↑ 第一部の続きです。
ミツコを抱え屋敷の何処へかと
ゴールデン・バットは行く。
気を失ったままのミツコは
夢の中にいた。
兄の一郎の事故をミツコは夢の中で目の当たりにする。
「何と私は愚かだったのだ …。
あの事故も全てがギルの策謀だった。
ヤツらが私に近づくだけの理由で一郎は○されたのだ。しかも … しかも信じられない事に
妻までもがギルのスパイだったのだ!」(光明寺)
「はあっ!?」(ミツコ)
「分かったわ。プロフェッサー・ギルにそう伝えておいて」
(千種)
楽しかった母との思い出がミツコの中で全て砕け散る!
「お母さぁ~~ん! お母さぁ~~~ん!」(ミツコ)
「嘘ぉ! 嘘よ! そんなの!
嘘よぉ …。嘘 ……」(ミツコ)
絶望し尽くしたミツコに希望の光の様なものが差し込む。
光の先にはジローの微笑む姿がある。
立ち上がり
ジローへと
ミツコは駆けていく。
待ち受けるジローに
もう少しで手が届くと思った瞬間
足元が崩れジローは落ちていく。
互いに互いを思いつつも手が届かない。
それはまるで今のミツコとジローの状況そのもの。
眩い光がミツコを夢から現実へと引き戻す。
「ジ …
ロー」(ミツコ)
再び舞台は館の外。
棺桶トラップの中から手が出て
ジロー復活。
「ミツコさん …」(ジロー)
ジローの呼びかけに応えるかのように
ミツコは目を覚ます。
「気がついたようだな」(バット)
「あっ!?
ジロー!
無事だったのね」(ミツコ)
「ふんっ … 運が言いのか悪いのか
あのまま砕け散った方が楽だったかもしれんなぁ」(バット)
旧光明寺邸の中をジローはあてもなく進む。
ジローは耳を澄ます。
「ジロ~~」(ミツコ)
「そうだ、キカイダー
せめて楽しもうではないか。
我々が演じなければならない、この悲劇を」(バット)
「ジロ~~~」(ミツコ)
「ミツコさん!」(ジロー)
ミツコへとジローは駆け寄る。
だが
ミツコを助けようとする手が通り抜け
驚愕する
ジローの背後で
鉄の扉が何重にも降り、
ミツコは消え失せてしまった。
「ジロー!」(ミツコ)
「ミツコさん!」(ジロー)
「ふっふっはっはっは。シンプルなホログラムに、こうもあっけなく引っ掛かるとは。
この娘さんにうつつを抜かす余り我を忘れたか?
同じロボットとしても、もう少し知的な振る舞いを見せて欲しかったんだがね。
ふっつっはっはっはっは。は~はっはっはっはっは」(バット)
我に返ったジローが
鉄の扉に拳を振るうも非戦闘モードでは少しもダメージを与えられない。
「レクイエムは何が好きかね?」(バット)
「えっ!?」(ミツコ)
「モーツァルト? ヴェルディ? それとも優雅にフォールかな?」(バット)
「何を言っているの?」(ミツコ)
「無粋なロボットの葬送だ。せめて美しい音楽で送ってあげたくはないかね?」(バット)
「よして。馬鹿なこと言わないで」(ミツコ)
「馬鹿なことか …。
ならば仕方ない。
意には沿わぬがシンプルに執り行うとしよう」(バット)
身構えるジローの頭上に
コウモリの群れが!
「はっはっはっはっは。私の可愛い下僕達だよ」(バット)
ジローに襲いかかったコウモリが
電撃攻撃を行う。
「あぁっ!」(ミツコ)
「無論、タダのコウモリではないがね」(バット)
「サイボーグだ。普通のコウモリに放電機能を付けただけだが
あの数で襲いかかれば、さすがのキカイダーもただでは済むまい」(バット)
第3部へと続く ↓