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2010-11-17
築地官製地上げに絡む東卸組合の重大な疑惑と明らかになる事実、それを報道しないメディア
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10708517395.html
若干中途半端なままアップしましたので、今日はその続きです。

【まず少し振り返り解説】
なぜこの東卸組合が重要なのかといえば、イシハラ都知事が「業界団体がみな賛成、反対は1団体」としているその残り1団体であることが大きな要因です。

ではちなみに、他の団体や業界関係者が両手を挙げて賛成しているのかというとそう単純ではありません。もちろん。築地の官製地上げと豊洲の流通センター化で自ら利益を受けることになろう大卸の団体などは「ぜひとも豊洲の当居ガス工場跡地(激甚汚染地域)への移転を」と願う嘆願書をイシハラ都知事に出しに行くほど移転に熱心です。しかし、たとえば青果は個々の店舗のおよそ9割は反対、しかし組織としてその意志に沿っていないなどの実情があります。

東卸は、業界6団体の中でも740店舗からなり、東京都の店子としては最大なものである(移転予定地の設計図上もきわめて大きな面積を占める)こと、そして特筆すべきは、上で挙げたように移転反対の機関決定をしている団体でもあります。
しかし、なぜか理事長らが賛成と大きな声を出しています。
移転しなければジリ貧、というキャンペーンを繰り返してきて、それは東京都の論調とまったく一致するものです。
昨年からニュースに注目されていた方は、この組合の理事会選挙が、移転賛成派と反対派で拮抗し、5回目の選挙で現職の伊藤理事長が再選されたことを思い出 されるでしょう。

こうした状況にもかかわらずメディアは、伊藤理事長の声に重きを置き取り上げ、まるであたかも移転は決定事項で避けがたいものだが、「汚染を心配して」反対する仲卸がいる、という、いわばローカルな対立であるかのような取り上げ方をすることがほとんどです。いえ、それもだいぶ甘い言い方で、多くのメディアが東京都・伊藤理事長ラインの意見を「公式見解」「ストレートニュース」として流すことが大半ではないでしょうか?

繰り返しますが、唯一、機関決定として移転反対する仲卸主流派の団体が東卸です。
イシハラ都政などによる官製地上げでは、重点的に力を入れてこの集まりを疲弊させ、あるいは実質的な機能をなくすことで、移転賛成への強制的な流れを作ることを考えるでしょう。それが地上げの定石です。

【ここまで少し解説】

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そして、この11月末、築地の東京魚市場卸協同組合(東卸)では総代選挙(組合員の代表となる、「選挙人」を選ぶもの)があります。

当然ながら、次々と発覚する激甚汚染と東京都の隠蔽捏造(※)があるのに、お東京都様の言い分を信じて疑いません、お上の言うことに間違いはありますまい、などとする移転賛成に簡単に与することは、食の安全と品質を目利きする仲卸の存在意義に反することになります。

(※)11/20のテレ朝の「ドキュメンタリ宣言」については、別途エントリーをアップします。汚染されている地下水が海に流れ出る証拠を水中取材で明らかに しています。以下にもまとめています。
http://togetter.com/li/70912

この移転に関し、そもそも激甚汚染地域への移転の是非そのものとはやや別の観点で、なぜかその移転賛成理事だけが組合の実質破綻に関与して、儲けすら上がる構造になっていた(移転賛成理事長と移転賛成理事6人が作った会社が、わずか1億5000万円で組合身内の貸付債権を購入し、しかしその債権回収額が26億円(組合に戻すと主張していますが、法的な取り決めなく、またすでに回収状況も隠されている)、というのが東卸特定調停事件です。
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10704514669.html
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10708517395.html

組合総代選挙に向けて、総代候補者有志から、この事件の検証に基づく公約の文書が配布されたそうなので、以下に示します。また、冒頭部を転記します。

平成22年11月19日
『約26億円に関するお約束』
組合員各位        後記総代候補者有志

1. われわれ総代候補者26名(管理人注:この数はこれから変わるようで手書きになっていました)は,町山監事が作成した調査報告書2通、伊藤理事長により配布され た『特定調停』に関する説明資料(平成22年11月13日付)などを検討した結果、次期理事長候補に対し,約26億円の貸付債権の回収金に関して組合員に 対する平等な分配を行うよう強く望むとともに,理事選においては組合員への平等な分配を確約した理事候補者に対してだけ投票することをお約束いたします。
(ここまで冒頭部)

では、こちらが資料です。この次のページに総代候補者有志の一覧のお名前がありましたがそちらは割愛します。



Like a rolling bean (new) 出来事録-約26億円の貸付債権に関するお約束

こちらはクリックで拡大します(上の画像より高精細です)。

Like a rolling bean (new) 出来事録-約26億円の貸付債権に関するお約束(クリック拡大)

言うまでもありませんが、これは単なる内紛や泥仕合でなく、弁護士会計士裁判所監査法人なども関与し、またことの性質上、非常に公益性の高い重要な問題で、広く知られるべきことです。大手では毎日新聞が取り上げたきり他社は沙汰止み で、マスメディアにはそういった発想はないのでしょうか?(あえて疑問文で問いかけます)

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