↑前編の続きです。
ジローは傷ついたトオルを連れて波止場まで逃げてきた。
トオルの傷の具合を心配するジローにトオルはミユキを連れて、この街から逃げろと言う。
「待ってください。ミユキさんは、ずっとあなたの事を待っているんです。帰ってあげてください」(ジロー)
「関係ねぇな」(トオル)
「だったら、どうして来たんですか! 本当はあなたも帰りたいんでしょ。あなたもミユキさんが好きなんでしょ。
それなら、どうして帰らないんですか」(ジロー)
「へっ … どんな顔して会えるっていうんだ。俺は最低の人間だ。金さえ貰えばどんな汚い事でもやる。街一つ潰す様な事もな。
コイツを街を囲む様に設置しているんだ。
どういう理屈か知らねぇが、これが動きゃあ街の人間は誰も助からねぇだろう」(トオル)
「それがダークの命令」(ジロー)
「裏の人間ならダークという組織の名前くらい聞いた事がある。俺達に仕事を持ちかけてきた土地ブローカーの仕業にしちゃあ大掛かりだと思ったぜ。
ダークを敵に回して生き残った奴はいねぇ。」(トオル)
「どうするんですか?」(ジロー)
「逃げるさ。俺だって、まだ死にたくないからな」(トオル)
「街をこのままにしてですか?」(ジロー)
「俺には関係ない。誰が○のうが生きようが」(トオル)
「じゃあ、どうしてミユキさんに知らせに来たんですか。
あなたなミユキさんのいるこの街を見捨てられるような人じゃない」(ジロー)
「知った様な事を言うな。野郎」(トオル)
「あなたがどんな人間でも待っている、とミユキさんは言ったんです。好きって、そういう気持ちなんでしょう?」(ジロー)
「ふっ … こんなガキに諭されているようじゃ本当にヤキが回ったようだな。
俺はそいつを設置した場所を知っている。この街とミユキには借りがあるからな」(トオル)
「僕も手伝います」(ジロー)
イエロー・ジャガー再襲来。
ジローは自分がイエロー・ジャガーを引き付け
その間トオルに爆薬を除去させる。
イエロー・ジャガーと共にジローは川の中に落ちる。
先に飛び出したイエロー・ジャガーの後を
ジローが追いかける。
身軽にアーチ橋の頂上に登ったイエロー・ジャガーに
「何故だ。何故ダークは、プロフェッサー・ギルは、こんな事をするんだ」とジローが問い詰める。
「理由など知らない。俺達はプロフェッサー・ギルの命令を遂行するだけだ。命令を聞かないお前は壊れている。だから必要ない。人間もダークに必要ない。破壊する」(ジャガー)
「ダークには必要なくても、人間は誰かを大切にしている。待っている人がいるんだ」(ジロー)
「お前は必要ない」(ジャガー)
「そうかもしれない。
でも、会いたい人はいる」(ジロー)
ジロー変身する。
ジローに向けてイエロー・ジャガーは爆弾を投げる。
間一髪でジローは避ける。
橋の頂上で爆弾は炸裂する。
その様子を遠くからミツコ達が眺めている。
傷ついたトオルも懸命に爆弾を除去し続ける。
場所を変えつつジローとイエロー・ジャガーの戦いは続く。
イエロー・ジャガーの炎による攻撃をジローは掻い潜る。
炎の中での戦いは続き
イエロー・ジャガーがジローを追い詰める。
「お前は壊れている。必要ないものは破壊する」(ジャガー)
「た … 確かに僕は不完全だ。この醜い姿だ。それでも …
ジローの脳裏にミツコの笑顔が浮かぶ。
僕はミツコさんに会いたい!」(ジロー)
ジローはイエロー・ジャガーの束縛を振りほどく。
その衝撃で倒れてきた貯水槽の下敷きになってもイエロー・ジャガーは無事だ。
ジローがイエロー・ジャガーの前に立ちはだかり、
デンジ・エンドの姿勢をとる。
襲いかかるイエロー・ジャガーを
ジローは迎え撃つ。
イエロー・ジャガーの首が吹き飛ぶ!
崩れ落ち
イエロージャガーが爆発する。
現場に駆けつけたものの、ジローに会えずじまいのミツコの胸に去来するものは何か。
一方トオルは全ての爆弾を除去し
安堵の一服に身を委ねる。
「へっ … らしくもない事をしちまったな」(トオル)
その背後にはギンカメの姿が …
店の外の騒ぎと無縁にミユキは仕事中。
彼女は知らない … トオルがミユキの命を救う為に決死の働きをした事を … そしてトオルと二度と会えなくなった事を …
「やっぱり … 上手くはいかねえもんだな」(トオル)
「ミユキさんが待っているって … 言ったじゃないか。どうして …」と呟きながらジローはトオルを看取る。
「ただいまぁ」(ミユキ)
「そっか … 帰ったんだね」(ミユキ)
「何処かであの人にあったら伝えてよね。私は … いつまでも、ここで待っているから」(ミユキ)
ミユキに何も告げず雨の街をジローは去る。
「人造人間キカイダー THE ANIMATION 第五話 雨の街」 ~完~