軒の玉水
―「新古今和歌集」大僧行慶
大型連休を明日に控えた今日はいかがお過ごしですか?
由美ママは昨夜、友人の経沢香保子さん http://ameblo.jp/trenders/
の誕生日会も兼ね、贔屓の『日本橋ゆかり』 http://ameblo.jp/ginzayumimama/entry-10251002055.html
(2009年4月29日他)へと出かけました。
由美ママは「春雨・・・」と云えば、芭蕉の傑作のひとつ・・・
「春雨や 蜂の巣つたふ 屋根の漏り」を思い浮かべますが、
この歌には掲歌の新古今和歌集からの歌が下地にあり、
“しのぶ=忍”を“蜂の巣”に置き換えたところが俳諧です。
そしてこの様に「春雨」とは、静けさと寂しさの中での存在が美しく思え、
雨滴が落ちる様子が、まるで春の静かなる時の流れを告げているかのようで、
芭蕉の句は時空を超えた風景を描き出しますね。
今年も大変希少な白鮭「時不知(ときしらず)」こと“時鮭”の淡い橙色のお刺身を堪能!
http://ameblo.jp/ginzayumimama/entry-10261828655.html
(2009年5月16日号)
由美ママブログでも紹介した“日本一の筍”京都西京区大原野(洛西)村上薫さんより直送の筍
ホタルイカ、白子と春菜の天ぷら
ところで、芭蕉が下地にした「新古今和歌集」の時代は・・・
「春霞立日の山に初花をしのぶより、夏に妻恋ひする神はびの郭公。
秋は風にちる葛城の紅葉。
冬は白たへの冨士の高嶺に雪つもる年の暮れまで。
みなおりのふれたる情なるべし・・・」などと、
鎌倉幕府成立以来、実権を奪われた貴族社会の衰退の中で、
貴族たちは滅びの美学を詠い、
自然への見方に哀調を帯びた感覚的で幻想的な歌が多く詠われましたが、
その技法は、 古い歌を元にして自分の歌を作る“本歌取り”で、
また余情か溜め息のみの”体言止”で詠われています。
きっと、芭蕉もこの時代のそんな寂しさに想いを馳せ、
深川の庵の軒に春雨が滴るさまに、
一抹の寂寥感を覚えこの句を詠んだのでしょうね・・・
さらにご飯の上に“餡かけ”の贅沢さ!!!
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炊込みご飯の餡かけ“茶漬け風”???
あさ緑 花もひとつに 霞みつつ おぼろに見ゆる 春の夜の月
―菅原孝標女
それでは、明日には静かなる「春雨」もようやくあがり、春の柔らかい陽射しの一日を迎えることでしょうから、
どうか麗しい“朧月夜”の仄かな明かりを愉しめるような風雅なるひとときをお迎え下さい。