人造人間キカイダー 第7話 その2 | 成田家の徒然なる日々 ~15th Season

成田家の徒然なる日々 ~15th Season

来訪される皆様に支えられて15年。昭和の特撮・アニメを取り上げていきます。

↑ 第一部の続きです。


ミツコを抱え屋敷の何処へかと

ゴールデン・バットは行く。

気を失ったままのミツコは

夢の中にいた。

兄の一郎の事故をミツコは夢の中で目の当たりにする。

「何と私は愚かだったのだ …。


あの事故も全てがギルの策謀だった。

ヤツらが私に近づくだけの理由で一郎はされたのだ。しかも … しかも信じられない事に


までもがギルのスパイだったのだ」(光明寺)


「はあっ!?」(ミツコ)


「分かったわ。プロフェッサー・ギルにそう伝えておいて」

(千種)

楽しかった母との思い出がミツコの中で全て砕け散る!


「お母さぁ~~ん! お母さぁ~~~ん!」(ミツコ)


「嘘ぉ! 嘘よ! そんなの!


嘘よぉ …。嘘 ……」(ミツコ)


絶望し尽くしたミツコに希望の光の様なものが差し込む。


光の先にはジローの微笑む姿がある。


立ち上がり


ジローへと

ミツコは駆けていく。

待ち受けるジローに


もう少しで手が届くと思った瞬間


足元が崩れジローは落ちていく。


互いに互いを思いつつも手が届かない。

それはまるで今のミツコとジローの状況そのもの。

眩い光がミツコを夢から現実へと引き戻す。


「ジ …


ロー」(ミツコ)

再び舞台は館の外。


棺桶トラップの中から手が出て


ジロー復活。



「ミツコさん …」(ジロー)


ジローの呼びかけに応えるかのように


ミツコは目を覚ます。


「気がついたようだな」(バット)

「あっ!?

ジロー!

無事だったのね」(ミツコ)

「ふんっ … 運が言いのか悪いのか


あのまま砕け散った方が楽だったかもしれんなぁ」(バット)

旧光明寺邸の中をジローはあてもなく進む。

ジローは耳を澄ます。

「ジロ~~」(ミツコ)


「そうだ、キカイダー


せめて楽しもうではないか。


我々が演じなければならない、この悲劇を」(バット)


「ジロ~~~」(ミツコ)


「ミツコさん!」(ジロー)


ミツコへとジローは駆け寄る。


だが


ミツコを助けようとする手が通り抜け


驚愕する


ジローの背後で


鉄の扉が何重にも降り、


ミツコは消え失せてしまった。


「ジロー!」(ミツコ)

「ミツコさん!」(ジロー)

「ふっふっはっはっは。シンプルなホログラムに、こうもあっけなく引っ掛かるとは。

この娘さんにうつつを抜かす余り我を忘れたか?

同じロボットとしても、もう少し知的な振る舞いを見せて欲しかったんだがね。


ふっつっはっはっはっは。は~はっはっはっはっは」(バット)

我に返ったジローが

鉄の扉に拳を振るうも非戦闘モードでは少しもダメージを与えられない。

「レクイエムは何が好きかね?」(バット)

「えっ!?」(ミツコ)

「モーツァルト? ヴェルディ? それとも優雅にフォールかな?」(バット)

「何を言っているの?」(ミツコ)

「無粋なロボットの葬送だ。せめて美しい音楽で送ってあげたくはないかね?」(バット)

「よして。馬鹿なこと言わないで」(ミツコ)

「馬鹿なことか …。

ならば仕方ない。

意には沿わぬがシンプルに執り行うとしよう」(バット)

身構えるジローの頭上に

コウモリの群れが!

「はっはっはっはっは。私の可愛い下僕達だよ」(バット)

ジローに襲いかかったコウモリが

電撃攻撃を行う。

「あぁっ!」(ミツコ)

「無論、タダのコウモリではないがね」(バット)


「あれもロボットなの?」(ミツコ)

「サイボーグだ。普通のコウモリに放電機能を付けただけだが


あの数で襲いかかれば、さすがのキカイダーもただでは済むまい」(バット)



第3部へと続く ↓