その①で、取り外しまで行いました。
続いて、外したキャリパーをバラして洗浄します。
まずは、キャリパブラケットにはまっているスライドピンを抜き取ります。
スライドピンは差し込まれているだけなので、引っ張れば抜き取れます。
ピンブーツが引っ張られるかもですが、ブーツを外せば、軽く抜けます。
注意点は、上下(便宜上取り付け位置で示します)で材質?が違う事。
上側が、銀色に近い金属色です。
下側は、やや金色がかった色で、一部に切り欠きがあります。
上下と言う位置関係で表すと、フロントは逆になりますので要注意です。
回転方向で言えば、回転の後ろ側が銀色で、前側が金色ですね。
スライドピンを抜いたら、パーツクリーナーで洗浄して置きます。
ブラケットからピンブーツも外して置きます。ピンブーツは分解時交換です。
OHキットに入っています。
ピンブーツを抜いたら、穴の中も洗浄します。
残っているグリスも竹串などで、取り除きます。
ここのグリスは殆ど、汚れていませんでした。
ここまでの作業はブラケットを外さなくても出来ます。
さて、いよいよキャリパボディの分解です。
まずは、パッドスプリングを取り外します。
続いて、ピストンを抜き取ります。
S2000のリアブレーキは、パーキングブレーキを兼ねています。
マニュアルによると、ピストンを抜くにはSSTが必要とあります。
当然、ある訳はありません。
が、世の中には色々と便利なものがありまして、
ディスクブレーキピストンツールです。色々な形状のサイドブレーキ兼用ピストンを回す事ができるものです。
これを使って、
反時計周りに回してピストンを抜き取ります。
ただ、元々はパッド交換の時にピストンを回して戻す工具なので、抜き取りに使う場合には若干、キャリパに他の突起部が干渉します。
そのあたりを注意しながら使えば、ピストンを抜き取る事はできます。
結構、固いので出来ればキャリパボディを万力などで固定できればベターですね。
ピストンはやはり汚れています。
少し前にブログでも書きましたが、結局ピストンは錆びていて再利用できませんでした。
14年の歳月、12万km強の走行距離で、この状態でした。車の保管は青空駐車、雨天も使用です。
ピストンを外した後は、こんな感じ。
ダストカバーを外します。
が、キャリパの溝が錆びていて固着していました。
ダストカバーも再利用しないので、少々強引に引き剥がします。
カバーのはまっていた溝は、
まぁ、覚悟はしていましたが・・・
ピストンと言い、この錆と言い、ここまで酷いとはねぇ。
この錆を落とすと思うと…
それは置いといて、
リアブレーキの難関、パーキングブレーキ機構の分解です。
この中をバラすためには、
これまた、SSTが必要になります。
さすがに、これの代用品はありません。
そこは気合と根性で乗り切ります。嘘www
手に入るものを使って、スプリングを押し込む方法を考えます。
今回、使ったのは小型のプーラー、差込9.5sq 17mmのソケットのコマ、会社から拝借してきた50mmくらいの長さのパイプの端材です。
これらを写真のように組み合わせて、
ソケットのコマをスプリングガイドの上に乗せて、延長用にパイプを重ねてプーラーの先端で押せるように適当な板(穴の開いた)か、大きめのワッシャーあたりをかませます。
プーラーの爪をキャリパーボディに引っ掛けてプーラーのシャフトを回して押し込みます。
押し込むと、
こんな感じになります。
で、スナップリングを外しますが、
そのためには、スナップリングプライヤが必要になります。
ここは、市販品ですがより近いものを奮発しました。
ただ、マニュアルにあるプライヤと比べると軸が丸くて太いです。
先の写真で分かるように、ソケットを利用した簡易スプリングコンプレッサでは隙間が狭く、スナップリングの穴がよく見えません。
そこで、手順を変えて始めにスナップリングプライヤの先を中のスナップリングの穴に差し込んでおき、そこにソケットのコマを入れてパイプを乗せてプーラーで押し込む方法にしました。
スプリングを押し込んだら、プライヤでスナップリングを縮めて抜き取ります。
スナップリングを外したらプーラーを緩めて中のパーツを取り出します。
中心のアジャストボルトを引っ張れば抜けてきますが、その奥にあるスリーブピストンとピンが残る可能性が高いです。
アジャストボルトを手で受けるようにして、キャリパボディを板などに軽く叩けば抜け落ちて来ると思います。細かなパーツがあるのでなくさないように注意です。
取り出したパーツです。
アジャストボルトにはまっているゴムのカップを外します。
写真を撮り忘れましたが、スリーブピストンに付いているOリングも外して置きます。
前後しましたが、ピストンシールも外します。
シリンダ側を傷つけないように、竹串などを使うと良いと思います。
ピストンシールの溝までは錆は進行していないませんでした。
パーキングブレーキのレバーを外します。
リターンスプリングを外せば、簡単に引き抜けます。
同時に、ゴムのシャフトカバーも取ります。
以上で、分解は終了。
外したパーツ類はパーツクリーナーなどで、よく洗浄して置きます。
ゴムパーツは分解時交換です。OHキットがありますので、それを使います。
ピストンは再利用不可と判断したので、追加発注しました。
キャリパボディの錆を落とします。
錆取りクリームを塗って、
小さめのワイヤブラシでひたすらゴシゴシと、
ちなみに、こう言う道具も使いましたが、
電気ドリル用の回転ブラシ。溝の錆を取るにはやや大きかったです。
フレキシブルチューブか、小型のリューターで、もっと小さな(幅の狭い)回転ブラシを使うのが有効かと。
とりあえずは、錆を落とした状態です。
錆を落とした後は、やはりパーツクリーナーでしっかりと洗浄して置きます。
この作業を左右、2回行う事になります。
バラシと錆落とし、洗浄はここまで。
組み付けは、その③で。