「ねぇ覚えていてね。私はいつでもここで待っているから」(?)
第5話 雨の街
ジローの存在が徐々に世の中に知られつつあり、光明寺家では善後策を検討中。
ジローのこと、ジェミニィ(良心回路)のこと、行方不明の父のこと、など悩み事多くミツコの心配は絶えない。
「どうしてこんなに不安なの … あの時 … 私はどうしてジローをかばったりしたのかしら」(ミツコ)
マサルにジローを探しに行こうと言われ、ミツコは「ジローに合えば、この気持ちが何なのか分かるかもしれない」と自分を納得させるのであった。
そんなミツコの心配を他所に、とある雨降る街でジローは夜を過ごす。
ジローの様子を遠くの暗がりから怪しい影が探っている。
一夜明け、とあるマンションの前でジローが「どうして、みんな僕をそっとしておいてくれないんだ」と呟いていると
一室の主、ミユキが帰ってくる。
「ふっ … そんな訳ないか」とミユキは寂しく呟く。
「うちに何か用? ないなら、どいてくれない」(ミユキ)
「ごめんなさい」と言ってジローは立ち上がる。
「早く帰りなさいよ。この辺はあんたみたいなのが来る所じゃない」(ミユキ)
「僕には … 帰る所がない」(ジロー)
「えっ…」(ミユキ)
「僕は帰れないんです」(ジロー)
謎の影(イエロージャガー)からプロフェッサー・ギルはジロー発見の報告を受ける。
プロフェッサー・ギルはジローのいる街で何やら画策中。
「ミユキさん」(ジロー)
「あら、まだいたの?」(ミユキ)
「いてはいけなかったですか?」(ジロー)
「別に … 部屋に入れたのは私だし」(ミユキ)
「迷惑なら、すぐ出ていきます」(ジロー)
「そんな事は言ってないでしょ」(ミユキ)
「いたければいればいいし、帰りたければそうすればいいわ」(ミユキ)
「ミユキさんは、どうして僕を入れてくれたんですか・」(ジロー)
「私ねぇ … どうも拾い物する癖があって。前にも拾った事があるの、あそこで」(ミユキ)
ミユキはトオルとの出会いを回想する。
「あんな所に座っているから帰ってきたのかと思ったの。そんなはずないのにね」(ミユキ)
「大切な人なんですか? その人に帰ってきてほしい?」
(ジロー)
「そうね … 一緒にいたのは、ほんの数日だけど忘れられないっていうのはそういう事なんでしょ」(ミユキ)
「好きってこと?」(ジロー)
「聞いてばっかりね。自分のこと何も言わないのに、それはズルいんじゃない」(ミユキ)
「僕には何もない。話すことも、帰る場所も、待っている人もいません」(ジロー)
「あっ …}(ミユキ)
「ミユキさん?」(ジロー)
「でもね。案外、待っていてくれる人っているものよ。
あんたは誰の所に帰りたいの?」(ミユキ)
場面変わって計画が上手くゆかず社長さんは何やらお困りの様子。
プロフェッサー・ギルに代わりイエロー・ジャガーが計画の協力を申し出ると、それを社長は受け入れる。
プロフェッサー・ギルの計画実行の為、集められた人の中にはミユキの想い人であるトオルもいた。
「自分の事を何にも話さない人だった。何日か怪我が治るまでいたのに名前さえ教えてくれなかったのよ」(ミユキ)
「どうして、そんな人が好きなの?」(ジロー)
「さぁね、心は理屈じゃない。そう感じたから、そうなのさ。ただ …」(ミユキ)
「きれいな花だな」(トオル)
「ええ、私の一番好きな花よ」(ミユキ)
「あんたに似合っている」(トオル)
「ありがとう」(ミユキ)
「優しい人だって分かったよ。本当は悪い人なのかもしれないけど。私には関係なかった」(ミユキ)
「信じてるんだね」(ジロー)
「人間は何かを信じてないと生きていけないんだ。あんたにもいるでしょ、そういう人」(ミユキ)
一瞬、ジローの脳裏にミツコの顔が浮かび上がる。
「仕事に行ってくる。ご飯(!?)は勝手に食べといて。じゃあね」(ミユキ)
「僕は … 何を信じたらいいんだろう」(ジロー)
服部探偵の調査によりジローがいる街へとミツコは向かう。
ミツコも自分が信じようとするものを求めていた。
新兵器のテスト開始を前にはご満悦のプロフェッサー・ギル。
仕事の為、ミユキのいる街に戻り、ある種の思いが去来するトオルだが
彼らを見張る怪しい影に気づく。
金の為とはいえ爆弾の様なものの
設置を指示され、集められた人達はざわめく。
「ふっ … それだけの報酬は貰っただろ? 自分の命が惜しかったら、この街には長居しないことだ。一時間後には、ここはゴーストタウンと化すのだからな」(謎の男)
一堂に緊張感が走り
トオルはやり切れなさに身を焦がす。
1時間後にはゴーストタウンと化すとは知らず人々が賑やかに行き交う賑やかな街の中で
ミツコとミユキがすれ違う。
計画進行中、プロフェッサー・ギルはイエロー・ジャガーに何やら指令を下す。
プロフェッサー・ギルの笛の音に苦しむジローが
ミユキの部屋を出て行くと
そこにはトオルがいた。
ミユキの命だけは救おうとやって来たトオルだが、ミユキがいない事を知り憤る。
立ち去ろうとするトオルに
イエロー・ジャガーが襲いかかる。
「お前は!?」(ジロー)
「お前はなぜ命令を聞かない?」(イエロー・ジャガー(以下「ジャガー」で。)
「裏切るつもりか?」(ジャガー)
「見張りがついていたのか」(トオル)
「ダークは裏切りを許さない。
邪魔するなキカイダー。コイツは抹○しなければならない」(ジャガー)
体当たりでジローはイエロー・ジャガーを弾き飛ばすと
傷ついたトオルを連れて、この場を去る。
後編へと続く。 ↓